こんにちは。FLOW会計事務所、野澤です。

今回は、成年後見制度(せいねんこうけんせいど)についてです。

成年後見(せいねんこうけん)という言葉、皆さんも聞いたことがあるかと思います。

 

これは、認知症や知的障害で判断能力が不十分な人の生活を支援する国の制度です。

判断能力が不十分である本人に代わり、お金の管理や契約等の手続きを行う第三者が「成年後見人」となる仕組みであり、本人がだまされたり不利益を被ったりするのを防ぐ目的があります。相続があった場合などに利用を開始される方もいらっしゃいます。

 

後見人によって保護される人を「被後見人」といいます。

認知症や障害のある家族を持つ側としては、ありがたく、頼りにしたい制度です。

但し、この制度を利用する場合には注意すべき点もいくつかあります。

 

①利用し始めたら、途中で後見人を替えることは困難である

②必要がなくなっても原則、利用をやめられない

③後見人には報酬を支払い続けなければならない

④報酬額の明確な基準がない

⑤本人や家族の意思を尊重しない後見人もいる(※あまりいないとは思いますが・・)

 

この制度の利用を開始する場合には、まず家庭裁判所へ申し立てを行い、家庭裁判所が後見人を選出します。

 

「自分や他の家族を後見人にしてほしい」と思っていても、実際には弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家が選ばれることが多いようです。

その場合、会ったこともない人が財産を管理したり生活を支援したりするようになるため、対応に不満がある、相性が合わないなどの問題が出てくる可能性もあります。

しかし、よほどの不正行為がなければ、後見人を途中交代させることはほぼ不可能であり、途中でやめることも現実的には難しいようです。

 

その理由は、本人の判断能力が回復しない限り、後見人の家族が問題を訴えても後見人のほうが法的に立場が強いことが多いためです。

 

これは、制度を利用する場合の一般的な注意点ではありますが、将来の相続などにも影響を与える可能性もありますので、ひとつの情報として今後のご参考になればと思います。

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