名義預金で相続税・贈与税トラブル!?税務調査の注意点と対策を徹底解説!

~相続税のトラブルを防ぐために今からできること~

相続や税務調査と聞くと、少し身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。特に税務署が注目する項目の一つが「名義預金」です。
この記事では、名義預金がなぜ問題になるのか、そして将来の税務調査で指摘されないために、今からできる対策について分かりやすく解説します。

名義預金とは?

名義預金とは、口座の名義人と実際のお金の所有者が異なる預金を指します。
典型的な例は、親が子や孫名義で銀行口座を作り、自分の財産をそこに積み立てているケースです。

税務調査では、亡くなった方(被相続人)の財産だけでなく、家族全員の口座を過去10年分さかのぼって調査(場合によっては10年を超えて調査することも)します。その中で、家族名義の口座に不自然な多額入金が見つかると、税務署は

「実は亡くなった方の財産ではないか?」
と疑い、相続財産に含めようとします。

こうして名義預金は、相続税の課税対象となりやすいのです。

名義預金と生前贈与の違い

「親からもらったお金なのに、なぜ相続財産になるの?」と疑問を抱く方もいるでしょう。
これは、**「名義預金」と「生前贈与」**の成立要件が異なるためです。

生前贈与が成立するための条件

  1. 贈与する側が「あげる」という意思を示すこと
  2. 受け取る側が「もらう」という意思を示すこと
  3. 年間110万円を超える場合は贈与税の申告を行うこと

これらがそろって初めて「贈与」として認められます。

もし贈与税の申告がされていなかったり、子が実際にはそのお金を使えず親が管理していたりすると、

「贈与は成立していない」
と判断され、名義預金として相続財産に含められてしまいます。

税務署が名義預金を重視する理由

贈与税には通常6年の時効(※)があります。
しかし税務署は、贈与として課税できなくても、相続税としてなら課税可能なため、名義預金を厳しくチェックします。

つまり、過去にさかのぼって税金を徴収できる手段として、税務署が特に注目しているのです。

※もし、贈与税の申告を一切していない場合や、悪質な無申告・仮装隠蔽がある場合は、時効が7年に延びます。

相続税トラブルを防ぐための3つの対策

① 贈与の意思を記録に残す

お金を渡す際は贈与契約書を作成しましょう。
市販のひな形で十分有効です。日付や金額、双方の署名・押印を忘れずに。

② 受贈者自身が管理する

贈与されたお金は受贈者本人の口座に入金し、本人が管理・使用することが重要です。
親が通帳や印鑑を管理していると、名義預金とみなされる可能性が高くなります。

③ 贈与税を正しく申告する

年間110万円を超える贈与は必ず申告しましょう。
申告書自体が「贈与の事実」を証明する最も確実な証拠になります。

2024年からの新ルールに注意

2024年1月から、亡くなる前7年以内の贈与は相続財産に加算されることになりました。
以前よりも広い期間が対象となるため、計画的な贈与が一層重要になっています。

まとめ

名義預金は税務調査で必ず確認される重要なポイントです。
最も大切なのは、「財産の所有者を明確にし、正しい申告を行うこと」

相続や贈与は複雑で、ケースによって最適な対策は異なります。
不安がある場合は、正しい申告と納税をするためにも、早めに税理士など専門家に相談することを強くお勧めします。

準備を前もって整えることで、大切な家族に余計な負担を残さず、安心して未来につなげることができます。

相続税で困らない!基礎知識と今からできる賢い対策【会計事務所が解説】

こんにちは!FLOW会計事務所の森です。

「相続税」という言葉を聞くと、難しそう、自分には関係ない、と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか? しかし、相続は突然やってくるものであり、適切な準備をしていないと、大切な財産を円滑に次世代に引き継げない可能性があります。この記事では、相続税の基本的な仕組みから、今からできる賢い対策まで、分かりやすく解説します!

■ 相続税の基本を知ろう

相続税は、亡くなった方(被相続人)の財産を相続したときに課される税金です。国税庁のデータによると、実は全国の亡くなられた方の「約10人に1人」が相続税の課税対象となっています。決して他人事ではない、身近な税金と言えるでしょう。

■ 基礎控除額とは?

相続税には「基礎控除」という非課税枠があり、この金額内であれば相続税はかかりません。 基礎控除額の計算式は「3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)」です。例えば、法定相続人が3人(配偶者と子供2人など)の場合、基礎控除額は3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円となります。この金額以下であれば、原則として相続税の申告も不要です。

■ 相続税がかかる財産・かからない財産

財産には、相続税の対象になるものとならないものがあります。

<課税対象となる財産>

現金、預貯金、不動産、株式、有価証券、生命保険金(非課税枠を超える部分)、死亡退職金(非課税枠を超える部分)などです。

<非課税となる財産>

墓石、墓地、仏壇、公益を目的とする事業に使われるもの、そして一定の非課税枠内の生命保険金や死亡退職金などです。 相続財産を正確に把握することが、適切な相続税計算の第一歩です。特に不動産や株式の評価は専門的な知識が必要な場合もあります。

■ 今からできる賢い相続税対策

相続税対策は、早くから始めるほど選択肢が広がり、より効果的な準備ができます。

1. 生前贈与を上手に活用しよう

財産を生前に次世代へ引き継ぐ「生前贈与」は、有効な相続税対策の一つです。 年間110万円までの贈与は、贈与税がかかりません。この非課税枠は、令和6年(2024年)から、相続時精算課税制度を選択した場合でも利用できるようになり、利便性が向上しました。ただし、亡くなる前7年以内の贈与は、原則として相続財産に持ち戻されて(加算されて)相続税の対象となるため注意が必要です。ただし、孫等一定の親族等への贈与は、この7年加算の対象外となる場合もあります。

2. 教育資金や生活費の援助は非課税

「必要な時に必要な額を親族に与える」という目的であれば、教育資金や生活資金の援助は、贈与税の対象になりません。例えば、孫の医学部の入学金2,000万円を祖父が出しても非課税となることがあります。これは民法上の扶養義務に基づくもので、特別な手続きが不要な場合もあります。

3. 生命保険の非課税枠を活用

生命保険金には、法定相続人の数に応じた非課税枠があります。「500万円×法定相続人の数」が非課税となる金額です。例えば、法定相続人が2人であれば1,000万円までが非課税になります。預貯金で持っているよりも、生命保険に加入することで、この非課税枠を有効活用し、相続税を抑えることが可能です。

4. 二次相続を見据えた計画

「二次相続」とは、両親のうち片方が亡くなり、その後にもう片方も亡くなる際の相続を指します。二次相続では、配偶者の税額軽減が適用されず、基礎控除額も少なくなることなどから、一次相続よりも相続税の負担が重くなる傾向があります。そのため、一次相続の段階から、二次相続を見越した財産配分を検討することが非常に重要です。

■ まとめ

相続税対策は複雑で、ご家庭の状況や財産の状況によって多岐にわたります。インターネットの情報だけで判断が難しい場合も少なくありません。早めの準備と、税理士などの専門家へのご相談が、安心して財産を次世代へ引き継ぐための最も確実な方法です。当会計事務所でも、お客様に寄り添い、最適な相続対策をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございます!

贈与税の基本から最新の改正ポイントまで、わかりやすく解説します!

こんにちは、税理士法人FLOW会計事務所の野澤です。

「贈与税」と聞くと、複雑で難しそうと感じる方が多いのではないでしょうか。しかし、贈与税の仕組みを正しく理解し、贈与を計画的に活用することは、将来の相続税を大きく節税するための非常に有効な手段となります。
今回は、2024年の税制改正で大きく変わった贈与税のルールを解説しながら、生前贈与で相続に備えるためのポイントをお伝えします。

◆贈与税の基本を再確認!

贈与税は、個人から無償で財産をもらったときにかかる税金です。毎年1月1日から12月31日までの間にいくらもらったか、を基準に計算し財産をもらった人に納める義務があります。

個人から、なので会社などの法人から財産をもらっても贈与税はかかりません。(※但し所得税・住民税がかかります)

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があり、一定の要件に該当する場合には「相続時精算課税」を選択することができます。

また、贈与は「あげます」「もらいます」という双方の合意によって成立するものなので、後々のトラブルや税務調査に備えるためにも贈与があった場合には、贈与契約書を作成しておくことを強くお勧めいたします。

◆贈与税の対象になるもの・ならないもの・みなされるもの

贈与税の対象になるものは金銭だけでなく預金、不動産、株式などの金融商品、保険金、車など多くのものが対象になります。対象にならないものとして、親子間での日常の生活費や教育費、お祝い金など、常識の範囲内と認められるものなどが該当します。但し、生活費や教育費とは別の一定額以上(常識の範囲内)を超える現金や預金は、親子間や祖父母から孫への贈与であっても贈与税の対象となります。 また、贈与とみなされるものの例として、無利子や低金利での金銭の借り入れ、相場より極端に低い価格での財産の譲り受け、親が子の名義で管理している名義預金なども実態として子の財産とは認められず贈与税の対象になります。

◆2024年税制改正の大きな変更点

「暦年課税」と「相続時精算課税」どちらも大きな見直しが行なわれました。

1. 「暦年課税」 生前贈与加算期間の延長
暦年課税は年間(1月1日から12月31日まで)110万円を超える部分に贈与税が課税される制度です。

※これは贈与する人が贈与できる額ではなく贈与された側の合計額が110万円であることです。


これまでは、亡くなる前3年以内の生前贈与が相続財産へ加算されていました。
しかし、2024年1月1日以降の贈与から、その期間が「7年以内」に段階的に延長されます。
これは、相続または遺贈で財産を取得した法定相続人への贈与が対象となり、孫など法定相続人ではない方への贈与は原則として加算対象外となります。

2. 「相続時精算課税制度」 年間110万円の基礎控除が新設
相続時精算課税制度は、贈与者・受贈者の要件を満たせば、合計2,500万円まで贈与税が非課税となる制度です。

※但し、一度この制度を選択すると暦年課税には戻れないこと、贈与者が亡くなると贈与した額が相続財産へ加算されることが注意点です。

2024年の改正で、この制度に「年間110万円の基礎控除」が新設されました。110万円までの贈与であれば、2,500万円の非課税枠とは別に非課税となり、さらに相続時にも相続財産に加算されないという画期的なメリットが生まれました。

これにより、特に相続税の心配がない方にとっては、暦年課税よりも使いやすい制度になったと言えるでしょう。

◆賢い生前贈与の節税テクニック

1. 贈与税を払ってでも贈与するメリットを考える
「贈与は110万円まで」という考えにとらわれず、あえて贈与税を支払ってでも財産を移転した方が、最終的な税負担が軽くなるケースがあります。贈与税と相続税の税率構造を理解し、「税率の低い贈与税で財産を移転する」という選択肢も検討しましょう。

2. 「名義預金」はリスク大!必ず贈与契約書を作成する
贈与が成立するためには、贈与する側・される側の双方の意思表示が不可欠です。親が子名義で勝手に預金をしていても、実態が伴わなければ「名義預金」とみなされ、後から高額な贈与税を課されるリスクがあります。
贈与契約書は毎年必ず作成し、通帳や印鑑は受贈者自身が管理することが、贈与を証明するための重要なポイントです。

3. 贈与は相続対策の全体像の中で計画する
生前贈与は、相続対策の「最終段階」として計画すべきです。
まずはご自身の財産を正確に把握し、遺言書の作成や不動産の評価減など、他の相続対策を先に進めましょう。その上で、生前贈与をどのタイミングで、どの制度を利用して行うかを専門家と一緒に検討していくことが、最も効率的な対策に繋がります。

◆まとめ

2024年の税制改正により、生前贈与を活用した相続対策はより複雑になりましたが、同時に新たな節税機会も生まれました。「自分にはどの制度が合っているのか?」「どのような対策をすれば良いのか?」といったお悩みは、専門家への相談が不可欠です。

税理士法人FLOW会計事務所では、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な相続・贈与対策をご提案いたします。
相続対策でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

親子間でのお金の貸し借りが贈与になってしまうことも?!

こんにちは。FLOW会計事務所の野澤です。

今回は、親子間での金銭の貸し借りを行う際に「贈与」とみなされ、高額な贈与税が課税されるのを避けるための重要なポイントについて解説いたします。

当事務所にも、「親に住宅ローンの返済資金を借りた」「子供に事業資金を貸したい」といったご相談が数多く寄せられます。しかし、安易な金銭の移動は税務署から贈与と判断され、思わぬ税負担が生じる可能性があります。

【税務署から贈与とみなされないための4つのポイント】

1.金銭消費貸借契約書(借用書)を必ず作成する。

親子間であっても、金銭の貸し借りを行う際には必ず借用書を作成しましょう。口約束だけでは税務署に贈与とみなされる可能性が高まります。

借用書には、以下の項目を明確に記載することが重要です。

  • 貸主(親)と借主(子)の住所と氏名(自署と押印)
  • 契約日
  • 借入金額(金額の頭に「金」と記載することで改ざんを防ぎます)
  • 返済期日(完済予定日を具体的に記載します)
  • 利息(利息を取る場合は利率を記載します。後述しますが、利息の有無は必ずしも贈与と判断される決定的な要因ではありません)
  • 遅延損害金(返済が遅れた場合の取り決めを記載します)
  • 返済方法(毎月の返済額、振込先の銀行口座などを具体的に記載します)

借用書には収入印紙を貼付し、割印(契印)をすることも忘れずに行いましょう。「国税庁の印紙税額一覧表」で借入金額に応じた収入印紙の金額を確認してください。もし収入印紙の貼付を忘れた場合、税務調査で指摘され本来の印紙税額の2倍のペナルティが課せられる可能性があります。

また、税務署からの疑いを避けるため公正証書を作成する必要はありませんが、契約日に借用書が存在していたことを証明するために、確定日付を取得しておくことが推奨されます。確定日付は、公証役場にて手数料700円で取得できます。お近くの公証役場は、インターネットで「お住まいの地域名+公証役場」で検索できます。

2. 利息は取っても取らなくても良いが、無理子には注意する。

税務署に借入れであることを示すために利息を取るべきかという質問が多くありますが、利息の有無が直ちに贈与と判断されるわけではありません。

ただし、国税庁の見解として、無利息などの場合は、本来取るべき利息に相当する金額が贈与として取り扱われる場合があるとされています。これは、「場合がある」という曖昧な表現であり、無利息だからといって借入金全額が贈与とみなされるわけではありません。

重要なのは他のポイントと合わせて、真に金銭の貸し借りであると認められるかどうかです。

3. 借入金額に対して返済能力があること。

税務署は、借主(子)に借入金を返済する能力があるかどうか?を重視します。

例えば、年収300万円の子供が親から1億円を借り、毎月5万円ずつ返済する計画を立てた場合、完済までに200年近くかかる計算になります。このような場合、税務署は「本当に返済する意思があるのか?」と疑問を持ち、贈与と判断する可能性が高くなります。

借入金額と借主の返済能力に見合った現実的な返済計画を立てることが重要です。返済期間は、一般的な10年~30年程度に収まるように計画しましょう。

4. 返済実績をしっかりと残す。

実際に毎月きちんと返済を行っている実績を残すことが非常に重要です。

借用書に返済方法として銀行振込を記載した場合は、必ずその通りに銀行振込で返済を行い通帳に記録を残しましょう。

現金の受け渡しは、証拠が残らないため、税務署から贈与と疑われる原因となります。たとえ毎月きちんと手渡しで返済していたとしても、通帳に記録がなければ、税務署にその事実を証明することが難しくなります。

【まとめ】

親子間の金銭の貸し借りにおいて、贈与税を回避するための重要なポイントは以下の4点です。

  • 金銭消費貸借契約書(借用書)を必ず作成し、収入印紙を貼付、割印、可能であれば確定日付を取得する。
  • 利息の有無は絶対ではないが、無理子での貸し借りには注意する。
  • 借入金額に対して現実的な返済能力に基づいた返済計画を立てる。
  • 借用書に記載した返済方法に従い、しっかりと返済実績を残す。(銀行振込を推奨します)

これらのポイントを守り、適切な手続きを行うことで、親子間の金銭の貸し借りが贈与とみなされるリスクを大幅に減らすことができます。

もし、親子間の金銭の貸し借りについてご不安な点やご不明な点がございましたら、自己判断せずに税理士にご相談いただくことをお勧めいたします。

贈与税申告に時効はあるの?申告が必要な場合は速やかに申告を!

こんにちは、FLOW会計事務所の小針です。

今回は、贈与税の時効について解説します。贈与税についてあまり聞き慣れないかもしれませんが、実は、過去に親や祖父母から贈与を受けた場合、一定額を超えると税金が発生することがあります。そこで、「申告していなかったけれど、今さら税務署に指摘されたらどうしよう…」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。今回はその時効に関して、どれくらいで時効が成立するのか、どんな場合に延長されるのかなどを解説します。

1.贈与税の時効は6年

贈与税の時効は原則として 6年 です。つまり、贈与を受けた日からではなく、申告期限の翌日から6年がカウントされます。これが過ぎると、税務署から指摘されることなく、贈与税の申告は不要となります。

具体的に考えてみましょう。たとえば、令和4年10月2日に贈与を受けた場合、その申告期限は翌年の令和5年3月15日です。この場合、時効のカウントは 令和5年3月16日からスタートし、6年後の 令和11年3月16日 に時効が成立します。

2.時効が延長されるケース

ところが、贈与税の申告を意図的にしなかったり、偽りや不正行為があった場合、時効は 7年に延長されます。たとえば、「申告が必要だと知っていながら、わざと隠していた」という場合です。このような悪質な行為には、重いペナルティが課せられる可能性があるので、注意が必要です。

3.贈与日はいつ?

時効を計算する際、贈与が実際に行われた日を正確に特定することが大切です。贈与の方法によって、その日の特定方法も異なります。

現金贈与の場合:「あなたにあげる」と言って現金を渡した日が贈与日です。預金口座に振り込んだ場合も、振り込んだ日が贈与日となります。

書面での贈与の場合:贈与契約書にサインした日が贈与日です。

不動産の贈与の場合:基本的には契約書にサインした日が贈与日とされますが、時効が過ぎてから登記を行うような場合には、登記日が贈与日と見なされることもあります。

4.期限後申告とペナルティ

もし贈与税の申告が必要にも関わらず、期限内に申告しなかった場合にはペナルティが発生します。主なペナルティは以下の通りです。

無申告加算税:期限後に申告した場合、原則として 15% の加算税がかかります。ただし、贈与額が50万円を超える場合は、その超過分に対して 20% となります。

重加算税:故意に税金を逃れようとした場合には、 40% の重加算税が課せられます。さらに、過去に繰り返し無申告加算税などを課された場合は、税率が 50% にアップします。

延滞税:申告期限から2ヶ月を過ぎると延滞税が発生します。延滞税の額は、遅延した期間によって異なります。

5.時効成立後はどうなる?

贈与税の時効が成立すれば、基本的に申告は不要です。時効が過ぎた後に税務署に申告をしても受け付けてもらえません。ただし、不正行為があった場合、時効が成立していても追及される可能性はあるので注意が必要です。

6.まとめ

贈与税については、時効のルールをしっかり理解しておくことが大切です。もし過去に贈与を受けたにも関わらず、申告していなかった場合は、なるべく早く税理士に相談することをおすすめします。税務署から指摘を受ける前に、正しく申告をしておくことが安心への第一歩です。

贈与税に関して不安な点があれば、ぜひご相談ください。初回の相談は無料ですので、気軽にお問い合わせください!

最後までお読みいただきありがとうございました!

税務署は親族間の預金移動もチェックしています!相続税は正直ベースで申告しよう!

こんにちは!FLOW会計事務所の森です。

今回は相続税の税務調査や正しい申告の重要性についてご紹介いたします!

 

■ 相続税の税務調査はいつ行われるのか

相続税の申告が終わってから、「1年半から2年半の間」に税務調査が行われる可能性が高いとされています。

ただし、過去に申告内容に問題があった方や、大きな財産移動があった方など、特に疑義が持たれるケースは別です。あらかじめ「うちは調査が入りそうだな」と感じる部分があれば、提出書類や領収書、通帳のコピーなどをしっかり整理しておきましょう!

 

■ 税務調査でチェックされやすいポイント

1.生前贈与の有無

相続税の調査では、生前贈与が行われていたかが重点的に調べられます。

故人(被相続人)から相続人、または親族へ資金移動している履歴がないか、相続人全員の銀行口座を細かく確認されます。贈与を受けていたにもかかわらず申告していない場合、追徴課税や重加算税のリスクが高まります。故意に隠したと認定されると、「単なる申告漏れ」ではなく「不正」とみなされ、重加算税(※)が課される可能性があります。

贈与があった場合は、「最初から正直に申告しておくこと」が重要です!

※重加算税は、「意図的に隠そうとした」と認められた場合に適用される、非常に重いペナルティです。

 

2.名義預金の有無

「名義預金」とは、実際には故人が管理していたにもかかわらず、子供や孫の名義で預金口座が作られているケースを指します。

税務調査官は、口座開設時の書類や印鑑の使用履歴、筆跡などを徹底的に調べ、誰が実質的に管理していたかを判断します。名義預金と判断された場合は、相続財産として計上され、申告漏れ扱いとなります。

 

3.申告漏れを防ぐ

先述しましたが、申告漏れが見つかると、追徴課税だけでなく重加算税が課される恐れがあります。

相続税は複雑なルールが多いため、相続税の扱いに慣れた税理士や会計事務所に依頼することで、適切な申告を行い、リスクを最小限に抑えられます。相続税の専門家に相談することが最も重要です!

 

■ 税務調査対策:会計事務所スタッフの視点

1.書類の整理は早めに

相続が発生した際は、すぐにでも「何がどこにあるか」を洗い出すことが大切です。銀行通帳や明細、契約書などをまとめておくと、税理士への相談もスムーズになります。

 

2.疑問点は積極的に専門家に確認

「贈与してもらったが、申告していない」「名義預金になるか心配」など、曖昧な点は先延ばしにせず会計事務所や税理士に相談するのがおすすめです。

 

3.提出期限を絶対に守る

相続税の申告期限(10ヶ月)を過ぎてしまうと、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される可能性があります。特に相続財産が多い場合や、不動産の評価が複雑な場合は、早めの準備が肝心です。

 

4.正直ベースで申告する

税務署はあらゆる情報網を駆使し、故人や親族の口座の存在を把握している場合が多いです。隠匿しようとしたり嘘をついたりすると、重加算税を含めた大きなリスクが伴いますので、十分ご注意ください!

 

■ まとめ

相続税の税務調査は、申告後1年半から2年半の間に入る可能性が高く、そのときに生前贈与の有無や名義預金、不動産の評価などを厳しくチェックされます。申告漏れや虚偽申告が見つかると追徴課税だけでなく、重加算税という重いペナルティが科されることもあります。

また、解約済みの通帳や親族の口座情報までしっかりと調査されるため、「大丈夫だろう」と自己判断してしまうのは危険です。相続税の申告は専門的な知識が求められますし、期限内に正しく申告するためにも、「相続税に強い税理士や会計事務所」に早めに相談されるのが得策です。

私たち会計事務所も、実際に相続税の申告や税務調査の立ち会いを多数経験し、「もう少し準備していれば無用な負担を避けられたのに…」というケースをよく目にしてきました。後々慌てることがないように、ぜひ今のうちから財産や口座情報、各種書類をしっかり整え、相談できる体制を整えていただければと思います。相続はいつ起こるかわからないからこそ、普段からの意識と備えが大切です!!

 

最後までお読みいただきありがとうございます!

子への贈与に要注意!それ名義預金になってない!?

こんにちは。FLOW会計事務所の野澤です。

今回は、税務調査でも指摘を受けやすい名意義預金についてお伝えします。

■ 名義預金とは何か?
名義預金とは、口座名義人以外の方が実質的なお金の持ち主である預金です。

例えば、親が子供名義の口座にお金を積み立てておき、「子供が成人したらプレゼントしてあげよう」といった目的で作られた預金などが該当します。一見、微笑ましい親心のようにも思えますが、税務署は「名義が誰か」ではなく「実質的に誰がそのお金を管理しているか」を厳しくチェックします。そのため、親が亡くなったタイミングで、その口座が親の財産として扱われるケースが生じるのです。そうなると、相続税の課税対象となり予定していなかった税金が発生してしまうリスクが高まります。

■ 名義預金を避けるための2つの条件
1. 贈与の認識の成立
親(贈与者)と子(受贈者)が、「このお金は子供に贈与されたものだ」という事実を明確に共有していることが重要です。
この事実を証明するのに有効な手段が、贈与契約書の作成です。後日、税務署から指摘を受けた際でも、「いつ、いくら、どんな意図で贈与されたのか」を示す書面があれば、トラブルを回避しやすくなります。

2. 通帳と印鑑の管理
子供名義の通帳や印鑑を親が管理し続けていると、税務署は「実際に使えるのは親だ」と判断し、名義だけ子供=名義預金とみなすおそれがあります。
真に贈与したのであれば、通帳も印鑑も子供の手元で管理し、親が自由に引き出せない状態にしておくことが必要です。

■ それでも名義預金と見なされるリスクがあるケース
1. 過去に名義預金を行っていた場合
以前から親の資金を子供の口座に入れるなどの行為が慣習的に行われていた場合、後から贈与契約書を作ったとしても、過去の分については税務署が厳しく調査する可能性が高いです。筆跡鑑定をはじめ、契約書の作成年月日などが本当に当時のものかどうかを徹底的にチェックされることもあります。

2.親が認知症の場合
贈与はあくまでも「贈与する」「贈与される」双方の意思が必要な契約です。認知症などで意思能力が低下している方は、法的に有効な贈与契約を結ぶことが難しくなります。結果として、後々「子供が勝手に名義を作ったのでは?」と疑われ、名義預金扱いされるケースも少なくありません。


■ まとめ
名義預金は、「子供に将来渡すはずのお金だから大丈夫」という安易な思い込みがある一方、実際には厳しくチェックをされやすい財産でもあります。特に、相続が発生してから「実は親の財産だった」と認定されると、多額の相続税や重加算税を課されるリスクが生じます。

 
大切なのは、早めに正しい形で贈与を進めることです。贈与契約書を作り、通帳や印鑑を子供に管理させるだけでもリスクが大幅に軽減されます。また、生命保険などを活用すれば、親の心配を和らげつつ、子供が無駄遣いするリスクも抑えられるでしょう。


会計事務所としても、こうした生前贈与や相続に関するご相談は日々多くいただきますが、やはり「早めに準備しておけばよかった」というお声が非常に多いです。もし、現時点で「子供名義の口座に定期的に積み立てている」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、贈与契約や口座管理の状況を見直してみてください。早めに対策をとることで、ご家族の大切な財産を守れるはずです。

相続税がかからない財産4選!

こんにちは!FLOW会計事務所の小針です!

相続と聞くと「税金が高い」というイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、実は一部の財産は相続税の対象外になるのをご存じですか?今回は、相続税がかからない財産を4つ厳選して解説します!

 

①墓地や仏壇、仏具は非課税!でも例外に注意

故人を偲ぶために必要な墓地や墓石、仏壇、仏具は相続税がかかりません。これらは日常生活に密接に関わるものと見なされるためです。ただし、注意点もあります。高価な美術品としての仏像や骨董的な価値を持つ仏具は課税対象となる場合がありますので価値の高いものを相続するときは専門家に相談するのが安心です。また、墓石の購入にローンが残っている場合でも、非課税財産に関連する債務は債務控除の対象外となるため、相続税の計算には影響しない点にも気をつけましょう。

 

②公共事業や公益事業に使われる財産は非課税

公共の利益のために使われる財産も非課税です。たとえば、公共施設の建設や公益法人への寄付などが該当します。「寄付したら全額非課税」というわけではありませんが、公益性が認められる場合は課税対象から外れます。社会貢献を考えている方にとっては、有効な相続対策の一つになるでしょう。

 

③生命保険金や死亡退職金の非課税枠を活用

生命保険金や死亡退職金には、一定の非課税枠があります。

「500万円 × 法定相続人の人数」

この範囲内であれば相続税がかかりません。たとえば、法定相続人が3人いれば非課税枠は1,500万円です。ただし、この枠を超えた分については課税されるため、保険金が高額になる場合は計画的な準備が必要です。

 

④被相続人の借金や葬式費用も控除される

相続財産から故人の借金や未払い金を差し引くことができます。また、葬儀にかかる費用(葬式代、火葬費用、お布施など)も非課税として控除されます。ただし、香典返しや法事の費用は対象外なので注意してください。「どこまでが控除対象になるのか」をしっかり確認しておきましょう。

 

まとめ:非課税財産を賢く活用しよう!

 

相続税は複雑で難しそうに感じますが、非課税の仕組みを理解すれば負担を減らすことも可能です。特に、生命保険や葬儀費用などは家族の生活を支えるためにも有効活用したいポイントです。事前に知識を持っておくことが、スムーズな相続のカギとなります!

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

配偶者居住権で相続税を大幅に節税する方法!

【配偶者居住権で相続税を大幅に節税する方法!】

こんにちは!FLOW会計事務所の森です。

今回は、令和2年4月1日から施行されている「配偶者居住権」についてご紹介いたします!

 

初めてお聞きになる方もいらっしゃるかと思いますので、まずは概要をご説明します。配偶者居住権は、「配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者に建物の使用を認めることを内容とする法定の権利」のことです。難しい言い回しですが、残された配偶者は、住み慣れた住居に引き続き居住する権利を守りながら、老後の生活資金となる預貯金等も相続するという希望を実現できるようになったのです(後程、事例で紹介いたします)!

 

具体的には、一次相続において自宅を「居住権(=住む権利)」と「所有権(=それ以外の権利)」に分離した状態で配偶者と子がそれぞれ取得し、相続税額を計算します。また、二次相続の(=配偶者が死亡した)際には、配偶者居住権は「消滅」することになります。子の所有権が100%の状態に戻るイメージですが、その際の価値移転に相続税がかからないという特徴があります。

 

分かりづらいかと思いますので、金額をお示ししながら相続税の試算を行います。

下記3点を前提条件とします。実際には配偶者の年齢、建物の現在価値等を考慮して細かい計算を行いますが、今回は居住権と所有権が1:1となる場合を想定した事例です。

 

ア)被相続人の相続財産は自宅5千万円、預金5千万円の合計1億円

イ)上記自宅における配偶者居住権は2.5千万円、所有権は2.5千万円

ウ)法定相続人が配偶者と子1人とする

 

①配偶者居住権を設定しない場合 ⇒ 配偶者が自宅5千万円、子が預金5千万円を相続する

一次相続における相続税:385万円

二次相続における相続税:160万円

(相続税の合計:545万円)

※配偶者は預金をまったく取得できておらず、将来の生活費に不安が残ることになります。

 

②配偶者居住権を設定する場合 ⇒ 配偶者が居住権、子が所有権を取得、預金2.5千万円ずつ相続する

一次相続における相続税:385万円

二次相続における相続税:0円

(相続税の合計:385万円)

※配偶者は自宅での居住を継続しながら、預金も取得できる結果となります!

※二次相続の際は相続税の基礎控除額を下回るため、相続税がかかりません。

 

お気づきかと思いますが、配偶者居住権の設定有無で納付する相続税に差額が生まれるのです!今回は「160万円」の相続税の節税効果があったという結果です。実に驚きですね!

 

配偶者居住権を使った相続税対策がうまくいく可能性が高い人として、

1.一次相続の際に両親と同居する子がいる

2.二次相続後にその子が自宅を相続する予定である

※他の相続人がそのことに反対していないことも重要です

3.一次相続から二次相続の間に自宅を売却する予定がない

といった条件を満たす方が考えられます!もちろん、条件を満たさない=使わない方がいいという訳ではございませんので、皆様の状況を整理しながら適用をご検討いただければと思います。

 

配偶者居住権が設定されていると売却を行えない、配偶者の生前の間に配偶者居住権を放棄しようとすると「贈与税」が課税される等、注意点もございます。配偶者居住権を設定するかどうかは、ご家族の状況等も鑑みながら慎重にご判断ください!

 

最後までお読みいただきありがとうございます!

知ってるだけで得!相続税のかからない方法!

こんにちは。FLOW会計事務所、野澤です。

今回は、生前贈与を活用して相続税のかからない方法をお伝えします。

生前贈与とは名前の通り生きているうちに財産を贈与することですが、今年1月1日以後からの贈与について改正がありました。この「生前贈与」を活用することで将来の相続対策にもつながります。

 

相続税がかかりそうな方は、生前にいかに財産を減らしておくかがポイントにもなります。

まず、贈与の方法としては「暦年課税」と「相続時精算課税」という2種類の方法がありますので簡単に確認しておきましょう。

 

  • 暦年課税 

・1年間(1月1日から12月31日まで)の贈与に課税される

・合計110万円以下の贈与であれば贈与税はかからない

・110万円を超えると10~55%の贈与税がかかる

【改正前】相続が発生したら3年前までの贈与は相続財産へ加算する

【改正後】相続が発生したら7年前までの贈与は相続財産へ加算する(4年延長)

 

  • 相続時精算課税 

・2,500万円までは非課税 60歳以上の父母または祖父母から18歳以上の子や孫限定

・2,500万円を超える部分は一律20%の贈与税がかかる 

※届出が必要であり選択した後は暦年課税へは戻れない(使えない)

【改正前】相続が発生したら何年前でも全額相続財産へ加算する 

【改正後】相続が発生したら何年前でも相続財産へ加算するが110万円の控除がある

 

財産が相続税の基礎控除(非課税枠)を超える人の場合には①の暦年課税を使った贈与、基礎控除の範囲内であれば②の相続時精算課税を使った贈与が今までは効果的でした。

 

相続税の基礎控除の価格は  3,000万円+(600万円×法定相続人の数)です

 

相続時精算課税については2,500万円の贈与を何度かにわけて贈与することも可能です。例えば毎年500万円を5年間に分けて合計2,500万円を贈与した場合でも、改正によって贈与年ごとに110万円を控除することができます。その場合には110万円×5年=550万円を引いた2,000万円を相続時に加算すればよいので、そもそも基礎控除以下の方であれば相続税がかかることもなく贈与ができ、2,500万円までであれば贈与税もかかりません。

 

この2種類の生前贈与、どちらがお得で効果的か?は個人の状況にもよりますし、はっきりとは言い切れませんが、早い時期から相続対策として生前贈与を始めるのであれば、一旦①の暦年課税でコツコツと贈与を行った後に②の相続時精算課税に切り替えるなどの方法も効果的です。

2つの贈与を活用することで、将来の相続税もかからなくすることも可能です。

改正があったことで、使い方によっては大きな節税にもつながります。

 

将来の相続税が不安、ご心配な方は一度シミュレーションをされてみることもお勧めいたします。弊社でもご希望に合わせたシミュレーションやサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。