税理士法人FLOW会計事務所です。
今回は役員報酬についてシンプルにお伝えします。
「役員報酬があまりにも高すぎると税務署から否認されるのか?」
よくいただく質問です。
税務署は役員報酬を2つの基準で判断します。
◇形式基準と実質基準
①形式基準
役員報酬を決める際は、定款の定めに応じ、株主総会や取締役会で決定し議事録を作成する必要があります。この議事録がない場合には形式を満たさないものとして役員報酬を否認される可能性があります。
②実質基準
①の形式基準を満たしていても、実質基準を満たしていない場合には役員報酬を否認される可能性があります。実質基準は以下になります。
・法人の収益状況
・役員の職務内容
・使用人給与の支給状況
・類似法人の役員報酬の支給状況
中小企業では、家族経営をしている会社も多くあります。本当は働いていないんだけど、役員として役員報酬を支給している場合、この場合には否認される可能性があります。「働いてない」=「役員の職務内容の基準を満たしていない」と認定されるためです。
「類似法人の役員報酬の支給状況」については神経質になる必要はありません。同業者でもうまくいっている会社の役員報酬とうまくいっていない会社の役員報酬が同額であるはずがありませんからね。
あくまで目安としてご承知おきください。
◇赤字企業の役員報酬について
役員報酬が多すぎて会社が赤字になるケースもよくあります。この場合は否認されるのか?
この話もそこまで神経質になる必要はありません。法人として支払うだけのキャッシュがあり、役員としてしっかり働いているのであれば問題になることは基本的にはありません。
◇事業年度の途中で役員報酬を下げる場合
原則として事業年度の途中で役員報酬を改訂することはできません。
ただし、下記に該当する場合には減額することは可能です。
(1)株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員としての経営上の責任から役員給与の額を減額せざるを得ない場合
(2)取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合
(3)業績や財務状況又はが悪化したため、取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額の減額が盛り込まれた場合
(引用:役員給与に関するQ&A)
役員報酬は原則として事業年度開始の日から3か月以内に決定する必要があります。
そのため、一旦は高めに設定し、キャッシュが足りなくなった場合に上記要件と照らして役員報酬減額の検討をしていただく方法もございます。
以上、簡単ですが「役員報酬は高すぎるとアウト?」について解説させていただきました。
少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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