【月末に事業供用した減価償却資産の注意点】

おはようございます。

税理士法人FLOW会計事務所の会田です。

今回は、減価償却費の月割計算について、償却費が1ヶ月分少なくなる場合のご紹介です。

例と同様の決算月の会社は注意が必要です。

◆償却費が1ヶ月分少なくなる!?

さて、どのような場合に少なくなるのでしょうか。

それは「事業年度が10/1~9/30」で、「減価償却資産が5/31に納品されて事業供用をした」、といった場合です。

5/31に事業共用していますので、減価償却費は「5・6・7・8・9」と5ヶ月計上できるように思えます。

しかし、今回の場合は4ヶ月分しか計上できません。

◆なぜ1ヶ月少なくなるのか?

理由は、月数の数え方に誤りがあるためです。

国税通則法10条に「期間の計算及び期限の特例」というものがあります。

この条文内で月数の数え方について、下記のように定められています。

(民法にも同様の条文がありますが、今回は割愛いたします。)


二 期間を定めるのに月又は年をもつてしたときは、暦に従う。

三 前号の場合において、月又は年の始めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。

ただし、最後の月にその応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

「国税通則法10条」引用


これを上記の例に当てはめてみます。

月初からの起算ではない場合、「起算日に応当する日の前日に満了する」とありますので、事業供用した5/31の前日の「30日」となります。

ここから1ヶ月ずつ数えていくと「6/30・7/30・8/30・9/30」となり、計上できる月数は4ヶ月だけになるのです。

そのため、冒頭のように月数で数えていた場合は1ヶ月多く経費計上していたことになり、税務調査で指摘されることが考えられます。

仮に10/31の場合は、「6/30・7/30・8/30・9/30・10/30・10/31」と6ヶ月分計上することができますので、会社ごとに確認が必要かどうかが違います。

過去にはこの計算に対応していない減価償却ソフトもありましたので、ご利用のシステムを確認してみると良いでしょう。

以上となります。

今回は、意外な盲点になる内容についての紹介でした。

ご参考になれば幸いです。

では、また。

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