【「多芸は無芸」何でもやれれば良いというわけではない】

「フレキシビリティの二律背反性」という考え方をご存知でしょうか。

「フレキシビリティを向上させると、それだけシステムのパフォーマンスやユーザビリティが低下する現象」のことをいいます。

フレキシビリティ、、、要するになんでもやろうとすると、必然的に、より多くの要件を満たす必要が生じ、そうなると例外なく、より折衷的で複雑なものをデザインしなければなりません。

また、デザインが複雑になると、総じてパフォーマンスやユーザビリティは低下すると考えられています。

例えば、アーミーナイフは、多くの種類のツールを揃えており、フレキシビリティ性はとても高いです。しかし、どのツールも、単独の専用ツールに比べると効率性に欠け、ユーザビリティは低いです。これは、パフォーマンスとユーザビリティが、フレキシビリティに代替されているからです。

特定の機能が繰り返し必要とされる場合、特化された専用品のほうが多用型の製品より望ましいです。そのため、求められる役割が決まっている場合には、専用品を使いたくなる傾向が心理的に強くなります。

ビジネスで考えてみると、意外と単純です。

ラーメン屋さんが2軒並んでいたとします。

それぞれ看板にはこう書かれています。

A店「つけ麺&ラーメン&油そば屋」

B店「つけ麺専門店」

つけ麺が食べたかったらあなたはどちらに行きますか?

答えは簡単ですよね。

つけ麺だけを作っているほうに行きます。それはなぜか?

「つけ麵だけを追求して作っている方がよりよりおいしいに違いない」

潜在的にそう判断するからです。

お店側としても一つの商品に的を絞った方がユーザビリティやパフォーマンスは当然上がります。

メニューが多すぎると在庫管理や調理負担も当然変わってきますからね。

逆にラーメンもつけ麺も油そばもなんでもやりたい人はパフォーマンスとユーザビリティを犠牲にする覚悟が必要です。

飲食店だけに限らず、取扱い商品や社内で利用するシステム、、、弊社は会計事務所なので会計ソフトも当てはまりますね。

色んなものを作ろうとするとor使おうとするとパフォーマンスもユーザビリティも低下することになります。

何か新しくビジネスを始めるときやシステムを導入するときには

「フレキシビリティの二律背反性」

の考え方は参考になるのではないでしょうか。

少しでも何かのヒントになれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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