
起業1年目の会社が最も苦しむのは「売上不足」ではありません。
実際の現場では、黒字でも“キャッシュが足りずに倒れる”ケースが後を絶ちません。原因はただ一つ──資金の流れ(キャッシュフロー)を把握できていないことです。
創業期の資金繰りは、社長の意思決定スピード、採用、投資、事業の継続に直結します。本記事では、FLOW会計事務所が数多くの創業支援で実践してきた「1年目の会社が絶対に押さえるべき資金繰りのポイント」をわかりやすく解説します。
■1. 起業1年目は「現金残高 × 固定費」で生存期間が決まる
創業期の資金繰りで最初に見るべき数字はとてもシンプルです。
- 月末時点の現金残高
- 毎月発生する固定費(家賃・給与・外注費など)
この2つが分かれば、会社があと何ヶ月生きられるかが分かります。
●最低ラインは「3ヶ月分の固定費」
毎月100万円の固定費なら、300万円を切ると危険ゾーンです。
残高が少ないほど、採用・広告・投資などの打ち手が“打てなくなる”ため、手元資金の厚さが創業期の成長速度を決めます。
■2. 売上が増えてもキャッシュが減る「入金サイトの罠」
創業者が見落としがちなのが “入金の遅れ” です。
- 売上が立った
- でも入金は60日後
- 一方、仕入・外注・給与は即発生
→ 結果、資金がどんどん減っていく
特にBtoBでは、入金サイトが長いほどキャッシュが圧迫されます。
●改善策の例
- 請求締日を15日 ⇒ 月末 に前倒し
- 60日サイト ⇒ 30日サイトへ交渉
- 月額課金(サブスク)への変更
- 着手金・前受金の導入
利益より先に、**「いつお金が入るか」**が最重要です。
■3. 支払いの統一だけで資金繰りが劇的に安定する
創業初期は、請求書・カード・口座引落のタイミングがバラバラになりがちです。
これが支払いミスや残高不足を招く大きな原因です。
●資金繰りが安定する会社がやっていること
- 支払いを「月2回」に固定する
- カード払いと振込を整理する
- Googleフォームなどで承認フローを統一
- 支払予定表を毎月更新して“見える化”する
ルールを1つ作るだけで、現場の混乱は一気に減ります。
■4. 創業期に使える“3つの武器”
創業1年目に最も効果のある改善ポイントは、次の3つに集約されます。
① クラウド会計で入出金をリアルタイム化
銀行・カードを自動連携することで、資金の動きが即時反映されます。
② キャッシュフロー表で“未来”を可視化
- 今月
- 来月
- 3ヶ月後
この3つの未来残高が分かるだけで、意思決定の精度が大きく変わります。
③ 創業融資・補助金の活用
創業直後ほど融資が通りやすいのは有名な話です。
資金ショートを根本的に防ぐ“保険”として最優先で検討すべきです。
FLOW会計事務所では、この3つを“初期セット”として整備し、創業期の会社が早期に安定する仕組みを提供しています。
■5. 起業1年目に絶対やってはいけない資金繰りのNG行動
❌① 経理を後回しにする
数字が出ないため、資金状況が読めなくなる。
❌② 現金払い・カード払いのルールがバラバラ
入出金が複雑化し、経理が機能しなくなる。
❌③ 赤字だから節税で物を買う
創業期に“節税のための消耗品購入”は危険。
キャッシュが減り、融資が通らなくなる。
❌④ 売上見込みを楽観しすぎる
資金がもたないまま投資してしまうのは典型的失敗。
■6. 資金繰り表があれば「資金ショートの未来」が見える
資金繰りで最も重要なのは、
「今いくら残っているか」ではなく「いつ底をつくか」 です。
資金繰り表を作るだけで、
- 何月に資金不足が起こるか
- 借入のベストタイミング
- 投資や採用をする余力の有無
- 税金の支払いに備える準備
すべてが分かります。
FLOWでは毎月の試算表と合わせて「未来の資金繰り」まで設計し、社長が迷わない経営を実現します。
■まとめ
起業1年目で最も重要なのは、売上よりも “資金繰りの見える化” です。
手元資金・入金サイト・支払いルール・キャッシュフロー表の4つを整えるだけで、会社の安定性は大きく変わります。
資金繰りが安定すれば、
採用・広告・事業投資など、すべての判断がスムーズになるため、会社は一気に成長軌道に乗ります。
FLOW会計事務所では、クラウド会計の導入から資金繰り設計まで、
創業期に必要な“初期セット”をワンストップでサポートしています。



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