身近な人が亡くなってから2週間以内にすべきこと

税理士法人FLOW会計事務所です。

先日、「身近な人が亡くなってから1週間以内にすべきこと」をアップさせていただきましたが、今回は、2週間以内にすべきことのハナシです。

無事に葬儀が終わってもまだまだやることがあります。


①世帯主の変更(14日以内)

世帯主が亡くなった場合、世帯主変更届(住民異動届)の提出が必要になります。

提出先が死亡届出と同じ「故人が住んでいた市区町村の役場」になるので、死亡届出と同じタイミングで提出することもできます。

提出先:故人が住んでいた市区町村の役場

届出人:新世帯主又は同一世帯の方もしくは代理人

必要なもの:届出書(役場で入手)、健康保険証(加入者のみ)、運転免許証、印鑑、委任状(代理人の場合)

留意点:世帯主変更届を出したら住民票の写しを取得し、正しく変更されているか確認しましょう。

②健康保険証の返却(14日以内)

健康保険証は亡くなった日の翌日から使用不可となります。資格喪失の手続きをして、健康保険証を返却しましょう。

<国民健康保険に関する保険証の返却方法>

返却先:故人が住んでいた市町村役場の窓口

提出書類:国民健康保険資格喪失届(窓口入手可)*故人が75歳以上又は65歳~74歳で障害がある方であった場合には後期高齢者医療資格喪失届も窓口で入手し、一緒に提出しましょう。

返却物:国民健康保険被保険者証(故人が世帯主の場合は世帯主全員分)、国民健康保険高齢受給者証(対象者のみ)、後期高齢者医療保険被保険者証(対象者のみ)

必要なもの:死亡診断書等、マイナンバーカード、印鑑等(自治体によって異なるので事前にご確認ください)

*国民健康保険以外の健康保険に加入していた場合、基本的には会社側で手続きを行いますので、会社担当者までご確認ください。

③介護保険の保険証の返却(14日以内)

故人が、65歳以上または40歳以上65歳未満で要介護認定を受けていた場合、資格喪失の手続きをし、保険証を返却する必要があります。

返却先:故人が住んでいた市町村役場の窓口

提出書類:介護保険資格取得・異動・喪失届(窓口入手可)

返却物:介護保険被保険者証、介護保険負担限度額認定証(対象者)

必要なもの:死亡を証する書面、印鑑、通帳等(自治体によって異なるので事前にご確認ください)


以上、身近な人が亡くなったあと、2週間以内にやるべきことです。

少しでもご参考にしていただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

身近な人が亡くなってから1週間以内にすべきこと

【身近な人が亡くなってから1週間以内にすべきこと】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は身近な人が亡くなってから1週間以内にすべき手続きのハナシ。

一週間以内にすべきことたくさんあります。

大切な方が亡くなった後に最後の時間を少しでも一緒に過ごせるよう、慌てなくても良いよう、少しでも参考になれば幸いです。


①死亡診断書を手配する

大切な方が亡くなられた際には、臨終に立ち会った医師から死亡診断書を交付してもらいましょう。亡くなった日の当日又は遅くとも翌日までには交付してもらうことができます。死亡診断書は亡くなった後の手続きで必要になることがありますので、コピーを2,3枚準備しておきましょう。

②近親者への連絡

まずは身近な親族に連絡をしましょう。近親者以外には葬儀の準備を進めながら少しづつ連絡していきましょう。誰にどのタイミングで連絡をするかは親族間で話し合いをして決めましょう。

③葬儀社に連絡し遺体の搬送手続きをする

病院でなくなった場合には霊安室に安置されますが、病院からはすみやかな搬送を求められます。自宅等の安置場所に搬送するために葬儀社を決め連絡を取りましょう。葬儀社を決められない場合には搬送のみ依頼することも可能です。また、搬送までに入院費用の精算など退院手続きを済ませておきましょう。

④通夜・葬儀・納骨の手配をしましょう

搬送手続きが済んだら葬儀社との打ち合わせになります。喪主や日時、場所、式の内容などを決めていきます。内容が決まったら、友人や勤務先に連絡しましょう。

⑤死亡届、火葬許可申請書を提出しましょう

死亡届と火葬申請許可申請書は、亡くなった日から7日以内に提出をすれば大丈夫です。ただし、火葬には許可申請を取っていただく必要があります。そのため、④と並行して手続きをしましょう。

[死亡届]

提出先:亡くなった方の死亡地、本籍地の市町村役場

提出できる人:親族、後見人など

手数料:かかりません

必要なもの:死亡診断書、印鑑

[火葬許可申請書]

提出先:死亡届と同じ役場

提出できる人:死亡届を提出する人

手数料:火葬料を支払う場合あり

必要なもの:死亡診断書、印鑑

⑥通夜・葬儀・納骨

一般的に通夜の翌日に葬儀(告別式)を行います。また、納骨については期限が特にあるわけではありませんが、既にお墓がある場合には四十九日あたりで納骨を行うことが一般的です。

⑦年金受給を停止し、未支給の年金を請求しましょう

亡くなった方は年金受給者であった場合に必要な手続きになります。

亡くなってからすみやかに手続きが必要にはなりますが、通夜・葬儀の後に手続きをされることが一般的です。

[年金受給権者死亡届の提出]

亡くなった後も年金を受け取ることはできません。手続きが遅れたために亡くなった後も年金が支払われてしまった場合には返還する必要があるのでご注意を。

[未支給年金の請求方法]

年金は年6回、偶数月に前2か月分が支払われます。亡くなった方が年金の受給資格を満たしていたにもかかわらず、年金を受け取っていなかった場合には未支給年金を請求しましょう。

請求先:最寄りの年金事務所又は年金相談センター

提出書類:未支給年金・未払給付請求書

必要なもの:故人の年金証書、死亡診断書、戸籍謄抄本、故人と請求者の世帯全員の住民票、受け取りを希望する通帳、など


以上が亡くなってから一週間以内にするお手続きについてです。

亡くなった方の状況次第で上記以外でも必要な手続きが発生することもございますことは、ご注意ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

Episode①ある日急に「税務調査」が入るという連絡が有った時あなたは?

【Episode①ある日急に「税務調査」が入るという連絡が有った時あなたは?】

税理士法人FLOW会計事務所の中村です。

税務調査は決して他人事ではありません。自分は大丈夫と思っていても、ある日突然、税務署から電話が掛かってきて、「調査に赴きたいので日程調整をお願いしたい」と言われた時、あなたはどうしますか?

真面目に、全ての取引(売上にしろ、必要経費にしろ)を記帳し、記録の保存も確実に行っていれば、「どうぞ、どうぞ見に来てください」と胸を張ってお迎えすることが出来ると思います。しかし、コロナ禍の時代で、思うように実績が伸びず四苦八苦している中、過去の申告(景気の良い時代のこと)を遡って見られ、思っていなかった税金を支払うことになれば、憂鬱そのものとなるかとも思われます。

実際の税務調査に赴いて判ったケースの一つでこんなことがありました。


ある建築関係の仕事をしている個人事業主のAさんは、ある年の売上を980万円として必要経費を差引所得を算出し、所得税の確定申告をしたそうです。

Aさんは「売上が1000万円を超えると消費税がかかる」ということを知っており、かつ「経費は大体こんなものだろう」と今までの経験則で計上して、税金がかからない形で確定申告書を作成しました。

税務署の窓口に提出したところ、窓口の人は内容には突っ込まず受理しました。Aさんは同様に、次の年も次の年も同じような感覚で確定申告をしていました。

そんなことが続いて、油断していたAさんでしたが、その翌年、税務調査が入りました。保存されていた売上の請求書・領収書、経費の領収書等、また、預金関係の内容の確認を行われ、売上が1000万円以上あることが判明し、消費税を逃れるために、売上を恣意にごまかしていたと見られ、7年間遡っての調査になり、所得税と消費税の追徴課税と重加算税等の附帯税を払わなければならいという結果になりました…


税務調査では、過去のごまかしも見逃してはくれません。

税務調査の対象者を選定する際、売上金額を、毎年、1000万円以下にて繰り返していると、情報があがってくる状況になっています。今は、電子の時代です。申告された内容が入力されて、数々の資料が出る仕組みが構築されているのです。

会社設立前に必要資金は計算できていますか?

【会社設立前に必要資金は計算できていますか?】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は、必要資金のハナシ。

会社経営にはお金がいくら必要なのか把握できていますか?

「経営者には勢いとノリが必要!とりあえず会社作るぞ!」

コレ、命取りになります…

一昔前はコレだけでもイケました。なんでかって?日本の景気が良かったですからね。

あと、ネットが無かった時代では商品やサービスのライフサイクルが非常に長かったです。

テレビの時代は長かったですよね。日本国内で初めてテレビが発売されたのは1952年、松下電器からでした。テレビしかなかった時は、みんなが同じテレビ番組を視聴して、みんなが同じ芸能人やアイドルに胸をときめかせていたでしょう。

でも、ご存知の通り今は違います。ネット、スマホの普及でチャネルは莫大に増え、その分、そこには新たな商品やサービスが生まれています。

これによって、経営者には「勘」や「経験」のほか、来るべきタイミングで勝負できるよう「今、手元にお金がいくらあるのか?新たなビジネスに投資した場合の3か月後・6か月後・1年後の手残りはいくらあるのか?」などあらゆる状況を把握しておく必要があります。

「なりゆき」経営とならないよう「必ず」会社を作る前に必要資金を試算しましょう。


◇必要資金とは

必要資金を試算するうえで、代表的な項目は①設備資金②運転資金となります。

①設備資金

30万円を超える費用については、設備資金として試算しましょう。また、設備資金については高額になるケースが多いため、必ず業者や取引先から見積書をもらいましょう。

・保証金、敷金、礼金

会社のオフィスや店舗、工場、土地を借りるためには保証金や礼金、敷金が必要です。

・建築費

会社のオフィスや店舗、工場を建築する場合には建築費が必要です。

・機械類

特殊な事業で大きな設備を入れる場合には機械類の費用も必要です。

②運転資金

運転資金については「6か月~1年分」もしくは「事業が軌道に乗るまでの予測期間分」は確保していただくことが必要です。

・役員報酬、給与

最初から人を雇用する場合には給与の確保も必要です。代表者本人の役員報酬は最悪カットできますが、給与のカットは離職やサービスの質を低下させる原因に直結するので避けなければなりません。

・社会保険料(法定福利費)

法人の場合、社会保険の加入義務があります。会社が負担する社会保険料の支払い目安として、上記役員報酬や給与の20%程度を確保しておきましょう。

・旅費交通費

移動が主となるサービスの場合、ガソリン代や電車代、ETCの料金も確保する必要があります。金額は小さくても侮ってはいけません。毎日利用することで思っていたよりも大きな金額になることが多いので注意を。

・備品、事務用消耗品費

デスクやプリンター、筆記用具や印刷用紙などの費用も確保が必要です。

・地代家賃

テナントの場合は当然、毎月賃料が発生しますので要確保です。場所が決まっていなければ、候補地で構いません。インターネットで候補地を探してみましょう。

・水道光熱費、通信費

公共料金やインターネット利用料も会社経営には不可欠です。公共料金については実際に使ってみないと正確な数字もわかりませんので、1万円~5万円などで大まかに設定していただければ十分です。

・材料費

製造業や飲食業など、製品生成に材料が必要な場合には材料費も確保しなければなりません。材料費については、業者や取引先に可能な限り見積もりをしてもらいましょう。

・リース料

複合機や設備をリースする場合には、毎月払うリース料も確保しておく必要があります。リース料もリース会社に依頼をすれば概算見積書を作ってもらうことができます。

・外注費

作業の一部に外注に出す場合には外注費も運転資金に含めます。外注費も可能な限り見積書は入手したいです。


以上、代表的な設備資金と運転資金を列挙させていただきました。

必要資金とご自身で貯蓄した自己資金を比較してみていかがでしょうか?

足りない場合には金融機関から融資を受けることも検討する必要があります。

金融機関から融資を受けるまでには早くとも1か月超はかかります。

事業を開始する直前に「金融機関からお金を借りないとお金が足りない、どうしよう」なんてことにならないよう、会社を作るまでに必ず必要資金を試算、検討しておきましょう。

金融機関の格付けってナニ?

【金融機関の格付けってナニ?】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は金融機関の格付けのハナシ。

融資を受ける際、そして融資を受けた後も定期的に金融機関はあなたの会社をモニタリングします。

モニタリングっていっても大げさなものではありません!

試算表や決算書を金融機関に提出することで、金融機関はあなたの会社の経営状況に問題が無いかどうかを判定をします。そして、この判定に用いられるのが「格付け」です。


◇「格付け」の材料

金融機関があなたの会社を格付けする際の材料は主に2点です。

①決算書3期分

②試算表(前の決算から一定期間経過している場合)

金融機関は上記の材料をベースに格付けをしていきます。


◇格付けのスコアリング

格付けの際には決算書や試算表の情報を基にスコアリングをしていきます。

主に10段階評価でスコアリングします。

・正常先:1~6

・要注意先:7

・破綻懸念先:8

・実質破綻先:9

・破綻先:10

借入が可能と判断される会社は1~7のいずれかに格付けされます。通常の借入を予定通り返済できておらず遅れ気味(リスケ)になっている会社は8や9に格付けされます。

格付けの評価方法は金融機関によってわずかに異なります。これは金融機関によって決算書のチェックポイントが異なるからです。

そのため、「A銀行では5の正常先に格付けされたけど、B銀行では7の要注意先として格付けされる」可能性はあります。ただし、「A銀行では3の正常先だったけど、B銀行では8の経営破綻先に格付けされる」ような金融機関によって大きく評価がズレることはありません。

それでは金融機関は決算書や試算表のどこを見るのでしょうか?


◇スコアリングポイント

①資本の厚さ

下記に該当する場合には評価が大きく下落します。

・資本欠損(資本金>純資産)

例えば、資本金が1000万円あるにも関わらず、純資産が800万円で合った場合、資本欠損に該当します。

・債務超過

純資産額がマイナスの場合は債務超過に該当します。

金融機関は赤字を補填するための融資を嫌うからです。

②不良資産の有無

長年同額で居座っている債権がある場合、不良資産と判定される可能性があります。

不良資産がある場合、表面的には債務超過ではなくても、実質債務超過とみなされる可能性があります。役員貸付金も不良資産と判定される場合があります。

③現預金

現預金があまりにも少ない場合、マイナス評価になります。目安としては月の売上げの1~2か月分は現預金としてストックしておきたいところです。

④借入の残高

一般的に月の売上の2~3か月分程度までであれば、比較的スムーズに融資を受けることができます。売上6か月分を超えてくると融資の審査が厳しくなる傾向があります。


お借入を検討する際には、上記スコアリングポイントをベースに一度ご自身の会社の決算書をご覧になってみてください。

また、これからお借入を検討される方は、上記スコアリングポイントに注意しながら経営判断をしていただくことをオススメします。

以上、簡単ですが金融機関の格付けのハナシでした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。