【贈与税申告は2月1日から!申告が「必要な人」と「不要な人」の境界線をやさしく解説】

こんにちは。 FLOW会計事務所の野澤です。

年が明け、あっという間にもう2月ですね。 税務の世界では、2月16日から始まる所得税の「確定申告」が一大イベントとして知られていますが、それより少し早くスタートする重要な手続きがあることをご存知でしょうか?

それは、「贈与税の申告」です。

贈与税の申告書は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者(もらった人)の住所地の所轄税務署に提出しなければなりません。所得税よりも受付開始が早く、すでにスタートしています。

「親から少し援助してもらったけれど、これって税金がかかるの?」 「贈与税はかからない金額だと聞いたけれど、申告しなくていいの?」
この時期、当事務所にもこうしたご相談が多く寄せられます。 そこで今回は、贈与税の申告が「必要な人」と「不要な人」の境界線について、分かりやすく解説します。

まずは基本の「基礎控除110万円」ルールを確認

贈与税の基本は、「1月1日から12月31日までの1年間」にもらった財産の合計額で判断します。原則として、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下であれば、贈与税はかかりませんし、申告も不要です。

ここで注意したいのが、「もらった人(受贈者)ごとの合計」であるという点です。

父から100万円をもらった。
これだけなら110万円以下なのでセーフです。
しかし、もし同じ年に母からも50万円もらっていたとしたら?
父から100万円 + 母から50万円 = 合計150万円

この場合、110万円を超えた「40万円部分」に対して贈与税がかかるため、申告が必要になります。「あげた人ごと」ではなく、「もらった人の合計」で判定することを忘れないようにしましょう。

【贈与税申告が必要な人】

では、具体的にどんな人が申告会場(またはe-Tax)へ向かわなければならないのでしょうか。主なケースをまとめました。

1. 1年間の贈与額が110万円を超えた人 もらった人(受贈者)の合計

もっともシンプルなケースです。 現金だけでなく、株式、不動産、車などの価値も含めて計算します。110万円を超えた場合は、超えた分に対して課税されるため、申告と納税が必要です。

2. 「相続時精算課税制度」を初めて使う人

これは、「2,500万円までは贈与税がかからず、将来相続するときに精算する」という制度です。 「税金がかからないなら申告不要では?」と思われがちですが、この制度を利用するためには、「私はこの制度を使います」という届出(申告)が絶対に必要です。 申告を忘れると、通常の高い税率が適用されてしまう可能性がありますのでご注意ください。

3. 「住宅取得等資金の非課税特例」を使う人

「親からマイホーム資金として500万円援助してもらった」といったケースです。 一定の要件を満たせば、贈与税が非課税になる特例があります。

誤解しがちなポイントなのですが、「特例を使って税金がゼロになる場合」でも、申告は必要です。 「特例の適用を受けるための申告」をして初めて、税金がゼロになる仕組みだからです。申告をしないと、特例が認められず高額な贈与税が発生することになります。

4. 「配偶者控除(おしどり贈与)」を使う人

結婚して20年以上の夫婦間で、自宅やその購入資金を贈与する場合、最高2,000万円まで控除できる特例です。 こちらも住宅資金同様、特例を受けるためには申告書を提出することが必須条件です。

【贈与税申告が不要な人】

次に、申告をしなくてよいケースです。

1.  1年間の贈与額が110万円以下の人 もらった人(受贈者)の合計

前述の通り、通常の贈与(暦年贈与)で、特例などを使わず単純に合計額が110万円以下であれば、申告は不要です。

2.  生活費や教育費として「必要な都度」受け取ったお金

例えば、親が大学生の子供に送る仕送り(家賃や生活費)、入学金などの教育費です。 これらは、通常必要と認められる範囲であれば、金額に関わらず非課税とされています。

重要なポイントは「必要な都度」であることと「通常必要と認められる範囲内」であることです。 「向こう4年分の生活費」として数百万をまとめてポンと渡してしまうと、贈与税の対象となる可能性があるため注意が必要です。

【よくある勘違い・注意点】

申告の要・不要を判断する際、落とし穴になりやすいポイントをご紹介します。

保険金も「贈与」になることがある

「親が保険料を負担していた生命保険」の満期保険金を、子供が受け取った場合。これは「親から子供へ、保険金という形でお金が渡った」とみなされ、贈与税の対象になります(※契約形態によります)。 現金の手渡し以外も「みなし贈与」として課税されることがあるので注意しましょう。

借金の肩代わり

「子供の借金を親が代わりに返済した」という場合、その返済額相当を親から子供へ贈与したとみなされますので注意しましょう。

申告期間と手続き方法

2025年(令和7年)分の贈与税申告期間は以下の通りです。

期間:2026年(令和8年)2月2日(月)~3月16日(月)

最近では、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して、スマホやパソコンからe-Taxで申告される方が増えています。税務署に行かずに自宅で完結できるため、非常に便利です。利用可能時間は国税庁のホームページから確認できます。

迷ったら専門家に相談を

贈与税の仕組みは、「特例を使うなら申告が必要」「生活費なら不要」など、少し複雑なルールになっています。

「自分は申告が必要ないと思っていたけれど、実は必要だった!」 という場合、後からペナルティ(無申告加算税など)がかかってしまうこともあります。

「自分のケースはどうなんだろう?」 少しでも迷われた際は、自己判断せずに、お近くの税務署や税理士にご相談されることをおすすめします。

当事務所でも、贈与税に関するご相談を承っております。 「難しい言葉は使わずに」ご説明することを心がけておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

【保存版】銀行は黒字だけ見ていない?審査は「準備」で9割決まる融資攻略ガイド

こんにちは!つくば市にあるFLOW会計事務所の会田です!
「事業を拡大するために、新しい設備を入れたい」「手元の資金を厚くして、経営を安定させたい」 そう考えたとき、最も頼りになるのが銀行融資です。

しかし、「審査に落ちたらどうしよう…」「銀行員と何を話せばいいか分からない」と、不安を感じて足踏みしてしまう経営者様も多いのではないでしょうか。

実は、銀行融資の審査には、知っているだけで通過率がグッと上がる「明確なポイント」が存在します。

今回は、銀行員がこっそり見ている「決算書の評価ポイント」から、面談での「刺さる言葉」、そして融資実行後の注意点まで、今すぐ使える実践的なノウハウを分かりやすく解説します。

1. 銀行はここを見ている!決算書の「点数」を上げる2つの秘策

銀行は審査において、独自の基準(スコアリング)で企業に「点数」をつけています。この点数を高めるために、決算書作りで意識すべき絶対的なポイントが2つあります。

① 決算日の「現預金残高」を死守する

銀行は「お金を持っている会社」を高く評価します。「お金が必要だから借りるのに?」と思うかもしれませんが、手元資金が潤沢な会社ほど倒産リスクが低いと判断されるからです。

ここで重要なのが、決算日(個人なら12/31、法人なら期末日)時点の残高です。 銀行は、決算書(貸借対照表)に記載された「その日の数字」を見て判断します。期中にどれだけ変動があっても、決算書の数字が全てです。

テクニック: 決算日が近づいたら支払いのタイミングを調整したり、一時的に社長個人の資金を入金(役員借入金)したりしてでも、決算日の残高を厚く見せることが、評価アップの鉄則です。

② 「営業利益」を黒字にする

損益計算書にはいくつかの利益がありますが、銀行が最も重視するのは「営業利益」です。これは「本業でどれだけ稼ぐ力があるか」を示す数字だからです。

テクニック: 退職金や決算賞与などの「特別な支出」がある場合は、販売費及び一般管理費ではなく「特別損失」に計上しましょう。これにより、営業利益を減らさずに済みます。これは不正ではなく、会計ルールに則った賢い表示方法です。

なお、役員賞与は「販売費及び一般管理費」に計上が必須となりますので、ご注意ください。

2. 融資担当者を味方につける!面談の極意

審査書類と同じくらい重要なのが、経営者の「人となり」や「熱意」です。しかし、ただ「頑張ります!」と訴えるだけでは不十分です。

① 担当者が「稟議書(りんぎしょ)」を書きやすいように話す

銀行の担当者は、上司に融資の承認をもらうために「稟議書」という書類を作成します。面談の本当の目的は、この稟議書を書くための材料集めです。

NG: 「絶対に売れる自信があります!」(根拠がない)

OK: 「既に契約書が〇件あり、過去のデータから〇〇円の売上が見込めます」

担当者が上司に対して「この根拠なら返済可能です」と説得できる客観的な材料(証拠)を渡してあげることが、審査通過への最短ルートです。

② 見た目の「定性評価」もあなどれない

「人は見た目が9割」と言いますが、銀行面談も同じです。清潔感のある服装は必須です。 また、担当者が会社訪問に来た際、「従業員が挨拶できるか」「社内が整理整頓されているか」といった点も、企業の管理能力としてしっかり見られています。

3. 自社に合うのはどれ?融資の種類と活用法

一口に融資と言っても、いくつか種類があります。自社のステージに合わせて使い分けましょう。

信用保証協会付き融資: 創業期や実績が少ない段階向け。協会が保証してくれるため借りやすいですが、保証料がかかります。

プロパー融資: 銀行が直接リスクを負って貸す融資。ハードルは高いですが、これを受けられるようになると銀行からの信用度が格段に上がります。まずはここを目指しましょう。

短期継続融資(手形貸付など): 運転資金におすすめ。「1年以内に返済」という条件ですが、利息のみを支払い、元本は書き換え(更新)を行うことで、実質的に借り続けられる仕組みです。資金繰りが非常に楽になります。

4. これをやったら一発アウト!融資後の「NG行動」

無事に融資を受けられても、油断は禁物です。以下の行動をすると、銀行からの信用を一瞬で失い、次の融資が受けられなくなります。

資金使途違反(流用): 「設備資金」で借りたのに運転資金に使ったり、社長個人の車や株式投資に使ったりするのは言語道断です。

別会社への貸付: 関連会社や子会社にお金を流す行為(迂回融資)も、銀行は非常に嫌がります。

繰り上げ返済の乱発: 銀行は利息収入を計画して貸しています。余裕があるからとすぐに全額返済すると、銀行の顔を潰すことになりかねません。

口座に放置: 借りたお金を全く使わずに置いておくと、「資金需要がないのに借りたのか(実績作りか?)」と疑われ、マイナス評価になることがあります。

5. まとめ:銀行は「晴れの日に傘を貸す」パートナーへ

銀行融資をスムーズに受ける最大のコツは、お金が必要になる前から信頼関係を築いておくことです。

例えば、3ヶ月に1回試算表を持って現状報告に行くだけでも、担当者の心証は劇的に変わります。「銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」と言われますが、日頃から自社の状況を正しく伝えておけば、いざという時に雨の日でも傘を差し出してくれるパートナーになります。

「銀行への説明の仕方が不安」「決算書をどう作れば評価が上がるか知りたい」という方は、ぜひ一度、融資に強い専門家にご相談ください。

正しい準備と知識で、事業の成長を加速させましょう!

【令和7年分確定申告】「年収160万円の壁」へ!基礎控除等の3大改正ポイントをわかりやすく解説

皆様、こんにちは。つくば市にあるFLOW会計事務所の河野です。

新しい年を迎え、いよいよ確定申告の準備を始める時期が近づいてまいりました。毎年恒例の手続きではありますが、今回の令和7年(2025年)分からの確定申告は、これまでの常識が通用しない「歴史的な改正」が行われた年となります

ニュースなどで「年収の壁」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。今回の改正は、物価上昇への対応や、働く時間を調整する「働き控え」の解消を目的としており、税金の仕組みそのものが大きく見直されています。

制度が変わるということは、これまで通りの申告をしてしまうと、本来受けられるはずの正しい控除が適用されないリスクがあるということです。

そこで今回は、専門用語をできるだけ使わず、一般の方にも分かりやすく、今年の確定申告で必ず押さえておくべき「3つの大きな変更点」を解説します。

1.基礎控除が最大95万円に!「年収160万円の壁」の誕生

まず一つ目のポイントは、すべての納税者に関係する「基礎控除」の大幅な引き上げです。
これまでは、所得金額に関わらず一律48万円(高所得者を除く)だった基礎控除額が、令和7年分からは「働いて得た所得」に応じて段階的に設定される仕組みに変わりました。

【令和7年分以後基礎控除額】

合計所得⾦額132万円以下      :  95万円(改正前:48万円)

合計所得⾦額132万円超336万円以下  :  88万円(改正前:48万円)

合計所得⾦額336万円超489万円以下  :  68万円(改正前:48万円)

合計所得⾦額489万円超655万円以下  :  63万円(改正前:48万円)

合計所得⾦額655万円超2,350万円以下 :  58万円(改正前:48万円)
***(令和9年分以後合計所得金額が132万円超2,350万円以下:58万円)***

これに合わせて、会社員やパートの方が受けられる「給与所得控除」の最低額も、従来の55万円から65万円に引き上げられました。

そして、この2つの控除を合わせるとどうなるでしょうか?

つまり、給与年収が160万円までであれば、所得税がかからない計算になります。これがいわゆる「年収160万円の壁」と呼ばれる新しい基準です。これまでの「103万円の壁」から大幅に枠が広がったことで、より働きやすい環境になったと言えます。

【重要】住民税には注意が必要

ただし、ここで一つ大きな注意点があります。今回の改正で引き上げられたのはあくまで「所得税」の話であり、住民税の基礎控除(43万円)は変更されていません。

そのため、「所得税はかからなくなったけれど、住民税は従来どおり発生する」というケースが増えることが予想されます。「税金がゼロになった」と勘違いしやすいポイントですので、家計の管理においては住民税の通知もしっかり確認するようにしましょう。

2.子育て世帯に朗報!「特定親族特別控除」の新設

二つ目のポイントは、大学生や専門学生など(19歳〜22歳)のお子様がいらっしゃるご家庭に関する変更です。新しく創設された「特定親族特別控除」について解説します。

これまでは、お子様のアルバイト年収が「103万円」を1円でも超えると、親御さんが受けていた「扶養控除(63万円)」が完全に消滅していました。そのため、年末の繁忙期に学生さんがシフトに入れない「働き控え」が社会問題となっていました。

令和7年分からは、このルールが以下のように柔軟になります。

【親の控除が受けられる年収ラインの変更】

お子様の給与年収が150万円以下: 親は引き続き63万円の満額控除を受けられます。
年収150万円超〜188万円以下: 控除額がゼロになるのではなく、段階的に控除を受け続けることが可能です。

【社会保険の扶養もあわせて変更】

さらに、税金だけでなく社会保険の扶養ルール(19歳以上23歳未満)についても、年収基準が従来の130万円から150万円へ引き上げられました。

税金と社会保険の足並みが揃ったことで、学生の方が学業と両立しながら、より柔軟にアルバイト等で社会経験を積める環境が整っています。親御さんにとっても、お子様の収入を細かく気にしすぎる負担が減る嬉しい改正と言えるでしょう。

3.事務手続きの簡略化とデジタル化の進展

制度の内容だけでなく、申告の手続きそのもの(DX化)も大きく進歩しています。特に注目すべき3点をご紹介します。

① 住宅ローン控除の書類添付が不要に

これまで住宅ローン控除を受けるために必要だった「年末残高証明書」の原本添付が不要になります。「調書方式」という制度が導入され、金融機関から税務署へ直接データが送られるようになったためです。多くの銀行が対応しており、ハガキを紛失して再発行を依頼するといった手間がなくなります。

② e-Tax(スマホ申告)がさらに便利に

スマートフォンの進化に合わせて、e-Taxも使いやすくなっています。iPhone等の対応端末でマイナンバーカードを一度設定すれば、毎回カードをかざして読み取らなくても、Face ID(顔認証)や生体認証などでログインや送信ができるようになります。また、マイナポータル連携により、生命保険料控除やふるさと納税などのデータ自動入力対象も大幅に拡大しており、計算ミスの防止にもつながります。

 ③ 「受領印」や「納付書」の廃止

紙で窓口に提出した場合に押されていた税務署の「受付印(収受印)」が廃止されました。提出の証拠が必要な場合は、保有個人情報開示請求など別の手続きが必要になるため、控えの管理には注意が必要です。また、納付書も原則として事前に送付されなくなります。これを機に、振替納税(口座引き落とし)やスマホアプリ納付(Pay払い等)への切り替えをお勧めします。

最後にe-Tax利用予定の方への「緊急の注意喚起」

最後に、今年e-Taxでの申告を予定されている方に、非常に重要な確認事項をお伝えします。それは「マイナンバーカードの電子証明書の有効期限」です。

マイナンバーカード自体の有効期限は10年ですが、e-Taxなどで使う「電子証明書」の有効期限は5年と短く設定されています。特に、2021年頃の「マイナポイント事業」の際にカードを作られた多くの方が、今年まさにこの「5年の期限」を迎えます。

電子証明書の期限が切れていると、カード自体は使えてもe-Taxでの送信ができません。3月の申告期限直前になると、役所の窓口は更新手続きの方で非常に混雑します。「申告しようと思ったら送信できなかった!」という事態を防ぐためにも、今のうちに有効期限を確認し、必要であれば早めに更新手続きを行ってください。

まとめ

令和7年分の確定申告は、控除額が所得によって細かく分かれるため、例年以上に「自分はどの区分に該当するか」「家族の収入はどうなっているか」を正確に把握することが重要です。

会計ソフトやe-Taxのシステムを利用すれば計算自体は自動で行われますが、その入力の元となる情報(お子様の正確なアルバイト年収など)が間違っていると、正しい税額が計算されません。

制度が複雑で不安な方や、ご自身がどの控除に当てはまるか判断が難しい場合は、お早めにお近くの税務署の相談窓口や、私たち税理士事務所へご相談ください。

正しい知識と準備で、気持ちよく新しい年度を迎えましょう。

【1月31日締切】初心者必見!「償却資産税申告」と「法定調書合計表」のポイント解説

つくば市のFLOW会計事務所の斉藤です。休み明け 1月のバックオフィスは年末調整や源泉所得税の納付など大忙しですね。その中で、忘れてはならない2大業務が「償却資産税の申告」「法定調書合計表の提出」です!

提出期限はどちらも1月31日。(R8年は月末が土日のため2月2日(月) )

今回はその基礎知識とポイントを解説します。

1. 償却資産税(固定資産税)の申告

償却資産税(しょうきゃくしさんぜい)とは、固定資産税の一つ。土地・建物以外の「事業に使っている資産(機械や備品)」にかかる税金です。

これらは土地・建物と違って登記されていないので、毎年、1月1日時点の所有状況を事業者が自ら市町村(東京23区は都)に申告します。これが「償却資産税申告」です。

【申告の対象となる具体的な資産】

どんなものが対象なのでしょうか?

主な対象資産は以下の通りです。

  • 機械及び装置:工場内の製造機械、ブルドーザー、機械式駐車設備など
  • 器具及び備品:パソコン、サーバー、コピー機、応接セット、看板、医療機器、理美容機器など
  • 建物附属設備:テナントとして入居した際に施工した内装工事、電気設備、給排水設備など
  • 構築物:舗装された駐車場のアスファルト、フェンス、門、花壇など
【ここがポイント】

テナント入居時に借主が行った内装工事(内部造作)は、建物の所有者ではなく、借主が償却資産として申告します。

自動車税が課税されている自動車、および無形固定資産であるソフトウェアは申告対象外です。

【要注意 少額資産の落とし穴】
  • 申告不要: 10万円未満の備品、または20万円未満の「一括償却資産(3年均等)」
  • 申告が必要: 30万円未満の特例(中小企業者の特例)で全額損金算入したもの

「経費で落としたから対象外」と思い込みがちですが、「30万円未満の特例」を使って経費にした資産は申告が必要なのです。必ずチェックしておきましょう。

2. 法定調書合計表の提出

「法定調書合計表(ほうていちょうしょごうけいひょう)」とは、1年間の支払い実績のまとめレポートです。特定の費用を「誰に・いくら支払ったか」を税務署に報告します。

例えば、あなたがフリーランスのデザイナーに報酬を支払ったとします。税務署は、あなたの会社から提出された法定調書と、そのデザイナーさんが行った確定申告の内容を照らし合わせます。こうして、双方が正しく税務処理を行っているかを確認(クロスチェック)しているのです。

【記載する主な内容】

主に以下の6種類の「支払調書」や「源泉徴収票」をまとめ、表紙である「法定調書合計表」に記載します。

  • 給与所得の源泉徴収票:役員や従業員に支払った給与・賞与
  • 退職所得の源泉徴収票:退職金の実績
  • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書:税理士、弁護士、社労士への報酬や、デザイナー・ライターへの原稿料など
  • 不動産の使用料等の支払調書:事務所や社宅の家賃、更新料、礼金など
  • 不動産等の譲受けの対価の支払調書:不動産を購入した代金
  • 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書:不動産会社へ支払った仲介手数料
【ここがポイント】

特に「報酬」と「不動産の使用料」は、集計漏れが起きやすい項目です。1月〜12月の間に支払った金額を、帳簿や通帳を確認して正確に拾いましょう。

家賃は更新料の支払いの有無もチェックです。

提出方法: 窓口・郵送・e-Tax(電子申告)

提出にはe-Taxが効率的でおすすめです。一度設定してしまえば、次からはずっと楽になるでしょう。

まとめ

償却資産税申告:市区町村へ、事業用資産(モノ)の状況を報告する。

法定調書合計表:税務署へ、1年間の支払実績(カネ)を報告する

これらの申告業務は、いわば会社の「年に一度の健康診断」のようなものです。

正確なデータを整理・申告することで、翌年以降の資産管理や経費管理もスムーズになります。

判断に迷う場合や、集計方法に不安があるときは、ご自身で悩まず、お近くの税務署や顧問税理士へお早めにご相談ください。

正確かつ計画的な準備で、この忙しい1月を一緒に乗り切っていきましょう!

年末年始休暇のお知らせと御礼

いつも税理士法人FLOW会計事務所をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

誠に勝手ながら、当事務所では下記の期間を年末年始休暇とさせていただきます。

【年末年始休暇期間】
2025年12月27日(土)〜 2026年1月4日(日)

休暇期間中にいただいたお問い合わせにつきましては、
2026年1月5日(月)以降、順次ご対応させていただきます。
お急ぎのところご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


本年も多くのお客様に支えていただき、無事に一年を終えることができました。
日々のご相談ややり取りの中で、私たち自身も多くの学びをいただいた一年だったと感じています。
本当にありがとうございました。

2026年も、ひとつひとつのご相談に丁寧に向き合いながら、
少しでもお役に立てるよう、事務所一同取り組んでまいります。

どうぞ良いお年をお迎えください。

【インボイス制度「2026年問題」って何!?】2割特例廃止と負担増!今すぐ取り組むべき3つのアクション

こんにちは、FLOW会計の斉藤です。

インボイス制度の導入から1年が過ぎました。「ようやく慣れた…」とホッとしていませんか?しかし、本当の正念場はこれからです。

2026年10月、多くの小規模事業者の経営を直撃する「時限爆弾」、通称「2026年問題」が待ち構えています。

「知らなかった」では済まされない急激な負担増を避けるため、その正体と今すぐ取るべき対策を解説します。

あなたの事業を揺るがす2つの「激変」

2026年10月から、現在多くの事業者を支えている負担軽減措置が縮小・廃止されます。

  • 経過措置の縮小(80%控除 → 50%控除へ)

現在、免税事業者からの仕入れでも、取引先は支払った消費税の「80%」を控除できます。つまり実質的な負担増は20%しかありませんでした。

しかし、2026年10月以降、この割合が「50%」にまで引き下げられます。

これにより、取引先は免税事業者との取引コストがグンと増えることになります。

免税事業者にとっては、値下げを要求されたり、最悪の場合、取引を打ち切られたりするリスクが現実的になるのです。

  • 「2割特例」の完全廃止

インボイス登録に踏み切った元免税事業者の多くが活用しているであろう、まさに“救世主”ともいえる制度が「2割特例」。

これは、「売上にかかる消費税額の2割」だけを納税すればOKという、納税額も、事務負担も、大幅に軽減してくれる特例措置です。

この特例が、2026年9月末で完全に終了します!

(※個人事業主は2026年分の確定申告まで適用)

もし対策をしなければ、業種によっては納税額が数倍に跳ね上がる可能性があり、事業の資金繰りに深刻な影響を及ぼしかねません。

■ 生き残るための3つのアクション

1. 取引先と方針を協議する

特に免税事業者の方は、課税事業者になるのか、免税のまま価格で調整するのか、2026年10月以降の方針を主要な取引先と話し合いましょう。

事前の誠実な対話が、信頼関係と取引を維持する鍵です。

2. 最適な納税方法を決定する

2割特例終了後は「簡易課税」か「本則課税」を選択しなければなりません。事務負担が軽い「簡易課税」、設備投資など経費が多い場合に有利な「本則課税」。納税額で大きな差がつくことも。どちらが自社に有利か、シミュレーションしてみることが重要です。

  • 簡易課税:業種ごとに定められた「みなし仕入率」で計算。実際の経費計算が不要で、事務負担が軽いのが特徴。
  • 本則課税:売上にかかる消費税から、仕入れや経費にかかった消費税を差し引いて計算。インボイスの集計・保存が必須で手間は増えますが、大きな設備投資などがある場合は有利になることも。

3. ITツールと補助金をフル活用する

増える事務負担は、デジタル化で乗り切りましょう!これからの時代、ITツール導入は不可欠です。 「でも、コストがかかる…」とためらう必要はありません。国は、事業者のデジタル化を支援する強力な補助金を用意しています。

  • IT導入補助金(インボイス枠):クラウド会計ソフトやPC、タブレットの購入費用などを、最大8割という高い補助率で支援するものです。
  • 小規模事業者持続化補助金:インボイス対応に限らず、販路開拓や生産性向上のための幅広い経費に利用できます。

補助金は、コストを抑えて未来への投資ができる絶好のチャンスです。

公募期間には限りがあります。今すぐ最新情報をチェックし、積極的に活用を検討してください。

まとめ

2026年10月は、小規模事業者にとって大きな転換点です。「まだ先」と先延ばしにせず、今日から準備を始めましょう。「取引先との対話」「納税方法シミュレーション」「ITツールと補助金の活用」。この3つの行動が、あなたの未来を守ります。

今すぐアクションを起こすことで、来るべき変化の波を乗りこなし、あなたの事業をさらに強く成長させることができるはずです。

不安な点があれば、一人で抱え込まず、私たちにご相談ください。

未来のために、今日から一歩を踏み出しましょう!

【新メンバー紹介】FLOW会計事務所に入社しました、柳井です!

初めまして!

9月からFLOW会計事務所に途中入社した、柳井と申します。

他会計事務所で約10年間お世話になった後異業種へ転向しましたが、この仕事のやり甲斐が忘れられず、再び会計・税務畑に戻ってきました。

趣味はDIYとサーフィンと経済動向のチェックです。

経済は寄せては返す波ですので、その時々の良し悪しに人生は大きく左右されます。

お客様と良い波を見極め、一体感を持ったコンサルティングをすることが目標です。

会計・税務と言うと堅苦しく思われがちですが、突き詰めると経済活動情報の集積であり、会計事務所はその情報の宝庫だと思います。

 

まだまだ未熟ものですが、宝箱のようなFLOW会計事務所で知識を研鑽し、お客様をお待ちしております。

これからよろしくお願い申し上げます。

もう迷わない!消費税の4つの課税区分について徹底解説!

こんにちは!FLOW会計事務所の堀です。

「消費税の課税区分、何だか難しくて苦手…」と感じていませんか?

経理を担当する上で、「課税」「不課税」「非課税」「免税」を正しく理解することは、企業の消費税納税額を適正に計算するために不可欠です。

もし区分を間違えてしまうと、最終的な納税額が大きく変わってしまう可能性があります。

この記事では、4つの区分について、初心者の方にも分かりやすいよう具体例を交えて解説します!

◆なぜ課税区分を正しく理解する必要があるのか?

消費税の納税額は、原則として、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて計算されます(これを仕入税額控除といいます)。

この「差し引ける金額」は、事業全体の「課税売上割合」によって変わる場合があります。非課税売上が多いと、差し引ける金額が少なくなり、最終的な納税額が大きく変わってしまうのです。

このため、日々の会計入力で正しい区分を選択することが非常に重要になります!

◆課税区分を判断する3つのステップ

どの課税区分に該当するかは、以下の3つのステップで順番に判断します。

  1. 不課税取引か?

→ 2. 非課税取引か?

→ 3. 免税取引か?

→ 4. どれでもなければ「課税取引」

◆4つの課税区分を具体例で解説

1. 不課税取引(消費税の対象外)

そもそも消費税の課税対象となる4つの要件を満たさない取引です。

4つの要件とは:

「事業者が」「国内で」「対価を得て」「資産の譲渡及びサービスの提供であること」

以上の4要件すべてを満たすものが課税の対象となり、どれか1つでも欠けている取引は課税対象とはなりません。

〈不課税取引の主な具体例〉

◯給与、賃金(雇用契約に基づき事業でないため)

◯寄付金、補助金、保険金、配当金(対価を得ないため)

◯国外での取引

2. 非課税取引(消費税がかからない例外)

課税対象の4要件は満たしますが、社会政策的な理由から例外的に消費税が免除される取引です。消費税法で限定的に定められています。

〈非課税取引の主な具体例〉

◯土地の譲渡・貸付け(ただし、駐車場や1ヶ月未満の貸付は課税)

◯居住用家賃(事務所家賃などは課税)

◯商品券、プリペイドカード

◯預金の利子、有価証券の譲渡

◯社会保険診療、介護保険サービス

3. 免税取引(消費税が免除される輸出関連)

課税対象の4要件をすべて満たしますが、国外で消費される取引のため、消費税が免除される取引です。

〈免税取引の主な具体例〉

◯商品の輸出

◯国際輸送(旅客・貨物)

◯非居住者(外国人など)へのサービス提供

4. 課税取引(消費税がかかる取引)

これまでの3つの区分にいずれも該当しない、原則的な取引です。

課税取引は、標準税率10%と、飲食料品などにかかる軽減税率8%に分けられます。

〈課税取引の主な具体例〉

◯商品の販売、サービスの提供

◯レストランでの飲食(外食)

◯オフィス用品の購入

◯税理士報酬などの専門家サービス

まとめ

消費税の課税区分は、最初は複雑に感じるかもしれませんが、この記事で解説した3ステップの判断方法を参考にすれば、迷うことなく会計処理ができるようになるはずです!

日々の会計入力を正確に行うことが、適正な納税、ひいては企業の安定経営につながります。判断に迷った際は、国税庁のウェブサイトや、お近くの税理士にご相談ください!

消費税インボイス制度が変わる!個人事業主・フリーランスが今すぐ知るべきこと

こんにちは!税理士法人FLOW会計事務所の庄司です。

突然ですが、消費税やインボイス制度について、「難しくてよくわからない…」と感じていませんか?特に2026年10月には、制度に大きな変更が予定されております。

「1年後だからまだ先」と思うかもしれませんが、早めに知っておくに越したことはありません。今のうちから少しずつ準備をしておきましょう。

この記事では、インボイス制度の基本から、2026年10月以降の変更点、事業への影響、そして今からできる対策を分かりやすく解説します。

1. 消費税の基本をおさらい

消費税は、消費者が負担し、事業者が国に納める税金です。

基本的な計算方法は、お客様から受け取った消費税から、仕入れや経費で支払った消費税を差し引く「本則課税」です。ただし、土地の売買や利子、補助金などは消費税がかからない「非課税取引」となります。

2. 課税事業者になる条件

消費税を納める義務がある「課税事業者」は、基本的には以下のいずれかに当てはまる事業者です。

  1. 2年前の課税売上高が1,000万円を超えている
  2. インボイス発行事業者として登録した

本来、売上が1,000万円以下で免税事業者であっても、インボイス登録をすると、自動的に課税事業者となり、消費税を納める義務が発生します。

3. 【重要】2026年10月からの大きな変更点

現在運用中のインボイス制度ですが、2026年10月以降に特に重要な2つの変更が予定されています。

① 免税事業者からの仕入れに関する控除率の変更

現在、免税事業者から仕入れを行った場合、消費税相当額の80%を「経過措置」として控除できます。しかし、2026年10月からはこの控除割合が50%に変更されます。

この変更は、免税事業者と取引のある課税事業者にとって、納税額の増加を意味します。その結果、課税事業者が負担増を避けるために、免税事業者への支払額を減額したり、取引を停止したりする可能性が懸念されています。

② 2割特例の廃止

インボイス制度を機に、免税事業者から課税事業者に転換した方が利用できる「2割特例」が、2026年9月末で廃止される予定です。

この「2割特例」は、売上にかかる消費税額の2割だけを納税すればよいという、事務負担の少ない制度です。廃止されると、多くの事業者は「簡易課税」または「本則課税」のどちらかで消費税を計算・申告しなければならなくなります。これにより、納税額が増え、事務作業の負担も重くなる可能性があります。

4. 消費税の計算方法を再確認

2割特例廃止後、主に以下の2つの計算方法が中心になります。

① 本則課税(原則課税)

「受け取った消費税額」から「支払った消費税額」を差し引いて納税額を計算する、原則的な方法です。全ての取引について消費税額を細かく集計する必要があり、事務負担は大きくなります。

② 簡易課税制度

2年前の売上高が5,000万円以下の事業者が選択できます。「受け取った消費税額」に、業種ごとの「みなし仕入率」を掛けて納税額を計算するため、個別に集計する手間が省けます。適用には事前の届け出が必要です。

どちらが有利かは事業内容や状況によって異なるため、ご自身のケースでシミュレーションを行うことが重要です。

5. 消費税負担を抑えるためのポイント

来るべき制度変更に備えて下記の点を確認しておきましょう。

① インボイス登録の要否を検討

取引先が一般消費者(BtoC)中心の場合など、インボイスを求められないケースでは、あえてインボイス登録をせず、免税事業者のままでいる選択肢も有効です。

② 法人設立時の資本金

法人を設立する際、資本金を1,000万円未満に設定することで、設立から最大2年間は消費税の納税義務が免除される制度を活用できます。

③ 納税資金の準備

消費税は、たとえ赤字であっても納税義務が発生する場合があります。納税資金は、運転資金とは別に、日頃から計画的にプールしておくことが非常に重要です。

まとめ

2026年10月以降、インボイス制度の変更は、特に個人事業主やフリーランスの方々の消費税に関する負担を大きく変える可能性があります。

ご自身の事業に合った最適な対策を見つけるためには、専門家への相談が不可欠です。消費税の計算や節税対策は、事業内容や売上規模によって最適な選択肢が異なりますので、ご不明な点はお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

これだけ押さえれば安心!相続手続きの流れと期限のポイント

こんにちわ!税理士法人FLOW会計事務所です!親族が亡くなるというのは、とてもつらい出来事です。
しかし同時に、相続手続きは待ってはくれません。期限を守らないと、延滞税や加算税など余計な負担が生じる可能性もあります。今回は、相続の流れと期限をわかりやすく整理しました。

1. 相続の手続きは「時間との勝負」

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなった日を知った翌日から10カ月以内。延長は認められていません。
期限を過ぎると、延滞税や加算税が課されるため、早めの準備が大切です。

2.亡くなった直後に行うこと

  • 死亡届の提出:7日以内(市区町村役場へ)
  • 通夜・葬儀の実施
  • 世帯主変更の届け出:14日以内

この段階で、遺言書の有無も確認しておきましょう。公正証書遺言は公証役場の検索システムで、自筆証書遺言は家庭裁判所での検認が必要です。

3.相続放棄は3カ月以内に判断

借金などマイナスの財産が多い場合は、相続放棄や限定承認を選択できます。
ただし相続開始を知ってから3カ月以内に家庭裁判所に申立てなければなりません。

4.税務手続きと財産評価

相続財産(不動産・株・預貯金など)を評価し、相続税額を算出します。
配偶者控除や小規模宅地等の特例を活用することで、税負担を軽減できる場合があります。

  • 準確定申告(被相続人の所得税):4カ月以内
  • 相続税の申告・納付:10カ月以内(延納・物納は条件付きで可能)

5.名義変更も忘れずに

不動産や株式、預貯金などの名義変更も必要です。特に不動産は、3年以内を目安に手続きを進めることをおすすめします。

最後に

相続は感情的にも負担が大きい出来事ですが、期限を意識して計画的に進めることで、後々のトラブルを防ぐことができます。
当事務所では、相続税申告だけでなく、遺産分割協議や相続放棄のご相談も承っています。
「何から始めればいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。