【暦年贈与が変わります!】
税理士法人FLOW会計事務所です!
令和5年度の税制改正によって、贈与税について2つの大きなトピックがありました!
◇暦年課税制度の見直し
◇相続時精算課税の見直し
今回は暦年課税制度の改正案についてご案内させていただきます。
結果としては、とてもややこしくなってしまいました…
まずは、これまでの暦年課税制度について確認してみましょう!
【これまで】
①非課税の限度額
年110万円までの贈与なら贈与税がかかりませんでした。
②相続時の持ち戻し
贈与をした人が亡くなった場合、亡くなる前3年以内の贈与については金額問わず相続財産に加算が必要でした。
【令和5年改正案】
①非課税の限度額
「これまで」と変わらず、年110万円までの贈与であれば贈与税はかかりません。
②相続時の持ち戻し
「これまで」の亡くなる前3年以内の贈与の持ち戻しに加えて、さらにその4年前までの贈与についても相続財産に加算しなければならなくなりました。ただし、この4年間については贈与した財産額がまるっと相続財産に加算されるわけでなく、100万円を控除した残額が加算されることになります。
*持ち戻しとは
持ち戻し対象の金額については、相続が発生した際の相続財産に含めて相続税を計算することとなります。仮に持ち戻しが必要な財産が100万円あった場合には、100万円を相続財産に加算して相続税を計算する必要があるので、贈与した時の贈与税はかかっていなくても、後々、相続税がかかってしまう場合があります。
②相続時の持ち戻しについて理解いただくのはけっこう難しいと思います。
例で考えてみましょう。
例えば、亡くなる前の7年間で毎年100万円ずつ贈与していたとします。
【これまで】
相続財産に加算されるのは3年以内の贈与に限るので、相続財産に加算しなければならないのは300万円(=100万円×3年分)になります。それより前の400万円(=100万円×7年分)については持ち戻しは必要ありません。
300万円部分は相続財産に加算して相続税を計算する必要があり、相続税が発生する可能性がありますが、400万円部分は持ち戻しが不要だったので、相続財産に加算する必要もありませんし、この400万円部分について相続税が発生する心配もありませんでした。
【令和5年改正案】
これまで同様、3年内に贈与した300万円については相続財産に加算します。
そして、それより前の4年間の贈与400万円部分についても300万円(400万円△100万円)をさらに相続財産に加算する必要があります。
結果として600万円を相続財産に加算する必要があります。
これまではそれより前の400万円部分については相続税はスルーされていましたが、ココの部分についても贈与時に贈与税がかからなくても、あとあと相続税が発生する可能性が出てきたわけです…
以上が暦年贈与の改正案なのですが、おそらくなかなかご理解いただくのは難しいかもしれません。
ただ、計画的に生前対策を考えられている方にとっては、影響が大きくなるものとなりますので、もし、ご不安やご質問がございましたら、ご遠慮なくご相談いただければと思います。
以上、簡単ではございますが、暦年課税の令和5年度改正案についてご案内させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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