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こんにちは!FLOW会計事務所の田山です。 

「決算書は黒字なのにお金がない」「値引きして良いか迷う」。 経営者の方からよくご相談いただく悩みですが、税務署や銀行用の「決算書(制度会計)」だけを見ていても正解は見えません。会社にお金を残すには、「管理会計(限界利益)」の視点が不可欠です。

今回は経営判断を変える「限界利益」の使い方を解説します。

1. 「粗利」と「限界利益」の決定的な違い

粗利(売上-売上原価): 製造業などの場合、原価に「工場の家賃」などの固定費が含まれるため、商品本来の稼ぐ力が見えにくい数字です。

限界利益(売上-変動費): 売上に比例する「変動費」だけを引いた利益。「固定費を賄うために、その商品がいくら稼いでいるか」がダイレクトに見えます。

注力すべき商品を選ぶには、固定費が混ざっていない「限界利益」での比較が必要です。

2. 「売上増=利益増」の勘違い

「利益率1%なら、売上が増えても利益は微増」と思っていませんか?実は違います。 売上が増えても家賃や給与(固定費)は変わりません。つまり、増えた売上の「限界利益分」が、そのまま会社の利益になります。 限界利益で考えると、「あと少し売上を伸ばすこと」のインパクトがいかに大きいかが分かります。

3. その「値引き」は命取り?

「競合に合わせて3割引すべきか?」 この難問も、限界利益なら即断できます。

限界利益がマイナスになるなら: 売れば売るほど赤字。絶対に受けてはいけません。

限界利益がプラスに残るなら: 固定費を回収するため、短期的な戦略として「受ける」判断もあり得ます。

感覚ではなく「数字」を基準にすれば、迷いはなくなります。

4. 「欲しい利益」から逆算して目標を立てる~「なんとなくの目標」を卒業~

「昨対比110%」と何となく目標を決めていませんか? 正しい目標設定は、「いくら利益が必要か」からの逆算です。

【計算式】 ( 必要な利益 + 固定費 ) ÷ 限界利益率 = 目標売上高

こうすることで、「なんとなく」ではなく「会社が存続するために絶対に必要な売上」が導き出されます。

まとめ:経営の「コックピット」を持とう

限界利益などの指標は、飛行機でいう「コックピットの計器」です。計器を見ずに、感覚だけで操縦するのは非常に危険です。

・固定費を賄うために、最低いくら売らないといけないのか(損益分岐点)

・固定費を賄うために、最低いくら売らないといけないのか(損益分岐点)

この2つを把握することが、強い会社を作る第一歩です。 「自社の限界利益率を知りたい」「変動費と固定費の分け方が分からない」「計画を立てたいけれど一人だと不安」という場合は、ぜひFLOWまでご相談下さい。

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