【金融機関の格付けってナニ?】
税理士法人FLOW会計事務所です。
今回は金融機関の格付けのハナシ。
融資を受ける際、そして融資を受けた後も定期的に金融機関はあなたの会社をモニタリングします。
モニタリングっていっても大げさなものではありません!
試算表や決算書を金融機関に提出することで、金融機関はあなたの会社の経営状況に問題が無いかどうかを判定をします。そして、この判定に用いられるのが「格付け」です。
◇「格付け」の材料
金融機関があなたの会社を格付けする際の材料は主に2点です。
①決算書3期分
②試算表(前の決算から一定期間経過している場合)
金融機関は上記の材料をベースに格付けをしていきます。
◇格付けのスコアリング
格付けの際には決算書や試算表の情報を基にスコアリングをしていきます。
主に10段階評価でスコアリングします。
・正常先:1~6
・要注意先:7
・破綻懸念先:8
・実質破綻先:9
・破綻先:10
借入が可能と判断される会社は1~7のいずれかに格付けされます。通常の借入を予定通り返済できておらず遅れ気味(リスケ)になっている会社は8や9に格付けされます。
格付けの評価方法は金融機関によってわずかに異なります。これは金融機関によって決算書のチェックポイントが異なるからです。
そのため、「A銀行では5の正常先に格付けされたけど、B銀行では7の要注意先として格付けされる」可能性はあります。ただし、「A銀行では3の正常先だったけど、B銀行では8の経営破綻先に格付けされる」ような金融機関によって大きく評価がズレることはありません。
それでは金融機関は決算書や試算表のどこを見るのでしょうか?
◇スコアリングポイント
①資本の厚さ
下記に該当する場合には評価が大きく下落します。
・資本欠損(資本金>純資産)
例えば、資本金が1000万円あるにも関わらず、純資産が800万円で合った場合、資本欠損に該当します。
・債務超過
純資産額がマイナスの場合は債務超過に該当します。
金融機関は赤字を補填するための融資を嫌うからです。
②不良資産の有無
長年同額で居座っている債権がある場合、不良資産と判定される可能性があります。
不良資産がある場合、表面的には債務超過ではなくても、実質債務超過とみなされる可能性があります。役員貸付金も不良資産と判定される場合があります。
③現預金
現預金があまりにも少ない場合、マイナス評価になります。目安としては月の売上げの1~2か月分は現預金としてストックしておきたいところです。
④借入の残高
一般的に月の売上の2~3か月分程度までであれば、比較的スムーズに融資を受けることができます。売上6か月分を超えてくると融資の審査が厳しくなる傾向があります。
お借入を検討する際には、上記スコアリングポイントをベースに一度ご自身の会社の決算書をご覧になってみてください。
また、これからお借入を検討される方は、上記スコアリングポイントに注意しながら経営判断をしていただくことをオススメします。
以上、簡単ですが金融機関の格付けのハナシでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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