小規模企業共済の確認書が送られてくる

こんにちは。FLOWの会田です。

弊社でも多くのクライアントが加入をされている小規模企業共済について、「加入資格確認書」なる書類が届いているようで、今回はこちらのご紹介です。

 

◆加入資格確認書はどんなもの?

中小機構から送られてくるハガキで、「加入時にそもそも加入資格があったのか」を確認するための書類です。

記載は難しくなく、記載されている加入できない方の8つの項目に該当するか・しないかを答えれば良いものとなっています。更に回答は丸付けをするだけですので、5分もあれば回答できるようなものになっています。

 

◆小規模企業共済の制度のおさらい

ここで簡単に制度のおさらいをしておきましょう。

小規模企業共済は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。

 

個人事業主やマイクロ法人の代表者などは、退職金を準備することが難しいことが考えられるため、その準備をしておくためのものが小規模企業共済となります。

 

◆確認書が送られることになった経緯

ご存じの方も多くいらっしゃると思いますが、小規模企業共済は掛け金に節税効果があり、最高額である年84万の掛け金であれば、一番低い所得税率(5%)と住民税率(10%)の合計(15%)でも12.6万の節税に繋がります。

 

そのため、知らずに加入手続きをしてしまった場合は勿論、小規模企業共済に入るために法人を設立した、といった意図的なものも含めて契約を取り消し、本来の制度目的に沿う方のみに加入してもらうために確認書を送ることになったと考えられます。

 

◆取り消しになるとどうなる?

加入資格が無かったとして契約取り消しとなった場合は、加入時まで遡って納付した掛け金全額が還付されます。

当然に節税効果も取り消しとなりますので、確定申告や年末調整で減額を受けていた場合には修正申告が必要となります。

 

修正申告は過去5年間分行うことができるため、恐らく今回の修正申告も同様と思われます。最低税率であったとしても、12.6万×5年間の計63万の納税が必要となりますので、ご注意ください。

 

いかがでしたでしょうか?

もしかすると既に確認書が届いている方もいらっしゃるかと思いますが、当時の状況を正直に回答すれば良い書類ですので、あまり気負わずにご対応するようにしてみてください。

 

経営力向上計画

こんにちわ、税理士法人FLOW会計事務所の河野です。

今回は、「経営力向上計画」についてお話しさせていただきます。

中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」とは、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や、設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画で、認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます。具体的には、次のような大きなメリットがあります。

 

  • 生産性を高めるための設備を取得した場合の税制支援(即時償却、税額控除)
  • 計画に基づく事業に必要な資金繰りの支援(融資、信用保証等)
  • 補助金における優先採択

 

認定を受けるためには、各事業分野の主務大臣に計画申請書を提出します。上記のような強固な支援になりますので、申請書類もかなりの難易度になります。ご自身で全て行うのは難しいところですが、経営革新支援機関(税理士等士業の専門家、金融機関、商工会等)のサポートが受けられますので、是非挑戦して見てください。

実際、FLOWの関与先で8月申告の企業が1,300万円の建設機械の即時償却でかなりの節税ができたところもあり、とても喜ばれました。

 

申請受理から認定までは書面申請では30日かかりますが、電子申請(Gビズ登録必要)ですと14日以内に認定されます(日にちは休日を除く)。また、電子申請の場合、プラットフォームができていて流れに沿って入力すれば良く、入力に不備があればエラーが出ますので書面よりも簡単です。書面の場合、提出後に不備の訂正依頼が有ったりすると更に日数が延びてしまい、決算間際だと間に合わない可能性がありますので余裕を持って申請してください。

 

何れにしても大きな手間がかかりますが、それ以上の効果が得られると思いますので、是非ご活用ください。

 

謄本に住所が載らなくなる?!

こんにちは!FLOW会計事務所の森です。

 

今回は、10月1日から施行される「代表取締役等住所非表示措置」の申出の手続等についてご紹介します。現在、株式会社等の登記事項証明書(以下、謄本とします)には、代表取締役等(以下、代表者とします)の自宅住所が記載されております。謄本はお金を出せば誰でも取得できるため、第三者が代表者の自宅を把握して、営業のDMを送ることが容易にできる状態でした。そこで、代表者のプライバシー保護の観点から、住所の「一部」を表示しないこととする措置が行われます。(「謄本上」は行政区画(市区町村)までしか記載されないこととなります)

 

要件は下記2点です。

 

1.登記申請と同時に申し出ること

 希望者は、登記官に対して申し出ることが必要です。なお、住所非表示のみの手続はできないため、法人設立時、代表者の就任時、代表者の住所移転時のほか、重任登記や本店移転登記(他の登記所の管轄区域内に移転した場合)に、申し出が可能になります。

 

2.所定の書面を添付すること

 上場会社と上場会社以外の場合で異なりますが、今回は割愛させていただきます。詳しくお知りになりたい場合は、法務省のHPをご参照ください!(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00210.html

 

最後に、上記の措置が講じられた場合の注意点を上げさせていただきますので、ご参照ください。

 

①謄本では代表者住所が証明できないことになるため、金融機関から融資を受ける際に不都合が生じる可能性がある

 

②不動産取引等に当たって必要な書類(会社の印鑑証明書等)が増える可能性がある

 

③代表者の住所は、株式会社等に関する登記事項の位置づけになっていることに変わりはありません。代表者住所に変更が生じた場合には、変更登記が必要になります。住所変更日から2週間以内に登記を行わない場合、「過料」の対象となる可能性がありますので、速やかにご対応ください。

 

10月1日早々に今回の措置を適用できる会社は限られるかと思いますが、メリット・デメリットを比較した上でメリットの方が大きいと思われる方は、次回の登記申請を行われる際にあわせて申し出を行ってみてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みいただきありがとうございます!

申告書等控えの収受日付印のこれからの対応

2024年2月に国税庁は「2025年1月から申告書等の控えに収受日付印の押なつを廃止する」ことを発表しました。

 

これまでは、申告書等を税務署の窓口や郵送で提出すると提出した証明として収受印が押されることとなっていました。

それが、2025年1月から廃止されることと、収受印が押印されなくなる対象書面は税務署に提出する全ての書面ということになっています。

 

2024年6月に国税庁は、この収受印を廃止することに対する代替策について発表しました。

具体的な対応策は下記となっています。

 

【2025年1月からの収受日付印における当分の間の対応】

①窓口対応の場合

税務署等の窓口で収受日付印の控えを希望した場合に、申告書等を収受した「日付」や「税務署名」が記載されたリーフレットを交付

 

②郵送等対応の場合

申告書等の提出の際に「返信用封筒」及び「申告書等の控え」を同封した場合に「日付」や「税務署名」が記載されたリーフレットを同封して返送

 

国はe-Taxの利用をより普及させるために、収受日付印の廃止を決定しましたが、現状、e-Taxで全ての書面手続きができるわけではありません。

今後はよりe-Taxを充実させていく必要がありますね。

はじめまして!子育てに対応したリフォームについて

はじめまして。

税理士法人FLOW会計事務所の田山です。

約2週間前に入社しまして、研修の日々を過ごしております。これからどうぞよろしくお願いいたします。

実は・・・少し遠方から通勤していますが、フレックスタイムや在宅勤務があり働きやすいなと感じています。

 

今回は、住宅リフォーム(既存住宅に係る特定の改修工事をした場合)の特別控除「子育て対応改修工事」についてのお話です。令和6年度の税制改正にて、前記の項目が新設されました。子育て対応改修工事とは、子育て世帯が子育てに対応した住宅のリフォームを行った場合に一定の金額を所得税から控除するというものです。

標準的な工事費(250万円を限度)の10%を所得税から控除(最高25万円)されます。

そして、こちらは住宅ローン等の取得でなくても適用が可能です!

 

対象者は、夫婦いずれかが40歳未満の世帯、又は19歳未満の子を有する世帯。

工事内容としましては

・クッションフロアへの張り替え工事

・転落防止のための手すりの設置

・対面式キッチンへの交換

・棚やクローゼット等の収納設備を増設する工事

・間取り変更工事

などなど他にもたくさんあります。

 

子育てをしていく中で、住居の問題に直面する時があるかと思います。私も子供が幼いころは、調理中子供の遊んでいる姿は見えるか等いろいろ悩みました。安心できる住まいで安心して子供の成長を見守っていきたいですね。リフォームをご検討されている方はぜひ確認してみて下さい。もうすぐ夏本番です。皆様楽しい夏をお過ごしください!

 

経理代行&DXサポートのサービスを追加しました!

こんにちは!

税理士法人FLOW会計事務所です!

 

FLOWのウェブサイトで新たに下記のページを追加させていただきました!

 

経理総務アウトソーシング

https://flow-kaikei.com/bpo/

 

経理DXサポート

https://flow-kaikei.com/dx/

 

それぞれ、お客様のバックオフィス業務をサポートさせていただくサービスになっています。

経理総務アウトソーシングについては、給与計算や振込業務、売上請求書の作成から書類整理までの日常業務をマルっとFLOWが代行するものになっています。

 

経理DXサポートについては、アナログ対応されているバックオフィス業務のIT化・クラウド化をFLOWがサポートする内容になっています。IT化・クラウド化した後の給与計算や振込業務、売上請求書作成の日常業務はお客様に自走していただくものになっています。

 

「人手が足りていない」

「事業承継のタイミングで今までのアナログ対応を変えていきたい」

 

そんなお客様から特にご相談をいただいています。

お気軽にご相談いただけたら嬉しいです!

よろしくお願いします!

所得税の定額減税②

税理士法人FLOW会計事務所です!!

6月なのに関東地方は梅雨入りもしないまま(6月18日現在)毎日暑い日が続き梅雨を通り越していきなり夏が来てしまったようです💦

6月といえば所得税及び住民税の定額減税制度が始まり、企業の経理担当者の方は忙しい時期をお過ごしのことと思います。以前の記事で所得税の定額減税について簡単に解説しましたが、6月に入って初めて支給する給料又は賞与から定額減税制度が始まっています。みなさんは普段給料明細などをきちんと確認していますか?なんとなく毎月の手取額を把握できればいいやと給料明細をご覧になっていない方が多いと思います。

定額減税が始まったけど実感がわかない!!なんて思っているそこの貴方、是非6月の給料明細を確認してみてください。6月以降の給料明細には、本来差し引かれる所得税(上限3万円)の金額の下にマイナス表示で定額減税制度によって差し引かれずに手取りとして増えた金額が記載されています。例えば、本来差し引かれる所得税が5,000円だった方はその下に-5,000円として手取り額を増やしているはずです。このような感じで見てみると実感がわくのではないでしょうか?

ここまで聞いてあれ?定額減税制度って所得税と住民税を合わせて一人4万円減税されるって聞いたけど残りの1万円はどうなっているのと感じた貴方、鋭いですね!!

結論からお話しすると残りの1万円は住民税の減税分となっています。じゃー、住民税の1万円の減税分はどこから引かれるのと考えますよね。

ちなみに住民税はいつの給料から天引きされるかご存じですか?

通常住民税は、前年の所得に応じて6月から順次給料から天引きされていくことになります。サラリーマンの方であれば毎年5月くらいにその人の年間の住民税の額の通知書をお勤めの会社からもらっています。その通知書には各月の給料から天引きされる住民税の額が記載されています。毎年会社から通知書をもらっているけどそのままにしてしまっている方も多いのではないでしょうか。

では、定額減税制度がある今年はどうなっているかというと下記のとおりです。

①天引きの開始時期が1カ月遅くなり7月から給料の天引きが始まります。

②住民税の定額減税分の1万円は本来の住民税の金額から1万円を差し引いた金額を11分割して天引きされることになります。つまり、本来の税額から先に1万円を差し引いた金額を11分割して支払っていくということです!!

(本来の住民税の額が12万円の方であれば1万円を差し引いた11万円を11分割して給料から天引きされることになります。)

 

所得税のように給料明細に減税額が直接記載されているわけではないので、実感がわきづらいですよね。お手元に住民税の通知書がある方は一度確認してみるといいかもしれませんね。

 

以上、所得税及び住民税の定額減税制度についてでした。

定額減税制度が実際に始まったけどどういうことなのかなと疑問に思っていた方にとって少しでも参考になれば幸いです。

定額減税の対象者と減税額について

税理士法人FLOW会計事務所です。

6月支給の給与から定額減税が実施されることになっておりますが、今回は定額減税を受けることのできる対象者と減税額についてシンプルにお伝えします!

 

◇対象者について

対象者は以下の要件を満たす方になります。

[所得税の定額減税]

①1年以上、日本に居住している方

②令和6年分の合計所得金額が1,805万円以下(給与所得のみの場合には給与収入が2,000万円以下)の方

 

[住民税の定額減税]

①1年以上、日本に居住している方

②令和5年分の合計所得金額が1,805万円以下(給与所得のみの場合には給与収入が2,000万円以下)の方

 

大きな会社の役員をしていたりよほどの高収入でない限り、会社勤めのほとんどの方は対象にはなるはずです。

 

◇減税額について

[所得税]

本人:3万円

同一生計の配偶者:3万円

扶養親族:1人につき3万円

 

[住民税]

本人:1万円

同一生計の配偶者:1万円

扶養親族:1人につき1万円

 

仮に生計一の配偶者とお子様が2人いらっしゃれば、所得税と住民税で合わせて16万円の減税がなされることになります。

今までのように、10万円給付といった恩恵ではないのでインパクトが薄いですが、家族構成によっては高い減税を受けられる方も多くいらっしゃると思います。

6月支給分からの給与から減税が実施されるので、もうすぐですね!

 

以上、定額減税の対象者と金額をシンプルに解説いたしました!

少しでも参考になったら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

研修受講料が給与に上乗せ?!

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は、従業員が会社から指定された研修やセミナーを受ける場合の課税関係についてシンプルにお伝えいたします!

結論からお伝えすると下記になります!

①受講者にとってその研修やセミナーの内容が、職務の遂行上必要なものでない場合

研修やセミナーの受講に際して会社が支出した受講料は、従業員にとって給与扱いになります。そのため、職務に関係のないセミナー等を受けてしまうと、その料金は従業員の給与にカウントされて、その分の所得税や住民税の税負担も増えることになります。

②受講者にとってその研修やセミナーの内容が、職務の遂行上必要なものである場合

研修やセミナーの受講に際して会社が支出した受講料は、従業員にとって給与扱いにはなりません。そのため、従業員の税負担が増えることもありません。

会社から業務に全く関係のないセミナーを受けるよう指示されることなんてほとんどないと思いますが…4月は新生活の季節で研修を受ける機会も多いと思いますので、参考までに知っておいていただけると良いと思います!

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

資本金1億円以下の中小企業の接待交際費について

税理士法人FLOW会計事務所です!

 

令和6年4月から接待交際費の上限が5000円から1万円に引き上げられました!!

 

昨今の物価上昇に合わせて上限の見直しが行われましたが、いわゆる中小企業(資本金1億円以下の規模)にとって、このニュースは何か関係があるのでしょうか?!

 

結論からいうと「関係ありません」。

今回の法改正は、資本金1億円超の大企業が対象になります。

 

ただ、せっかくの機会ですので接待交際費について、イメージだけでも知っていただければと思います!

 

①そもそも接待交際費とは何なのか?

事業関係者に対して、仕事が円滑になることを目的として接待や贈り物をすることをいいます。

また、接待交際費は大きく2つに分けることができます。

1つ目が、「接待飲食費」です。社外の人に対する飲食に関する接待交際費を意味します。

2つ目は「接待飲食費以外の接待交際費」です。

②「接待飲食費」の具体例

・得意先を接待するための飲食代

・得意先へ差し入れしたお弁当代など

 

③「接待飲食費以外の接待交際費」の具体例

・お歳暮やお中元などの贈答品

・従業員のみが参加した飲食会の費用 など

 

④損金算入できる接待交際費の上限とは

接待飲食費が年1600万円未満であれば、年間800万円までは接待交際費の上限となります。

接待飲食費が年1600万円以上となった場合には、接待飲食費の50%が接待交際費の上限となります。

【例】

事業年度:12か月 

1年間の接待交際費:2000万円(うち1800万円が接待飲食費)

接待飲食費1800万円×50%=900万円>800万円⇒限度額は900万円

この場合、900万円までは損金算入できますが、1100万円(2000万円△900万円)は損金不算入となります。

 

中小企業で接待交際費が800万円を超えるケースはほぼ見かけたことがないですが、営業活動で接待が必要な業種においては中には超えるケースがあると思います。

 

また、接待交際費800万円の枠は月割り計算になります。そのため、事業年度が6か月の場合には上限は400万円になります。ご注意ください。

 

以上、簡単ではありますが、中小企業の接待交際費の上限について解説させていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!