【2025年分提出】確定申告の基本手順!初心者が知るべき期間・必要書類・注意点を完全解説

こんにちは!つくば市のFLOW会計事務所の岩瀬です!

新しい年を迎え、個人事業主の方や副業をされている方にとっては、少しずつ「確定申告」の足音が聞こえてくる時期になりました。毎年この時期になると、当事務所にも「初めてで何から手をつければいいかわからない」「自分ひとりでできるか不安」といったご相談を多くいただきます!

税金の手続きと聞くと、「難しそう」「面倒くさい」というイメージが先行してしまいがちですよね。しかし、確定申告は単に税金を払うためだけの手続きではありません。ご自身の1年間の事業の成果を数字で見つめ直し、社会的な信用を積み重ねるための大切なステップでもあります!

今回は、初めての方でも安心して取り組めるよう、2025年(令和7年)提出分の最新スケジュールや、よくある間違いポイントを含めた確定申告の基本を、専門用語を噛み砕いて丁寧に解説します!

そもそも「確定申告」とはどんな仕組み?

確定申告を一言で説明すると、「1年間の『所得』を自分で計算し、国(税務署)に報告して、納めるべき税額を確定させる手続き」のことです。日本の所得税は、国が勝手に決めるのではなく、納税者自らが申告を行う「申告納税制度」を採用しています。

ここでのポイントは「収入」と「所得」の違いを理解することです。

収入(売上): 事業などで入ってきたお金の合計

所得(利益): 収入から、仕入れや通信費などの「必要経費」を差し引いた残り

この「所得」から、さらに基礎控除や社会保険料控除などの「所得控除」を差し引き、残った金額に税率を掛けて税金を計算します。 会社員の方は会社が年末調整でこれを行ってくれますが、フリーランスの方などは自分で行う必要があります。正しい申告を行うことは、適正な国民健康保険料の算定や、住宅ローン審査などの所得証明にも繋がるため、ご自身のライフプランにとっても非常に重要です!

2025年分(令和7年分)の申告スケジュール

2025年(令和7年)1月1日〜12月31日までの所得に関する申告期間は以下の通りです。

申告・納税期間:2026年(令和8年)2月16日(月) 〜 3月16日(月)
※なお、還付申告書については、令和8年2月13日(金)以前でも提出できます!

本来の期限は毎年3月15日ですが、2026年はその日が日曜日にあたるため、週明けの3月16日(月)が期限となります。 たった1日の違いですが、この週末の猶予は準備において意外と大きな意味を持ちます。しかし、期限ギリギリは税務署もe-Taxのシステムも非常に混雑します。期限を過ぎてしまうと「無申告加算税」などのペナルティが発生する恐れがあるため、2月中には準備を終えるつもりで進めましょう。

私は対象?確定申告が必要な人・した方が良い人

「自分は申告が必要なのか?」という疑問は多くの方が抱きます。大きく2つのパターンで確認しましょう。

1. 確定申告が「必要」な人(義務がある人)

個人事業主・フリーランス: 事業所得などが基礎控除額(今年は基礎控除改正があり、所得により0~95万まで幅があります)を超え、納付税額が発生する人。

副業をしている会社員: 本業の給与以外の所得(副業の利益など)が年間20万円を超える人。※副業が20万以下の場合、所得税の確定申告は不要です。ただし、1円でも所得があれば住民税の申告は別途必要です。

高年収の会社員: 給与収入が2,000万円を超える人。

公的年金受給者: 年金収入が400万円を超える人など。

2. 確定申告をすると税金が戻る可能性がある人(還付申告)

義務ではありませんが、払いすぎた税金を取り戻せるケースです。

医療費が高額だった人: 年間の医療費負担が実質10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5%)を超えた場合。

ふるさと納税をした人: ワンストップ特例制度を利用していない、または寄附先が6自治体以上の場合。

年の途中で退職した人: 年末調整を受けずに退職し、再就職していない場合。

確定申告の進め方:基本の4ステップ

全体の流れを把握しておけば、焦ることはありません。

ステップ1:必要書類と環境の準備 まずは「証拠書類」を集めます。

・売上の証明(請求書、通帳のコピーなど)

・経費の証明(領収書、レシート、カード明細)

・控除証明書(生命保険料、地震保険料、国民年金など)

・マイナンバーカード(スマホ申告に必須)

【職員からのアドバイス】 領収書がお財布やカバンの中に眠っていませんか?まずはそれらを出し、「月ごと」や「費目ごと(交通費、消耗品費など)」に封筒へ分ける作業から始めましょう。これだけでも、後の入力作業が劇的に楽になります。

ステップ2:帳簿の作成(記帳)

1年間の取引を会計ソフトなどに入力します。最近のクラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携させると日付や金額が自動で取り込まれるため、手入力ミスを防げ、計算の手間も大幅に削減できます。

ステップ3:申告書の作成

帳簿データをもとに「確定申告書」と「決算書(または収支内訳書)」を作成します。国税庁のサイト「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトを利用すれば、画面の案内に従うだけで作成可能です。

ステップ4:提出と納税

作成したデータを税務署へ提出します。

Tax(電子申告): 自宅から送信完了。青色申告特別控除(最大65万円)の要件でもあります。

郵送・持参: 紙で提出します。

令和7年分の確定申告にあたり、納税が必要な場合は令和8年3月16日までに納付します。振替納税(口座引き落とし)の手続きをしておくと、引き落とし日が4月23日になるため、資金繰りに余裕が生まれます。※消費税は3月31日までに納付、振替納税は4月30日となっております。

今年の申告で特に注意したいポイント

2025年の提出において、初心者がつまずきやすいポイントを整理しました。

1. マイナンバーカードの「有効期限」

e-Taxを利用する場合、マイナンバーカード本体の有効期限(10年)とは別に、ICチップに入っている「電子証明書」の有効期限(5年)が切れていないか確認してください。「パスワードを入れてもエラーになる」という場合、期限切れの可能性があります。更新には役所へ行く必要があるため、早めの確認が必須です。

2. 引っ越しをした場合の提出先

年の途中で引っ越しをした場合、原則として「申告をする時点での住所地」を管轄する税務署に提出します。旧住所の税務署ではないので注意しましょう。

3. 還付金受取口座の名義

税金が戻ってくる場合の受取口座は、申告する「本人名義」の口座である必要があります。屋号付きの口座や家族名義の口座では振り込まれないことがあるため、個人の氏名が入った口座を指定しましょう。

最後に:早めの準備が安心への近道

確定申告は、1年間のビジネスの通知表のようなものです。 「難しそう」と後回しにして期限直前に慌てて作成すると、経費の計上漏れが発生したり、数字に誤りが出たりするリスクが高まります。何より、精神的な負担が大きくなってしまいます。

まずは「領収書を整理する」「会計ソフトにログインしてみる」といった小さな一歩から始めてみてください。早めに着手すれば、万が一不明点があっても税務署の相談会場に行ったり、専門家に相談したりする時間が十分に取れます。

もし、「事業が拡大して自分での計算が不安になってきた」「インボイス制度などの対応ができているか心配」といったお悩みがあれば、私たち税理士事務所にご相談いただくのも一つの解決策です。 正確な申告を通じて、皆様の事業がより健全に発展することを応援しています!

【令和7年分確定申告】「年収160万円の壁」へ!基礎控除等の3大改正ポイントをわかりやすく解説

皆様、こんにちは。つくば市にあるFLOW会計事務所の河野です。

新しい年を迎え、いよいよ確定申告の準備を始める時期が近づいてまいりました。毎年恒例の手続きではありますが、今回の令和7年(2025年)分からの確定申告は、これまでの常識が通用しない「歴史的な改正」が行われた年となります

ニュースなどで「年収の壁」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。今回の改正は、物価上昇への対応や、働く時間を調整する「働き控え」の解消を目的としており、税金の仕組みそのものが大きく見直されています。

制度が変わるということは、これまで通りの申告をしてしまうと、本来受けられるはずの正しい控除が適用されないリスクがあるということです。

そこで今回は、専門用語をできるだけ使わず、一般の方にも分かりやすく、今年の確定申告で必ず押さえておくべき「3つの大きな変更点」を解説します。

1.基礎控除が最大95万円に!「年収160万円の壁」の誕生

まず一つ目のポイントは、すべての納税者に関係する「基礎控除」の大幅な引き上げです。
これまでは、所得金額に関わらず一律48万円(高所得者を除く)だった基礎控除額が、令和7年分からは「働いて得た所得」に応じて段階的に設定される仕組みに変わりました。

【令和7年分以後基礎控除額】

合計所得⾦額132万円以下      :  95万円(改正前:48万円)

合計所得⾦額132万円超336万円以下  :  88万円(改正前:48万円)

合計所得⾦額336万円超489万円以下  :  68万円(改正前:48万円)

合計所得⾦額489万円超655万円以下  :  63万円(改正前:48万円)

合計所得⾦額655万円超2,350万円以下 :  58万円(改正前:48万円)
***(令和9年分以後合計所得金額が132万円超2,350万円以下:58万円)***

これに合わせて、会社員やパートの方が受けられる「給与所得控除」の最低額も、従来の55万円から65万円に引き上げられました。

そして、この2つの控除を合わせるとどうなるでしょうか?

つまり、給与年収が160万円までであれば、所得税がかからない計算になります。これがいわゆる「年収160万円の壁」と呼ばれる新しい基準です。これまでの「103万円の壁」から大幅に枠が広がったことで、より働きやすい環境になったと言えます。

【重要】住民税には注意が必要

ただし、ここで一つ大きな注意点があります。今回の改正で引き上げられたのはあくまで「所得税」の話であり、住民税の基礎控除(43万円)は変更されていません。

そのため、「所得税はかからなくなったけれど、住民税は従来どおり発生する」というケースが増えることが予想されます。「税金がゼロになった」と勘違いしやすいポイントですので、家計の管理においては住民税の通知もしっかり確認するようにしましょう。

2.子育て世帯に朗報!「特定親族特別控除」の新設

二つ目のポイントは、大学生や専門学生など(19歳〜22歳)のお子様がいらっしゃるご家庭に関する変更です。新しく創設された「特定親族特別控除」について解説します。

これまでは、お子様のアルバイト年収が「103万円」を1円でも超えると、親御さんが受けていた「扶養控除(63万円)」が完全に消滅していました。そのため、年末の繁忙期に学生さんがシフトに入れない「働き控え」が社会問題となっていました。

令和7年分からは、このルールが以下のように柔軟になります。

【親の控除が受けられる年収ラインの変更】

お子様の給与年収が150万円以下: 親は引き続き63万円の満額控除を受けられます。
年収150万円超〜188万円以下: 控除額がゼロになるのではなく、段階的に控除を受け続けることが可能です。

【社会保険の扶養もあわせて変更】

さらに、税金だけでなく社会保険の扶養ルール(19歳以上23歳未満)についても、年収基準が従来の130万円から150万円へ引き上げられました。

税金と社会保険の足並みが揃ったことで、学生の方が学業と両立しながら、より柔軟にアルバイト等で社会経験を積める環境が整っています。親御さんにとっても、お子様の収入を細かく気にしすぎる負担が減る嬉しい改正と言えるでしょう。

3.事務手続きの簡略化とデジタル化の進展

制度の内容だけでなく、申告の手続きそのもの(DX化)も大きく進歩しています。特に注目すべき3点をご紹介します。

① 住宅ローン控除の書類添付が不要に

これまで住宅ローン控除を受けるために必要だった「年末残高証明書」の原本添付が不要になります。「調書方式」という制度が導入され、金融機関から税務署へ直接データが送られるようになったためです。多くの銀行が対応しており、ハガキを紛失して再発行を依頼するといった手間がなくなります。

② e-Tax(スマホ申告)がさらに便利に

スマートフォンの進化に合わせて、e-Taxも使いやすくなっています。iPhone等の対応端末でマイナンバーカードを一度設定すれば、毎回カードをかざして読み取らなくても、Face ID(顔認証)や生体認証などでログインや送信ができるようになります。また、マイナポータル連携により、生命保険料控除やふるさと納税などのデータ自動入力対象も大幅に拡大しており、計算ミスの防止にもつながります。

 ③ 「受領印」や「納付書」の廃止

紙で窓口に提出した場合に押されていた税務署の「受付印(収受印)」が廃止されました。提出の証拠が必要な場合は、保有個人情報開示請求など別の手続きが必要になるため、控えの管理には注意が必要です。また、納付書も原則として事前に送付されなくなります。これを機に、振替納税(口座引き落とし)やスマホアプリ納付(Pay払い等)への切り替えをお勧めします。

最後にe-Tax利用予定の方への「緊急の注意喚起」

最後に、今年e-Taxでの申告を予定されている方に、非常に重要な確認事項をお伝えします。それは「マイナンバーカードの電子証明書の有効期限」です。

マイナンバーカード自体の有効期限は10年ですが、e-Taxなどで使う「電子証明書」の有効期限は5年と短く設定されています。特に、2021年頃の「マイナポイント事業」の際にカードを作られた多くの方が、今年まさにこの「5年の期限」を迎えます。

電子証明書の期限が切れていると、カード自体は使えてもe-Taxでの送信ができません。3月の申告期限直前になると、役所の窓口は更新手続きの方で非常に混雑します。「申告しようと思ったら送信できなかった!」という事態を防ぐためにも、今のうちに有効期限を確認し、必要であれば早めに更新手続きを行ってください。

まとめ

令和7年分の確定申告は、控除額が所得によって細かく分かれるため、例年以上に「自分はどの区分に該当するか」「家族の収入はどうなっているか」を正確に把握することが重要です。

会計ソフトやe-Taxのシステムを利用すれば計算自体は自動で行われますが、その入力の元となる情報(お子様の正確なアルバイト年収など)が間違っていると、正しい税額が計算されません。

制度が複雑で不安な方や、ご自身がどの控除に当てはまるか判断が難しい場合は、お早めにお近くの税務署の相談窓口や、私たち税理士事務所へご相談ください。

正しい知識と準備で、気持ちよく新しい年度を迎えましょう。

【1月31日締切】初心者必見!「償却資産税申告」と「法定調書合計表」のポイント解説

つくば市のFLOW会計事務所の斉藤です。休み明け 1月のバックオフィスは年末調整や源泉所得税の納付など大忙しですね。その中で、忘れてはならない2大業務が「償却資産税の申告」「法定調書合計表の提出」です!

提出期限はどちらも1月31日。(R8年は月末が土日のため2月2日(月) )

今回はその基礎知識とポイントを解説します。

1. 償却資産税(固定資産税)の申告

償却資産税(しょうきゃくしさんぜい)とは、固定資産税の一つ。土地・建物以外の「事業に使っている資産(機械や備品)」にかかる税金です。

これらは土地・建物と違って登記されていないので、毎年、1月1日時点の所有状況を事業者が自ら市町村(東京23区は都)に申告します。これが「償却資産税申告」です。

【申告の対象となる具体的な資産】

どんなものが対象なのでしょうか?

主な対象資産は以下の通りです。

  • 機械及び装置:工場内の製造機械、ブルドーザー、機械式駐車設備など
  • 器具及び備品:パソコン、サーバー、コピー機、応接セット、看板、医療機器、理美容機器など
  • 建物附属設備:テナントとして入居した際に施工した内装工事、電気設備、給排水設備など
  • 構築物:舗装された駐車場のアスファルト、フェンス、門、花壇など
【ここがポイント】

テナント入居時に借主が行った内装工事(内部造作)は、建物の所有者ではなく、借主が償却資産として申告します。

自動車税が課税されている自動車、および無形固定資産であるソフトウェアは申告対象外です。

【要注意 少額資産の落とし穴】
  • 申告不要: 10万円未満の備品、または20万円未満の「一括償却資産(3年均等)」
  • 申告が必要: 30万円未満の特例(中小企業者の特例)で全額損金算入したもの

「経費で落としたから対象外」と思い込みがちですが、「30万円未満の特例」を使って経費にした資産は申告が必要なのです。必ずチェックしておきましょう。

2. 法定調書合計表の提出

「法定調書合計表(ほうていちょうしょごうけいひょう)」とは、1年間の支払い実績のまとめレポートです。特定の費用を「誰に・いくら支払ったか」を税務署に報告します。

例えば、あなたがフリーランスのデザイナーに報酬を支払ったとします。税務署は、あなたの会社から提出された法定調書と、そのデザイナーさんが行った確定申告の内容を照らし合わせます。こうして、双方が正しく税務処理を行っているかを確認(クロスチェック)しているのです。

【記載する主な内容】

主に以下の6種類の「支払調書」や「源泉徴収票」をまとめ、表紙である「法定調書合計表」に記載します。

  • 給与所得の源泉徴収票:役員や従業員に支払った給与・賞与
  • 退職所得の源泉徴収票:退職金の実績
  • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書:税理士、弁護士、社労士への報酬や、デザイナー・ライターへの原稿料など
  • 不動産の使用料等の支払調書:事務所や社宅の家賃、更新料、礼金など
  • 不動産等の譲受けの対価の支払調書:不動産を購入した代金
  • 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書:不動産会社へ支払った仲介手数料
【ここがポイント】

特に「報酬」と「不動産の使用料」は、集計漏れが起きやすい項目です。1月〜12月の間に支払った金額を、帳簿や通帳を確認して正確に拾いましょう。

家賃は更新料の支払いの有無もチェックです。

提出方法: 窓口・郵送・e-Tax(電子申告)

提出にはe-Taxが効率的でおすすめです。一度設定してしまえば、次からはずっと楽になるでしょう。

まとめ

償却資産税申告:市区町村へ、事業用資産(モノ)の状況を報告する。

法定調書合計表:税務署へ、1年間の支払実績(カネ)を報告する

これらの申告業務は、いわば会社の「年に一度の健康診断」のようなものです。

正確なデータを整理・申告することで、翌年以降の資産管理や経費管理もスムーズになります。

判断に迷う場合や、集計方法に不安があるときは、ご自身で悩まず、お近くの税務署や顧問税理士へお早めにご相談ください。

正確かつ計画的な準備で、この忙しい1月を一緒に乗り切っていきましょう!

【確定申告】医療費控除はいくらから?「セルフメディケーション税制」との違いも税理士事務所がやさしく解説

こんにちは!つくば市にある税理士法人FLOW会計事務所の堀です。
12月に入り、寒さが一段と厳しくなってきましたね。この時期は風邪やインフルエンザも流行しやすく、体調管理が難しい季節です。

さて、年末といえば大掃除ですが、お部屋の掃除と一緒にぜひやっていただきたいのが「医療費の領収書(レシート)の整理」です。

「うちはそんなに病院に行っていないから関係ない」 そう思っている方こそ、実はもったいないことをしているかもしれません!

今回は、意外と誤解が多い「医療費控除(いりょうひこうじょ)」と、最近よく耳にする「セルフメディケーション税制」のポイントについて、分かりやすく解説します。

医療費控除は「10万円」超えたら?だけではありません

医療費控除とは、簡単に言うと「1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告をすれば税金が安くなる(戻ってくる)」という制度です。

よく「医療費は10万円を超えないとダメ」と耳にしますが、これには例外があります。

その年の総所得金額等が200万円以上の方: 10万円を超えた分が対象
その年の総所得金額等が200万円未満の方: 総所得金額等の5%を超えた分が対象

つまり、所得が少なめの方や、パート・アルバイトの方であれば、医療費が10万円に行かなくても控除を受けられる可能性があるのです。あきらめずに計算してみる価値は十分にあります。

そのレシート、捨てないで!対象になるもの・ならないもの

医療費控除の計算をする時、一番迷うのが「これは医療費に入るの?」という点です。 基本的な考え方は、「治療のためならOK、予防や美容のためならNG」です。

【〇 対象になるものの例】
・医師、歯科医師による診療・治療代
・治療のための医薬品代(医師の処方箋がなくても、風邪薬や頭痛薬などの一般的な市販薬も対象です)
・通院のための交通費(電車・バスなどの公共交通機関)
・妊娠中の定期検診、出産費用
・子どもの歯列矯正(※医学的に必要と認められる場合)

【× 対象にならないものの例】
・健康診断、人間ドックの費用(※結果、病気が見つかり治療した場合は対象)
・予防接種(インフルエンザワクチンなど)
・美容整形、美容目的の歯列矯正
・マイカー通院のガソリン代、駐車場代

特に見落としがちなのが、通院のための「電車・バス代」です。領収書が出ませんが、日付と経路、金額をメモしておけば認められますので、必ず記録しておきましょう。

病院にはあまり行かないけれど…「セルフメディケーション税制」とは?

「病院にはほとんど行かなかったけれど、ドラッグストアで高めの風邪薬や胃腸薬をたくさん買った」 そんな方のために、2017年から始まったのが「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」です。

これは、きちんと健康診断など(※)を受けている人が、対象となる「特定の市販薬(スイッチOTC医薬品)」を年間で1万2千円を超えて購入した場合に利用できる制度です。 (※会社の健康診断、人間ドック、インフルエンザの予防接種などが該当します)
通常の医療費控除(10万円の壁)よりも、ハードルがかなり低いのが特徴です。

対象となる薬のパッケージには、識別マークが付いていたり、レシートの商品名の横に「★」や「セ」といった印字がされていたりします。ご自宅の薬箱やレシートを確認してみてください。

重要!「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」、どっちがお得?

ここが最も重要なポイントです。 この2つの制度は、「どちらか片方しか選べません(併用不可)」。

「病院代で5万円、対象の市販薬で3万円使ったから、両方使おう!」ということはできないのです。 では、どちらを選べばよいのでしょうか?
ざっくりとした判断基準は以下の通りです。

「通常の医療費控除」を選んだ方が良い人: ・入院や手術などで、病院に支払った金額が大きい人
・家族が多く、全員の通院費を合わせると10万円を超えそうな人

「セルフメディケーション税制」を選んだ方が良い人:
・病院にはほとんど行かないが、対象となる高機能な市販薬を年間1万2千円以上買った人
(かつ、会社の健康診断などをきちんと受けている人)

どちらが得かは、実際に集計して計算してみないと分かりません。少し面倒ですが、両方のパターンで計算してみて、控除額が大きくなる方を選択するのが賢い方法です。

【共通のコツ】家族全員分をまとめて申告しましょう

どちらの制度を選ぶにしても、「生計を一(いつ)にする家族」の分をまとめて申告できる点は同じです。

単身赴任のお父さんや、下宿している大学生のお子さんの分も、お財布(生活費)が一緒であれば合算可能です。一人ひとりでは大した金額にならなくても、家族全員分を合わせれば対象になるケースはよくあります。

また、家族の中で誰が申告するか選ぶことができますが、一般的には「一番所得税率が高い(お給料が高い)人」が申告したほうが、戻ってくる税金が多くなり有利です。

まとめ:今のうちに領収書を集めておきましょう

年が明けてから「あの領収書どこだっけ?」と慌てないように、この年末に一度、家中の医療費や薬局のレシートを集めてみてください。

家族全員分の領収書を集める
→「病院の領収書」と「ドラッグストアのレシート」に大まかに分ける
→ドラッグストアのレシートは、セルフメディケーション対象商品かチェックする

もし、計算や「どちらの制度がお得か」の判断に迷うことがあれば、私たちFLOW会計事務所にお気軽にご相談ください。 早めの準備で、安心してお正月を迎えましょう!

【期限厳守】ふるさと納税と医療費控除で年末にやるべき税金対策4ステップ

皆様、こんにちは。つくば市の税理士事務所、FLOW会計事務所です。
年の瀬が近づく今、税金対策は「やるか、やらないか」ではなく「期限に間に合わせるか、間に合わないか」の瀬戸際です。知っている人だけが得をする税制優遇措置は、期限を逃せば数万円を損するかもしれません。特に年末は、ふるさと納税の正確な上限額の確認と、医療費控除などの還付申告に向けた準備という、二つの重要なタスクの締め切りが迫っています。
このガイドでは、あなたの税負担を最適化するために、今すぐ取り組むべきアクションプランを解説します。控除証明書やワンストップ特例の準備を急ぎ、払いすぎた税金を取り戻しましょう。

1. ふるさと納税:上限額確認と1月10日のワンストップ特例期限

「ふるさと納税」は、地域を応援しつつ、実質2,000円の自己負担を除いた寄付額の多くが翌年の税金から控除される、最も利用価値の高い制度です。

チェック 1:控除上限額のシミュレーションと目安の確認方法

ふるさと納税の最大の鍵は、控除の上限金額(限度額) を知ることです。この上限を超えて寄付しても、税金の控除対象にはならず自己負担が増えるため、年収が確定する前に目安を知っておく必要があります。
お手元の源泉徴収票(または概算年収)を入力できる計算ツールを活用し、正確な上限額を把握しましょう。

【モデルケース】上限額の目安

  • 独身で年収500万円の方の控除上限額の目安は約61,000円です。
  • 夫婦(配偶者控除あり)で年収700万円の方の控除上限額の目安は約87,000円です。

チェック 2:寄付の実行を12月31日までに完了させる

今年度の税金から控除を受けるためには、12月31日までに寄付を完了させる必要があります。

  • クレジットカード決済の場合: 決済が完了した日(年内)が寄付日となります。
  • 銀行振込などの場合: 12月に入ると締切が早まる自治体もあるため、必ず自治体の指定日を確認し、手続きを完了させてください。

チェック 3:ワンストップ特例制度の期限(1月10日必着)と注意点

寄付後の事務手続きを忘れると、せっかくの控除が受けられません。

  • ワンストップ特例制度の対象者: 元々確定申告をしない会社員で、寄付先が5自治体以内の場合に利用可能です。
  • 期限: 自治体から送られてくる申請書を、翌年の1月10日必着で自治体に返送する必要があります。12月に駆け込みで寄付した方は、申請書の到着を待たずに急いで対応してください。

【重要】 6自治体以上に寄付した場合や、後述する医療費控除などで確定申告を行う人は、ワンストップ特例制度の対象外となります。この場合、ワンストップ特例を申請済みであってもすべて無効となり、確定申告で改めて寄附金控除の手続きを行う必要があります。

2. 医療費控除・還付申告:過去5年に遡って税金を取り戻す準備

サラリーマンの税金手続きは年末調整で完結しますが、特定の支出があった場合、ご自身で「確定申告(還付申告)」を行うことで、払い過ぎた税金が手元に戻ってくる可能性があります。

医療費控除の対象範囲と10万円ボーダーラインの計算

本人や家族のために支払った医療費の合計が、年間で一定額を超えた場合に利用できるのが医療費控除です。

対象となる医療費の閾値(ボーダーライン)は以下の通りです。

  • 原則: 年間10万円を超えた場合に対象となります(ほとんどの納税者が該当)。
  • 例外: 総所得金額が200万円未満の方は、総所得金額の5%を超えた場合に対象となります(総所得金額は、給与所得控除後の金額が目安となります)。

控除の対象となる支出例: 病院の治療費、薬代、通院のための交通費(公共交通機関利用時)、医療的な必要性に基づくインプラントやレーシックなどが含まれます。(美容目的の支出は対象外です)
医療費の領収書を全て集め、合計額を計算してみましょう。国税庁のサイトにある集計用の計算シートを利用すると、確定申告時の手間を大幅に減らせます。

【重要】お金が戻る還付申告は、過去5年間に遡っていつでも行えます。 過去に高額な医療費を支払った年があるにも関わらず申告を忘れていた方は、領収書を確認し、今すぐ還付申告を検討しましょう。

3. 年末調整で済む控除:控除証明書の最終チェック

以下の控除は、会社に書類を提出すれば年末調整で完結します。提出漏れがないか、保険会社などから送られてくる控除証明書(ハガキ) が手元にあるか、確認しましょう。

  • 生命保険料控除: 必要書類は保険会社発行の控除証明書です。提出先は会社です。
  • 地震保険料控除: 必要書類は保険会社発行の控除証明書です。提出先は会社です。
  • iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金): 必要書類は国民年金基金連合会から送付される小規模企業共済等掛金払込証明書です。提出先は会社です。

4. 確定申告が必要な人チェックリスト(年末調整だけでは済まない場合)

年末調整で完結せず、確定申告が必須となる主なケースです。ご自身が該当しないか必ず確認しましょう。

  • 給与の年収が2,000万円を超える方は確定申告が必須です。
  • 2か所以上から給与をもらっている方は確定申告が必須です。
  • 給与所得・退職所得以外に20万円を超える所得がある方は確定申告が必須です(例:副業の所得、不動産収入など)。
  • 医療費控除や雑損控除を受けたい方は還付申告を検討できます(任意)。
  • 住宅ローン控除を初年度に受ける方は確定申告が必須です。

まとめ

税金や控除の制度は、私たちの家計を支える大切な要素です。年末は、「知っている人だけが得をする」税金対策の最終リミットです。
ご自身の財政状況を最適化するため、以下のステップを今すぐ実行に移しましょう。

  1. ふるさと納税の上限額をチェック: 計算ツールに概算年収を入力し、上限額を把握。
  2. 寄付と申請の期限を確認: **12月31日(寄付)1月10日(ワンストップ)**をカレンダーに登録。
  3. 医療費の領収書をかき集める: 年間10万円(または所得の5%)のボーダーラインを超えていないか確認し、国税庁の集計用計算シートで準備する。
  4. 控除証明書を準備: 年末調整の締め切りに間に合うよう、保険やiDeCoの証明書を提出する。

迷ったら、まずご相談を

ご不明な点や、ご自身の控除額の計算に不安がある場合は、FLOW会計事務所にご相談ください!期限を過ぎてからでは取り戻せない税金対策を、専門家としてサポートいたします。

【2025年最新版】後悔しない相続準備ロードマップ:税務対策と生前贈与の極意

こんにちは!FLOW会計事務所の森です。
「相続」という言葉に、「もめる」「複雑」といったネガティブな印象を持つ方は少なくありませんが、相続はどの家庭にも必ず訪れる重要な課題です。事前に危機意識を持ち、確実な準備を進めることが、ご家族の円満な未来と最大限の節税につながります。
この記事では、誰もが安心して相続に臨むために知っておくべき、税務の基礎知識と2025年の最新準備事項をわかりやすく解説します。

1. <相続対策の第一歩>相続税申告の「期限」と「基礎控除」を知る

1-1. 申告・納税の期限は「死亡から10か月以内」

相続税の申告と納税の期限は、原則として被相続人(亡くなった方)の死亡を知った日の翌日から10か月以内と定められています。この期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるため、この「10か月」を逆算した早めの準備が不可欠です。

1-2. 相続税がかかるかの基準「基礎控除」

遺産の総額が一定の金額(基礎控除額)以下であれば、相続税は課税されず、申告の必要もありません。

基礎控除額の計算式「3,000万円 + (600 万円× 法定相続人の数)」

例えば、法定相続人が配偶者と子2人の合計3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。遺産総額がこの額を超える見込みであれば、申告準備が必要です。

◆重要ポイント◆

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを適用して税額がゼロになる場合でも、特例を適用するためには期限内の申告が必須です。申告をしないと特例が受けられず、多額の税金を支払うことになるため注意しましょう。

2. <税務の観点から>財産調査と納税資金の確保

相続の準備は「財産の円満な分割」と「納税資金の確保」が二つの大きな柱です。特に税務の観点からは、財産の正確な把握と、期限内の納税に向けた準備が重要です。

2-1. プラスもマイナスも徹底的に洗い出す

相続税は、プラスの財産からマイナスの財産(借金、葬式費用など)を差し引いて計算します。

◆特に注意が必要な点◆

名義預金のリスク: 名義が家族であっても、実質的に被相続人の財産と見なされる名義預金は、相続税の課税対象となります。「誰が管理していたか」が問われます。
潜在的な債務の調査: 連帯保証債務など、家族が知らない借金が潜んでいる可能性があります。

2-2. 預貯金凍結のリスクと納税資金の確保策

亡くなった方の預金口座は、死亡を知った時点で原則として凍結され、遺産分割協議が成立するまで自由に引き出しや名義変更ができません。
この問題を回避するために、税務の観点から有効な対策が二つあります。

①遺言書の準備: 遺言書により預貯金の承継者を指定しておけば、受継人は単独の手続きで預貯金の引き出しが可能となり、納税資金の確保に役立ちます。

②生命保険の活用: 死亡保険金は民法上の相続財産に該当せず、受取人固有の財産として扱われます。遺産分割がまとまらなくても保険金を受け取れるため、最も確実な納税資金対策となります。さらに、死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠が適用されます。

3. <2025年最新>生前贈与と行政手続きの重要改正

3-1. 賢く利用したい生前贈与の優遇制度と最新改正

生きているうちに財産を贈与すれば、将来の相続財産を減らし、相続税の対象額を圧縮できます。

暦年贈与の非課税枠
毎年1月1日から12月31日までの1年間で、110万円までの贈与が非課税となる制度です。

暦年贈与の「持ち戻し期間」延長
2024年1月1日以降の贈与について、相続開始前の贈与を相続財産に加算する期間(持ち戻し期間)が、従来の3年以内から「7年以内」に段階的に延長されました。この改正は、「相続開始直前の贈与による駆け込み節税」を防ぐためのものです。
この「7年持ち戻し」のルールがあるため、生前贈与による相続税の節税効果を得るには、できるだけ早く、若いうちから贈与を始めることが極めて重要になります。

その他の優遇制度
教育資金(1,500万円まで)や結婚・子育て資金(1,000万円まで)など、特定の目的が定められた贈与についても非課税となる特例が設けられています。

3-2. 2024年施行! 相続手続きの円滑化に向けた法改正

戸籍謄本の広域交付(2024年3月施行): 相続人調査に必須な戸籍謄本類が、最寄りの市区町村の窓口で一部取得できるようになり、遠方にある役場への郵送請求の手間が大幅に軽減されました。

相続登記の義務化(2024年4月施行): 不動産の相続登記が義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと過料が科せられる可能性があります。

4. まとめ

相続手続きは、相続人調査、遺産分割協議、そして複雑な相続税の申告・納税など、多くのステップがあり、すべてに期限が設けられています。

特に、相続税の申告では、不動産の正確な評価、複雑な控除・特例制度の適用検討、そして申告書の厳格な作成が不可欠です。個人で全てを行うと、計算ミスや申告漏れのリスクが高まり、結果として過少申告加算税などのペナルティを受けることになりかねません。

茨城県つくば市で実績を持つFLOW会計事務所にご相談いただくことで、財産評価から納税計画、各種特例の適用を含めた正確な相続税の計算、そして10か月以内の期限内の申告を確実にサポートできます。相続に不安を感じたら、円満な次の世代へのバトンタッチのために、経験豊富な専門家である税理士にご相談ください。

 最後までお読みいただきありがとうございます!

【給与計算と税金の基本:年末調整で手取りを理解する控除の仕組み】

皆様、こんにちは。FLOW会計事務所の正木です。

毎月の給与明細で気になるのが、最終的な「手取り額」です。給与から差し引かれている「控除額」の仕組みを知ることは、ご自身の資産管理の第一歩です。

今回は、この控除額に含まれる税金と社会保険料の基本的なルールを、専門家の視点から分かりやすく簡潔に解説します。

1. 給与計算の基本:総支給額と控除額の関係

給与計算は以下の通りです。

【(総支給額) – (控除額) = (手取り額)】

控除額は、法律で引くことが義務付けられており、大きく「税金」と「社会保険料」の2つに分けられます。

2. 給与から引かれる「税金」の仕組み

給与から控除される主な税金は、所得税(国税)と住民税(地方税)です。

2-1. 所得税:毎月「仮払い」し、年末に「清算」

所得税は、1年間の収入に対してかかる税金です。

  • 毎月の処理: 年間の収入を予測し、「仮払い」として概算で毎月差し引かれています。
  • 年末調整の役割: 家族構成や保険料の支払いといった個人的な事情は、月々の仮払いに反映されていません。
    そこで、1年の終わりに正しい税額を計算し直し、仮払いした合計額との過不足を清算します。
    • 払いすぎの場合: 還付金(お金が戻る)
    • 不足の場合: 追加徴収

2-2. 住民税:「去年の収入」で決まる確定額

住民税は、所得税と異なり、「去年の収入」に基づいて税額が確定します。

  • 納め方: 確定した年間税額を、通常6月から翌年5月までの12回に分けて、毎月お給料から引かれます。
  • ポイント: 金額は確定済みのため、年末調整の対象にはなりません。

3. 手取りを増やすカギ:年末調整での申告

年末調整で税金が安くなるのは、あなたが支払った特定の費用(保険料など)を申告することで、税金がかかる対象の収入が減る(控除される)ためです。

  • 申告が必要なもの: 生命保険料や地震保険料などの控除は、会社から配られる申告書に漏れなく記入して提出することで適用されます。
  • 重要性: この申告を正しく行うことが、本来受けられる控除を適用し、納める税金を適正化するために非常に大切です。

4. もう一つの控除:「社会保険料」の基礎

社会保険料は、病気、老後、失業など、「もしも」の事態に備えるための費用です。

  • 主な種類: 健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料(40歳以上)、雇用保険料など。
  • 決まり方: あなたの給与額に基づいた「ランク」に応じて保険料が計算されます。

 まとめ

給与計算は、労働基準法、社会保険、税金など、様々な法令や制度が複雑に絡み合って成立しています。ご自身の給与明細を理解し、年末調整を正確に行うことは、ご自身が本来受けるべき控除をしっかりと適用するために欠かせません。申告書への記入や計算方法に不安がある際には、ぜひFLOW会計事務所にご相談ください!

令和7年(2025年)年末調整の大きな変更点:基礎控除・給与所得控除、そして「160万円の壁」の件

こんにちは! FLOW会計事務所のIWASEです!!

例年ご苦労されているであろう年末調整ですが、令和7年(2025年)末に実施される年末調整は、近年稀に見る大規模な税制改正が適用されます。

この改正は、主に物価高騰への対応と、配偶者や学生などの「年収の壁」による働き控えを解消するための緊急的な対策として行われるものです。特に、所得税が非課税となるラインの引き上げ、特定親族特別控除の新設は大学生年代に影響しますので、手取り額に直結する重要なポイントです。

今回は、皆様の生活に直結する「基礎控除」「給与所得控除」「特定親族特別控除」の3つの大きな変更点について、注意点も交えながら解説します。

1. 所得控除の引き上げ:基礎控除と給与所得控除の改正

税負担を左右する所得控除のうち、基本的な控除額が以下の通り引き上げられます。

(1)基礎控除の変更:所得に応じて最大95万円に

納税者なら誰でも適用される基礎控除が大きく変わります。改正前(令和6年分まで)は合計所得金額に関わらず原則48万円でしたが、令和7年分からは所得に応じて控除額が変動します。

特に、合計所得金額が132万円以下の方(給与収入で200万円)の基礎控除額は、48万円から95万円に大幅に引き上げられます(47万円増)。また、合計所得金額が132万円超655万円以下の方も、所得に応じて段階的に88万円から63万円の控除が適用されます。なおこの所得層の基礎控除は、令和7年・令和8年だけの期間限定特例基礎控除となっており、令和9年からは58万円に下がってしまいます。

(2)給与所得控除の変更:最低額が65万円に

会社員やパート・アルバイトの方に適用される給与所得控除(概算経費の役割)の最低額が引き上げられます。従来の55万円から65万円へと10万円引き上げられます。これにより、給与収入190万円以下の方の給与所得が圧縮され、税負担の軽減につながります。

2. 所得税の「年収の壁」:103万円から160万円へ

上記の基礎控除と給与所得控除の引き上げにより、所得税が課税されない上限額(年収の壁)が大幅に変わります。

(1)所得税の「103万円の壁」は「160万円の壁」に

これまで「103万円の壁」の根拠となっていたのは、基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)の合計額でした。

令和7年分以降は、引き上げられた基礎控除の最大額95万円と給与所得控除の最低額65万円を合計した160万円が、所得税が非課税となる新たなラインとなります。

これにより、主にパート・アルバイトの方が、税負担を気にせずこれまで以上に働くことが可能になり、働き控えの解消が期待されています。

(2)他の「壁」との違いにご注意ください

所得税の非課税ラインが160万円に引き上げられても、以下の「壁」は基本的に変更されていません。世帯全体の手取り額に大きな影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

住民税の壁(約100万円〜110万円):住民税の非課税ラインは所得税とは別で、自治体によって異なります。

社会保険の壁(106万円または130万円):勤務先の規模や労働時間によって、健康保険・厚生年金への加入が必要になるラインは、今回の所得税改正では変わりません。

3. 大学生等を持つ世帯への支援:特定親族特別控除の新設

今回、大学生世代のお子さん(19歳以上23歳未満)がいるご家庭を対象とした、「特定親族特別控除」が新設されます。※それに伴い19歳以上23歳未満の年代に限り、社会保険の壁も現行の「年間収入130万円未満」が「年間収入150万円未満」に変わりました。

この新控除の目的は、アルバイトなどで収入が増えた学生が、従来の扶養の枠を超えても、親側の税負担が急激に増えないようサポートすることです。

対象者は、12月31日時点で19歳以上23歳未満の親族です。控除の仕組みとして、親族の給与収入が123万円を超えても、例えば150万円以下であれば、親は最大63万円の控除を受けられます(親族の所得が増加すると控除額は段階的に減少)。

また、この改正に伴い、扶養控除・配偶者控除などの適用を受けるための親族の合計所得金額要件が、従来の48万円以下(給与収入で103万円以下)から58万円以下(給与収入で123万円以下)に緩和されます。

4. 年末調整に向けた実務上の注意点

今回の改正が適用されるのは、令和7年分(2025年)の年末調整からです。以下の点に注意が必要です。

(1)申告書の様式変更と複雑化

年末調整で使用する申告書が大きく変わります。従来の「給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」(いわゆる「基・配・所」)に、「特定親族特別控除申告書」が統合され、1枚で4つの申告ができる様式に変更されます。

また、「扶養控除等(異動)申告書」(マル扶)も、扶養親族の所得要件緩和に伴い、「源泉控除対象親族」の欄が追加されるなど、様式が変更されます。特に「特定親族特別控除」は所得金額に応じて控除額が段階的に変動するため、計算や記入のミスが例年以上に起きやすいことが予想されます。

(2)従業員さんへの周知と教育

従業員さんに対して、「160万円の壁(所得税)」と「130万円の壁(社会保険)」が異なること、そして各種申告書の記入方法が変わることを、図解などを用いて早めに、かつ明確に周知する必要があります。控除対象となるご家族の所得見込み額を正確に把握し、申告書に記入漏れがないよう、早めの準備を呼びかけましょう。

この改正は、税負担の軽減と働き方の自由度を高める重要な一歩です。正確な知識をもって、令和7年の年末調整に備えましょう。

参考【国税庁:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について

【ひとり社長・中小企業必見】手取りが劇的に増える!「出張旅費規程」賢い活用術

こんにちは、FLOWの河野です。経営者の皆様、日々の事業運営、本当にお疲れ様です。

「所得税や社会保険料の負担が重すぎる…」「どうにかして事業の利益を効率よく手元に残したい」—事業規模が拡大するほど、この悩みは深まりますよね。
実は、この課題を合法的に解決し、資金効率を大きく高めることができる最強の仕組みがあります。それが「出張旅費規程」です。

この規定は、知っているか知らないかで、手元に残るお金に雲泥の差がつく、ひとり社長やマイクロ法人にとって非常に重要な制度です。
今回は、出張旅費規程の仕組みと、すぐに実践できる正しい作り方、運用方法を分かりやすく解説します。

1. 知らなきゃ損!旅費規程がもたらす「無税の収入」の仕組み

出張旅費規程とは、出張時の交通費や宿泊費、そして「日当(にっとう)」の支給ルールを会社が独自に定めた文書です。この規定を導入し、正しく運用することで、法人と個人の両方に特大のメリットが生まれます。

旅費日当の「非課税」メリットとは?
旅費日当は、出張中に発生する様々な細かい雑費(食事、通信費、文房具の購入など、個別に証明や精算が面倒な出費)を包括的にカバーするために支給される手当です。

この旅費日当の最大の特徴は、以下のメリットを同時に享受できる点です。

①法人側の利点
支給額を会社の経費として計上できます。

②個人側の利点(非課税)
受け取った個人には、所得税、住民税、社会保険料が一切かかりません。結果として手取り金額を最大化できます。

つまり、給与として受け取る場合に差し引かれる税金や社会保険料がゼロになるため、手取り金額を大幅に増やすことができます。

2. 「出張」の定義は自分で決める!賢いルール設定術

多くの方が「出張」と聞くと、新幹線や飛行機を使う遠方への泊まりがけのイメージを持たれます。しかし、これは大企業の事例であり、法律で定められた明確な基準は存在しません。
出張の定義は、自社の業務実態に合わせて自由にルールを定めることができるのが、ひとり社長にとって最大のポイントです!

①近場・日帰りも対象にできる
宿泊を伴わなくても、近距離の外出であっても、自社の業務実態と整合性が取れていれば「出張」と定義することが可能です。

②具体的な基準を設定
「自宅から50km以上の移動」や「片道1時間以上の訪問」など、会社ごとに基準を設定することで、日常の業務行動を日当支給の対象にできます。

③日常業務も非課税収入に
現場訪問が多い業種の顧客訪問、スキルアップのための勉強会や懇親会への参加なども、事業に関連づけ、規定に定めておけば出張として成立し、日当支給の対象になり得ます。

この定義を賢く定めることで、日常の業務行動を「結果的に非課税の収入に変える」ことができるのが、この制度の最大の魅力です。

3. 否認されない!正しい導入と運用のための3つの鉄則

旅費規程は非常に強力な仕組みですが、不適切な運用は税務調査で否認され、多額の追徴課税(役員の場合は役員賞与扱いとなるリスク)を受けることになります。

この制度のメリットを最大限に活かすためには、「正しく作る」「正しく使う」「正しく記録する」という3つの鉄則を守ることが必須です。

鉄則1・規定を明確に「文書化」する
まず、旅費規程を作成・整備し、「出張とは何か」を文書化しておくことが最重要です。移動時間、距離、具体的な業務内容など、自社に合った基準を詳細に設定しましょう。

鉄則2・日当の金額を「妥当」に設定する
日当の金額に法律上の上限はありませんが、「常識の範囲内(社会通念上不相当に高額ではない金額)」であることが求められます。

・相場の考慮
業種や会社の規模、役職に応じてバランスを取って決めるのが基本です。社長で1万円程度が無難とされることが多いですが、個別の判断が必要です。

・役職間のバランス
役員だけが極端に高額な日当を受け取るなど、不公平な運用は否認リスクが高まります。ひとり社長の場合は比較対象がいないため、相場からかけ離れた高額設定は避けましょう。

鉄則3・運用と記録を「徹底」する
規定を作成しただけではNGです。その規定通りに運用し、証拠を残すことが不可欠です。

・出張報告書の作成
「誰が、いつ、どこに、どのような目的で出張したか」を証明できる出張報告書や記録を必ず残しましょう。この記録があることで、税務調査が入った際にも、形式と実態が整っていると判断されやすくなります。

プライベートとの分離 仕事と関係のない家族旅行などは対象外です。業務との関連性を明確に説明できることが大前提です。

まとめ~今すぐ行動し、資金効率の高い経営へ~

出張旅費規程は、経営者が賢く資金を確保し、事業の効率を高めるために必須の仕組みです。特に、社長お一人や少人数の法人にとっては、手元に残るお金が劇的に変わる非常に重要な制度です。
合法的に賢く資金を管理するためには、今日解説した「規定を正しく作り、正しく運用し、正しく記録する」という3つの鉄則を徹底してください。
適切な金額設定や、自社の業務実態に合わせた出張の定義づけに不安がある場合は、専門家である税理士に相談し、リスクを抑えつつ仕組みづくりをサポートしてもらうことを強くお勧めします。

今すぐ仕組みを作り、資金効率の高い法人運営を始めていきましょう!

【インボイス制度「2026年問題」って何!?】2割特例廃止と負担増!今すぐ取り組むべき3つのアクション

こんにちは、FLOW会計の斉藤です。

インボイス制度の導入から1年が過ぎました。「ようやく慣れた…」とホッとしていませんか?しかし、本当の正念場はこれからです。

2026年10月、多くの小規模事業者の経営を直撃する「時限爆弾」、通称「2026年問題」が待ち構えています。

「知らなかった」では済まされない急激な負担増を避けるため、その正体と今すぐ取るべき対策を解説します。

あなたの事業を揺るがす2つの「激変」

2026年10月から、現在多くの事業者を支えている負担軽減措置が縮小・廃止されます。

  • 経過措置の縮小(80%控除 → 50%控除へ)

現在、免税事業者からの仕入れでも、取引先は支払った消費税の「80%」を控除できます。つまり実質的な負担増は20%しかありませんでした。

しかし、2026年10月以降、この割合が「50%」にまで引き下げられます。

これにより、取引先は免税事業者との取引コストがグンと増えることになります。

免税事業者にとっては、値下げを要求されたり、最悪の場合、取引を打ち切られたりするリスクが現実的になるのです。

  • 「2割特例」の完全廃止

インボイス登録に踏み切った元免税事業者の多くが活用しているであろう、まさに“救世主”ともいえる制度が「2割特例」。

これは、「売上にかかる消費税額の2割」だけを納税すればOKという、納税額も、事務負担も、大幅に軽減してくれる特例措置です。

この特例が、2026年9月末で完全に終了します!

(※個人事業主は2026年分の確定申告まで適用)

もし対策をしなければ、業種によっては納税額が数倍に跳ね上がる可能性があり、事業の資金繰りに深刻な影響を及ぼしかねません。

■ 生き残るための3つのアクション

1. 取引先と方針を協議する

特に免税事業者の方は、課税事業者になるのか、免税のまま価格で調整するのか、2026年10月以降の方針を主要な取引先と話し合いましょう。

事前の誠実な対話が、信頼関係と取引を維持する鍵です。

2. 最適な納税方法を決定する

2割特例終了後は「簡易課税」か「本則課税」を選択しなければなりません。事務負担が軽い「簡易課税」、設備投資など経費が多い場合に有利な「本則課税」。納税額で大きな差がつくことも。どちらが自社に有利か、シミュレーションしてみることが重要です。

  • 簡易課税:業種ごとに定められた「みなし仕入率」で計算。実際の経費計算が不要で、事務負担が軽いのが特徴。
  • 本則課税:売上にかかる消費税から、仕入れや経費にかかった消費税を差し引いて計算。インボイスの集計・保存が必須で手間は増えますが、大きな設備投資などがある場合は有利になることも。

3. ITツールと補助金をフル活用する

増える事務負担は、デジタル化で乗り切りましょう!これからの時代、ITツール導入は不可欠です。 「でも、コストがかかる…」とためらう必要はありません。国は、事業者のデジタル化を支援する強力な補助金を用意しています。

  • IT導入補助金(インボイス枠):クラウド会計ソフトやPC、タブレットの購入費用などを、最大8割という高い補助率で支援するものです。
  • 小規模事業者持続化補助金:インボイス対応に限らず、販路開拓や生産性向上のための幅広い経費に利用できます。

補助金は、コストを抑えて未来への投資ができる絶好のチャンスです。

公募期間には限りがあります。今すぐ最新情報をチェックし、積極的に活用を検討してください。

まとめ

2026年10月は、小規模事業者にとって大きな転換点です。「まだ先」と先延ばしにせず、今日から準備を始めましょう。「取引先との対話」「納税方法シミュレーション」「ITツールと補助金の活用」。この3つの行動が、あなたの未来を守ります。

今すぐアクションを起こすことで、来るべき変化の波を乗りこなし、あなたの事業をさらに強く成長させることができるはずです。

不安な点があれば、一人で抱え込まず、私たちにご相談ください。

未来のために、今日から一歩を踏み出しましょう!