【帳簿書類等の保存期間及び保存方法】
こんにちは。
税務署OBの税理士 中村です。
昔、現役のころ、調査等で納税者の方の自宅を訪問し、話を聞いて調査を進めて行くと、帳簿書類等の保存がなされていないところに出くわすことが間々ありました。
税務署というところは、保存書類等が無くても、申告内容の是非を検討するのに、いろいろな手段を使って検討することを行います。その結果が、自分の意に沿うような結果になるようなことは少なく、税務署側の有利な方向で動くことは確かです。だから、帳簿書類等の保存については、確実に行って頂くのが賢明と思われます。
今回は改めまして帳簿書類等の保存期間と保存方法について説明したいと思います。
◇帳簿書類の保存期間
帳簿を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成又は受領した書類を
その年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。
取引情報の授受を電磁的方式によって行う電子取引をした場合には、原則としてその電磁的記録(電子
データ)をその年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります。
※「帳簿」には、例えば総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、
売上帳、仕入帳などがあり、また、「書類」には、例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、請求書、領収書などがあります。
◇帳簿書類の保存方法
①原則の方法
帳簿書類の保存方法は、紙による保存が原則となります。
したがって、電子計算機で作成した帳簿書類についても、原則として電子計算機からアウトプット
した紙により保存する必要があります。
②6年目以降のマイクロフィルムによる保存方法
③電磁的記録による保存方法・・・この場合は、税務署への申請書の提出が必要。
④一定の書類のスキャナ読取りの電磁的記録の保存方法・・・・税務署への申請書の提出が必要。
⑤電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存方法
⑥電子取引をした場合の電磁的記録の保存方法
電子取引の取引データの保存方法としては、①電子データをそのまま保存する方法、②電子データを出力した書面を保存する方法及び③電子データをCOMに出力して保存する方法の3通りの方法があります。
これらの方法に関しては、税務署長の承認を必要としませんので、任意に選択できますが、規則性及び
継続性なく保存方法を混在することは認められていませんので、ご注意ください。