フェーズ1-H
創業融資の検討
創業時の資金調達には、大きく分けて次の2つの公的な制度があります。
1. 日本政策金融公庫の創業融資
2. 茨城県の創業支援融資(制度融資)
それぞれの特徴と違いを整理して説明します。
1. 日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫が提供する、創業予定者および創業後間もない事業者向けの公的融資制度です。創業前または創業後2期未満でも申込みが可能で、実績がない段階でも利用しやすいのが特徴です。原則として無担保・無保証で利用できる制度設計になっており、個人保証に不安がある方でも申込みしやすく、創業時の「最初の資金調達」として最も一般的な制度です。
主な特徴
【融資元】日本政策金融公庫(政府系金融機関)
【保証・担保】原則不要
【返済期間】設備資金20年以内、運転資金7年以内
【金利】比較的低水準
創業時のベースとなる資金調達手段として、まず最初に検討されることが多い制度です。
2. 茨城県の創業支援融資(制度融資)
茨城県が主体となり、金融機関・信用保証協会・県が連携して運用する制度融資です。実際の融資は地銀・信用金庫が行い、信用保証協会が保証を付け、県が利子補給や保証料補助を行います。民間金融機関からの借入でありながら、創業者向けに条件が優遇されている点が特徴です。
主な特徴
融資元:地銀・信用金庫(常陽銀行、筑波銀行、水戸信用金庫など)
【保証】信用保証協会付き
【返済期間】設備資金10年以内、運転資金7年以内
【金利】固定 年1.3〜1.6%程度(県の補助あり)
【保証料】原則0.9%(一定条件で引下げあり)
創業後の追加資金や、地域金融機関との関係づくりを重視する場合に向いている制度です。
3. 創業融資に共通する審査の5つのポイント / 自治金融の活用
創業融資(日本政策金融公庫・県の制度融資いずれの場合も)、審査で見られるポイントは本質的にほぼ共通しています。制度ごとの違いはあっても、判断軸は次の5つに集約されます。
- ビジネスモデルが成立しているか
- 市場・顧客・競合を理解しているか
- 売上・利益の予測に根拠がある
- 返済額が事業のキャッシュフローに対して過大でないか
- 自己資金があるか(原則として一定割合以上)
- 融資金の使い道が具体的かつ妥当か。
- 代表者に信用上の問題がないか(金融事故・反社等)
- 面談時の受け答えが誠実か、一貫性があるか
- 同業界での実務経験があるか
- 経験がない場合は補完体制(共同創業者・顧問・外注等)があるか
制度や金融機関が違っても、創業融資の審査の本質はこの5点に集約されます。ここを一つずつ整えていけば、融資は十分に現実的な選択肢になります。
2回目の融資では「自治金融」を選択肢に検討する価値あり
「自治金融(自治体融資)」は、各市区町村が地元の小規模事業者を支援するために、銀行や信用保証協会と協力して提供している融資制度です。茨城県の「県制度融資」よりもさらに地域に密着した制度で、「利子補給(利息を自治体が肩代わり)」や「保証料補助」が手厚い傾向があるのが最大の特徴です。
利子補給は支払った利息の全額、あるいは一部が自治体から戻ってくるため、実質的な金利負担が極めて低くなります。保証料補助は信用保証協会に支払う保証料を自治体が全額、または半額補助してくれるケースが多く、諸費用を抑えられます。
対象は、市内に事業所と代表者の住所があり、原則として1年以上同一事業を営んでいること(創業枠がある自治体もあるが、2回目以降の利用で真価を発揮)。使途は運転資金や設備資金など、日々の経営を支える資金として活用できます。
FLOWからのアドバイス「2回目以降に自治金融を勧める理由」
FLOWでは、1回目はスピード重視の「公庫」や「信用金庫・地銀の創業融資」を利用し、事業が軌道に乗った2回目以降に「自治金融」に切り替える戦略を推奨しています。
【理由1】相対的に手元にお金が残る
2回目以降の融資(追加融資や借換え)で自治金融を利用することで、利息や保証料の負担を大幅に減らせます。浮いた資金を次の投資や内部留保に回すことができるため、経営の安定感が劇的に向上します。
【理由2】地元金融機関との「実績」を活かせる
1回目の融資(地銀・信金)できちんと返済実績を作っておくことで、自治金融の審査が非常にスムーズになります。銀行側も「優良な地元企業」として自治体へ推薦しやすくなるため、融資の成功率が上がります。
【理由3】地域のセーフティネットを確保できる
自治金融を利用し、つくば市役所の産業振興課や地元の商工会との接点を持つことで、融資だけでなく「地域の補助金」や「経営支援」の情報が入りやすくなるという副次的なメリットもあります。
FLOWができること
創業融資を受けられるかどうかのヒアリング
法人設立前の段階で、創業融資を申し込むことができる状況なのかをヒアリングします。創業融資を受けられないことで事業を始められないとなると、そもそも法人設立した意味も無くなってしまうからです。お客様が融資を受けられる状況なのかは、法人を作る前に検討が必要です。
自治体・金融機関とのパイプ役
つくば市をはじめとした各自治体の窓口や、提携している信用金庫・地方銀行の担当者と連携し、2回目以降の融資もスムーズに実行されるよう橋渡しをサポートします。融資制度の利用可否や条件は、会社の財務状況や自治体ごとの制度内容によって異なります。
本記事は特定の金融機関や制度の利用を推奨するものではありません。
どのフェーズからでも、相談できます。
まずは現状を
整理するところから
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