有価証券の相続手続き

【有価証券の相続手続き】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は、有価証券の相続手続きのハナシ。

最近、相続税についてご相談いただくお客様のほとんどが株式などの有価証券を保有されています。

有価証券は大きく分けて3パターンあります。

・証券会社を通している有価証券

・承継会社を通していない有価証券

・自社株式

それぞれ見ていきましょう。


◇証券会社を通している有価証券

①証券会社へ連絡

相続人が「故人がどんな有価証券を持っていたか把握しきれていない」ケースがとても多く、後から「知らない有価証券がでてきた!」こんなケースもよくあります。

そのため、まずは郵便物や通帳の履歴から推測して、該当しそうな証券会社に連絡を取りましょう。

連絡を取った際には必ず、相続や名義変更に必要な資料の請求や必要な手続きについて確認を取ってください。

②相続人の口座開設

個人が保有していた有価証券は、売却したい場合でもいったんは相続人の口座に移す必要があります。

そのため、口座が無い場合には開設をしましょう。

③名義変更の手続き

故人から相続人へ名義変更を行いましょう。売却をしたい場合でも、いったん名義変更をしてから売却の手続きを踏むことになります。


◇証券会社を通していない有価証券

証券会社を通していない有価証券の場合、その有価証券を発行している会社へ直接連絡をする必要があります。発行会社によって手続きも異なりますので直接連絡して手続きの方法について確認をとりましょう。


◇自社株

故人が自ら株式会社を経営をしていた場合、株式も相続財産になります。どんなに小さな会社でも株式会社である限りはこの手続きは必要になります。

後継者がいる場合には引き継がせて承継することもできると思いますが、そうでない場合には株式会社を清算解散する必要も出てきます。

まずは顧問税理士に連絡してみましょう。


以上、簡単ではありますが、有価証券のはなしです。

有価証券を所有しているほとんどのケースは「証券会社を通している有価証券」になろうかと思います。

相続税申告にも絡む話ですので、お早めにお手続きの準備をお願いいたします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

借金は相続しないといけないの?

【借金は相続しないといけないの?】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は、相続税のハナシ。

遺産の中に借金があった場合、どうしたらよいのでしょうか?

選択肢は主に2つ。「相続放棄」又は「限定承認」によって回避することができます。


◇相続放棄

相続財産を一切相続しない手続きになります。相続放棄をすると借金であるマイナスの財産ばかりかプラスの財産も相続することができなくなります。

期限:相続開始があったことを知った日から3か月以内

手続き:被相続人の最後の住所地の家庭裁判所まで相続放棄の手続きが必要。手続き書類については裁判所のウェブサイトからダウンロードが可能です。

相続放棄は、最初から相続人とならなかったものとみなされるため、代襲相続は発生しません。


◇限定承認

被相続人が遺した財産について、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐことができます。

期限:相続放棄と同じく相続開始があったことを知った日から3か月以内

手続き:共同相続人全員で被相続人の最後の住所地の家庭裁判所まで手続きが必要です。相続人ごとに限定承認を選択することはできず、相続人全員でなければ限定承認を選択することはできません。手続きが煩雑なため限定承認ではなく放棄を選択される方の方が多いです。


以上、簡単ではありますが「相続放棄」と「限定承認」のハナシです。

限定承認については特に手続きが煩雑になるため、お近くの専門家までご相談いただくことをお勧めいたします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

法定相続証明制度を利用しよう!

【法定相続証明制度を利用しよう!】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は、相続に関するハナシです。


◇法定相続証明制度とは

相続人を特定できる戸籍謄本等や法定相続情報一覧図を法務局に提出することによって、「認証文のついた法定相続情報一覧図の写し」が交付される制度です。

この法定相続証明制度ができるまでは、各役所へ相続関係が証明できる書類の束を何度も提出する必要がありました。

そういった不便や手間を避けるために平成29年5月新たに作られた制度が法定相続証明制度になります。

この制度によって交付を受けた「認証文のついた法定相続情報一覧図の写し」があれば、各種相続手続において戸籍関係の書類一式の代わりに使用できるようになります。

相続税申告が必要な方や財産が多く所有者切り替えの手続きを控えている方にはお勧めの制度になります。


「認証文のついた法定相続情報一覧図の写し」の取得方法

申し出できる人:相続人・代理人(弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士、行政書士などの資格者に限る)

申し出先:故人の本籍地、故人の亡くなった時点の住所地、申し出できる人の住所地等

手数料:無料(戸籍謄本等の取得費用は除きます)

必要な書類:申出書、法定相続情報一覧図、相続関係を証明する戸籍関係の書類、故人の住民票の除票など


◇紛失には注意

発行から5年間は再交付が可能にはなりますが、再交付ができるのは最初の申出人のみとなります。個人情報保護法の観点から相続人であっても申し出をした相続人でなければ再交付を受けることはできません。紛失には注意しましょう。


以上、簡単ではありますが、法定相続証明制度について説明させていただきました。

「認証文のついた法定相続情報一覧図の写し」の交付に必要な書類は相続税申告を依頼した税理士に作成いただくことも可能です。

必要な方は一度、ご相談してみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。

事業を引き継ぐときは青色申告承認申請書の提出をお忘れなく!

【事業を引き継ぐときは青色申告承認申請書の提出をお忘れなく!】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は身近な人が亡くなり、その故人から事業を引き継ぐときのハナシ。

故人が青色申告者であった場合、事業を引き継ぐ方も青色申告者になれば色々な特典を受けることができます。


◇青色申告の代表的な特典

・青色申告特別控除という控除が認められる。状況に応じて最高で10万円・55万円・65万円の控除が認められる。

・従業員として働く家族へ支払う給与が経費として認められる。

・赤字を3年間繰り越すことができる。


ただし、この青色申告、故人が青色申告をしていたからといって、この特典が自動的にその後の代に引き継がれるわけではありません。

事業を引き継いだ場合には必ず、定められた期限までに青色申告承認申請書を提出しましょう。


◇提出方法

提出書類:青色申告承認申請書(国税庁のウェブサイト、もしくは税務署の窓口で入手可)

提出先:事業を引き継ぐ方の納税地の所轄税務署またはe-Taxによる申請も可

提出期限:死亡の日が1月1日~8月31日の場合は死亡の日から4か月以内。死亡の日が9月1日~10月31日の場合はその年の12月31日まで。死亡の日が11月1日~12月31日の場合はその翌年の2月15日まで。

費用:かかりません。


青色申告承認申請書の提出は意外と忘れやすい手続きの一つです。

うっかりミスで税金が何十万円と増えてしまうこともありますので、提出忘れにはご注意ください。

身近な人が亡くなったときに忘れやすい手続き一覧

【身近な人が亡くなったときに忘れやすい手続き一覧】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は、身近な人が亡くなったときに忘れやすい手続き一覧です。

身近な人が亡くなったときの手続きは別のブログにもアップしているのでご参考までに。

「身近な人が亡くなってから1週間以内にすべきこと」

「身近な人が亡くなってから2週間以内にすべきこと」

「準確定申告ってナンダ?!」

さて、忘れやすい手続き一覧ですが、今回の手続きは急ぎではありません。

ですので、落ち着いた時を見計らって手続きをしていきましょう!


【解約又は変更手続きが必要なもの】

①インターネット・携帯電話

インターネットの解約はプロバイダーまで問い合わせをし、電話やインターネットで解約手続きを済ませましょう。携帯電話は亡くなった事実のできる書類(戸籍謄本等)を携帯会社の窓口まで持参すれば解約することができます。解約手続きをするまでは料金が発生してしまうのでお気を付けください。

②電気・ガス・水道・NHK

電話やインターネットで手続きが可能です。契約を引き継ぐ場合にはサービスセンターへ問い合わせをし、必要書類を送ってもらいましょう。


【返却手続きが必要なもの】

①運転免許証

亡くなった方の運転免許証は更新手続きを行わなければ失効されます。ただし、盗難によって悪用されてしまうリスクもあるので警察署の窓口で免許証の無効の手続きを行うことをおすすめします。運転免許証と死亡診断書のコピーを警察署の窓口まで持参ください。

②クレジットカード

カード会社によって手続きが異なるため、カード会社にお問い合わせください。なお、亡くなる前の利用額は亡くなった後も残ります。原則として相続人が払うことになりますので払い忘れにはご注意を。

③パスポート

パスポートは返却が必要です。期限が切れる前に返却をする場合には、パスポートのほか、死亡した事実のわかる書類(戸籍謄本等)をパスポートセンターまで持参しましょう。期限が切れた後に返却をする場合にはパスポートのみの持参で結構です。パスポートも盗難によって悪用されるリスクが高いものですので必ず返却しましょう。

④マイナンバーカード

マイナンバーカードは死亡と同時に効力が無くなりますので返却手続きは不要です。盗難されることがないよう、シュレッダーやはさみなどで処分しましょう。


以上、簡単ではございますが、忘れやすい手続き一覧になります。

公共料金などは、親の名義のままそのまま使ってしまっているケースもよくあります。

必要な手続きはお忘れなく。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

準確定申告ってナンダ?!

【準確定申告ってナンダ?!】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は、準確定申告のハナシ。

身近な人が亡くなったから1週間・2週間以内にすべきことをこれまでお伝えしてきました。

身近な人が亡くなってから1週間以内にすべきこと

身近な人が亡くなってから2週間以内にすべきこと

今回は、亡くなってから4か月以内にやらなければならない準確定申告についてです。

これ、意外とみなさん知らないんです。

相続税申告についてご相談にいらっしゃるお客様のほとんどは存在を知りません。

ですので、この記事が「ふーん、そんなのがあるんだぁ」と知るきっかけになれば幸いです。


◆準確定申告とは

ザックリお伝えすると、亡くなった方の確定申告=準確定申告になります。

そのため、確定申告が不要の方は準確定申告も不要になります。

準確定申告が必要になる方は下記のような方になります。

・個人事業をしていた

・不動産賃貸業をしていた

・2か所以上から給与をもらっていた

・給与や退職所得以外に所得がある


◆収入が公的年金しかなかった場合

公的年金等による収入が400万円以下かつ他の所得が20万円以下の場合には準確定申告は不要になります。ただし、年金収入以外の所得が20万円を超える場合には準確定申告が必要になりますのでご注意ください。


◆準確定申告の期限

相続開始があった日から4か月以内

通常の確定申告期限である3月15日ではありませんので注意してください。


◆準確定申告書の提出方法

[提出書類]

①確定申告書第1表、第2表、付表

国税庁のウェブサイトからダウンロード可能です。また、税務署の窓口で入手することもできます。

②相続人等の本人確認書類(マイナンバーカード又は運転免許証等)

[提出先]

亡くなった方の住所地の所轄税務署

*令和2年分以後は電子申告も可能です

[提出する人]

相続人

[必要な資料]

年金や給与の源泉徴収票、医療費の領収書など

*所得の状況によります


以上、準確定申告についてになります。

準確定申告が必要かどうかご心配な方は、いつでもご連絡ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

身近な人が亡くなってから2週間以内にすべきこと

税理士法人FLOW会計事務所です。

先日、「身近な人が亡くなってから1週間以内にすべきこと」をアップさせていただきましたが、今回は、2週間以内にすべきことのハナシです。

無事に葬儀が終わってもまだまだやることがあります。


①世帯主の変更(14日以内)

世帯主が亡くなった場合、世帯主変更届(住民異動届)の提出が必要になります。

提出先が死亡届出と同じ「故人が住んでいた市区町村の役場」になるので、死亡届出と同じタイミングで提出することもできます。

提出先:故人が住んでいた市区町村の役場

届出人:新世帯主又は同一世帯の方もしくは代理人

必要なもの:届出書(役場で入手)、健康保険証(加入者のみ)、運転免許証、印鑑、委任状(代理人の場合)

留意点:世帯主変更届を出したら住民票の写しを取得し、正しく変更されているか確認しましょう。

②健康保険証の返却(14日以内)

健康保険証は亡くなった日の翌日から使用不可となります。資格喪失の手続きをして、健康保険証を返却しましょう。

<国民健康保険に関する保険証の返却方法>

返却先:故人が住んでいた市町村役場の窓口

提出書類:国民健康保険資格喪失届(窓口入手可)*故人が75歳以上又は65歳~74歳で障害がある方であった場合には後期高齢者医療資格喪失届も窓口で入手し、一緒に提出しましょう。

返却物:国民健康保険被保険者証(故人が世帯主の場合は世帯主全員分)、国民健康保険高齢受給者証(対象者のみ)、後期高齢者医療保険被保険者証(対象者のみ)

必要なもの:死亡診断書等、マイナンバーカード、印鑑等(自治体によって異なるので事前にご確認ください)

*国民健康保険以外の健康保険に加入していた場合、基本的には会社側で手続きを行いますので、会社担当者までご確認ください。

③介護保険の保険証の返却(14日以内)

故人が、65歳以上または40歳以上65歳未満で要介護認定を受けていた場合、資格喪失の手続きをし、保険証を返却する必要があります。

返却先:故人が住んでいた市町村役場の窓口

提出書類:介護保険資格取得・異動・喪失届(窓口入手可)

返却物:介護保険被保険者証、介護保険負担限度額認定証(対象者)

必要なもの:死亡を証する書面、印鑑、通帳等(自治体によって異なるので事前にご確認ください)


以上、身近な人が亡くなったあと、2週間以内にやるべきことです。

少しでもご参考にしていただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

身近な人が亡くなってから1週間以内にすべきこと

【身近な人が亡くなってから1週間以内にすべきこと】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は身近な人が亡くなってから1週間以内にすべき手続きのハナシ。

一週間以内にすべきことたくさんあります。

大切な方が亡くなった後に最後の時間を少しでも一緒に過ごせるよう、慌てなくても良いよう、少しでも参考になれば幸いです。


①死亡診断書を手配する

大切な方が亡くなられた際には、臨終に立ち会った医師から死亡診断書を交付してもらいましょう。亡くなった日の当日又は遅くとも翌日までには交付してもらうことができます。死亡診断書は亡くなった後の手続きで必要になることがありますので、コピーを2,3枚準備しておきましょう。

②近親者への連絡

まずは身近な親族に連絡をしましょう。近親者以外には葬儀の準備を進めながら少しづつ連絡していきましょう。誰にどのタイミングで連絡をするかは親族間で話し合いをして決めましょう。

③葬儀社に連絡し遺体の搬送手続きをする

病院でなくなった場合には霊安室に安置されますが、病院からはすみやかな搬送を求められます。自宅等の安置場所に搬送するために葬儀社を決め連絡を取りましょう。葬儀社を決められない場合には搬送のみ依頼することも可能です。また、搬送までに入院費用の精算など退院手続きを済ませておきましょう。

④通夜・葬儀・納骨の手配をしましょう

搬送手続きが済んだら葬儀社との打ち合わせになります。喪主や日時、場所、式の内容などを決めていきます。内容が決まったら、友人や勤務先に連絡しましょう。

⑤死亡届、火葬許可申請書を提出しましょう

死亡届と火葬申請許可申請書は、亡くなった日から7日以内に提出をすれば大丈夫です。ただし、火葬には許可申請を取っていただく必要があります。そのため、④と並行して手続きをしましょう。

[死亡届]

提出先:亡くなった方の死亡地、本籍地の市町村役場

提出できる人:親族、後見人など

手数料:かかりません

必要なもの:死亡診断書、印鑑

[火葬許可申請書]

提出先:死亡届と同じ役場

提出できる人:死亡届を提出する人

手数料:火葬料を支払う場合あり

必要なもの:死亡診断書、印鑑

⑥通夜・葬儀・納骨

一般的に通夜の翌日に葬儀(告別式)を行います。また、納骨については期限が特にあるわけではありませんが、既にお墓がある場合には四十九日あたりで納骨を行うことが一般的です。

⑦年金受給を停止し、未支給の年金を請求しましょう

亡くなった方は年金受給者であった場合に必要な手続きになります。

亡くなってからすみやかに手続きが必要にはなりますが、通夜・葬儀の後に手続きをされることが一般的です。

[年金受給権者死亡届の提出]

亡くなった後も年金を受け取ることはできません。手続きが遅れたために亡くなった後も年金が支払われてしまった場合には返還する必要があるのでご注意を。

[未支給年金の請求方法]

年金は年6回、偶数月に前2か月分が支払われます。亡くなった方が年金の受給資格を満たしていたにもかかわらず、年金を受け取っていなかった場合には未支給年金を請求しましょう。

請求先:最寄りの年金事務所又は年金相談センター

提出書類:未支給年金・未払給付請求書

必要なもの:故人の年金証書、死亡診断書、戸籍謄抄本、故人と請求者の世帯全員の住民票、受け取りを希望する通帳、など


以上が亡くなってから一週間以内にするお手続きについてです。

亡くなった方の状況次第で上記以外でも必要な手続きが発生することもございますことは、ご注意ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

相続の相談は誰にするべき?弁護士?税理士?司法書士?

【相続の相談は誰にするべき?弁護士?税理士?司法書士?】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は相続について「誰に相談すべきか」のハナシ。

相続の相談は一生に一度あるかないか。周りにも経験したことがある人がおらず、誰に相談していいかわからないからそのまま放置。。。

コレよくある話なんです。


◇誰に相談するべきか?

ザックリ説明するとこのような感じです。

①相続争いに関する相談→弁護士

②相続税申告に関する相談→税理士

③土地や建物の名義変更に関する相談→司法書士

一言に「相続」といっても内容によって相談する専門家が異なります。

また、上記は重複することもあります。

例えば「相続争いもしてる+相続税申告も必要」。こんなときは弁護士と税理士の両方に相談していただく必要があります。

ここで1点注意があります。

弁護士、税理士、司法書士同士で連携していないケースがよくあるんです。

例えば、「相続によって土地の名義変更が生じたため司法書士に相談にいった。司法書士からは特に相続税申告の必要性は言われなかったので申告はしなかった。」

仮に相続税の申告が必要だったとしても、司法書士は税の専門家ではありません。そのため、「相続税申告が必要だから税理士に相談してくださいね」とまでフォローしてもらえないことも多々あるんです。専門家同士で横のつながりがある弁護士、税理士、司法書士等であれば必要に応じて他の専門家を紹介してくれることもありますが、他の専門については一切触れてもらえないケースもあるのでこの点はご注意を。

弁護士、税理士、司法書士がそれぞれどんなことをやってくれるのかもう少し掘り下げてみましょう。


◇弁護士の専門領域

遺産分割の争いに関する法律相談や遺産分割の代理人、裁判所での代理人等があります。相続について何か揉めていることがあればそれは弁護士の専門領域といって差し支えないです。

弁護士の専門領域は、弁護士にしか認められておらず弁護士以外の人が行うと非弁行為といって、2年以下の懲役か300万円以下の罰金が課されます。


◇税理士の専門領域

税金に関する専門家です。相続税申告が必要な場合の申告書の作成や代理申告については税理士の独占業務となっています。相続税申告が必要かどうかわからない場合にシミュレーションしてくれる税理士もいます。将来的な相続税対策のために、節税の相談をしたいときも税理士に相談するのが良いでしょう。


◇司法書士

不動産の相続登記、名義変更手続きの代行、成年後見、家族信託などを専門分野としています。相続争いになってしまった場合の相談相手は弁護士のみとなってしまいますが、家族信託等を利用することによって争いになる前の事前対策は司法書士の得意分野でもあります。


以上、簡単ではありますが専門分野に応じた相談先となります。

もし、「だれに相談したら良いかわからない」なんてときは、税理士法人FLOW会計事務所までお問い合わせください。

お客様に合わせた専門家をご紹介させていただきます。

[相続税]どのくらいの確率で税務調査は入る?

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は相続税に関する税務調査のハナシ。

相続税申告をした方、する予定がある方は気になるトピックじゃないでしょうか。


◇年間の税務調査件数

相続税の税務調査は簡易なものも含めると年間で約2万4000件ほど実施されています。

年間の相続税の申告件数はおよそ10万件程度ですので、確率的には4~5件に1件の割合で行われていることになります。

4~5件と聞いてどのように感じますか?

これ、実はかなり高い割合なんです。というのも、所得税や法人税等の他の税目に関する税務調査の確率はせいぜい1~2%です。相続税はこの20倍以上ですからね。


◇ペナルティ

税務調査が入り、間違いを指摘された場合には、ペナルティとして追加で税金を課されることになります(追徴課税)。

納めた税金が少なかった場合・・・過少申告加算税(本来納めるべき税額の5~15%)

申告すらしていない場合・・・無申告加算税(本来納めるべき税額の10~20%)

仮想隠蔽、故意による税金逃れの場合・・・重加算税(本来納めるべき税額の35~40%)

それぞれには延滞税も発生します。

一番ペナルティが重いのは重加算税ですが、2018年の税務調査統計によるとペナルティを受けた方の16.5%がこの重加算税を課されています。仮想隠蔽を図った結果、4割近い追徴税額を取られてしまうのももったいないですよね。。。


◇自分はバレない?

皆さん、国税管理システム(KSK)はご存知でしょうか?

全国民の確定申告や給与の源泉徴収、過去に受けた相続の情報が集約されたシステムです。恐ろしいですよね、国はあなたがどれくらいの財産を有しているか把握しているのです。

この情報を参考に「この人はこれくらい財産を持っているはずだけど、相続税の申告がされていないな?」というアタリをつけて調査対象の選定の実施しています。

これだけでもバレない可能性が極めて低いことをおわかりいただけたのではないでしょうか。

先述した「調査に選定される割合が4~5件に1件であり、かつ、そのうちの16.5%が重加算税を課されている。」この事実だけでも、税務署の仮想隠蔽案件の抽出力の高さをうかがい知れますね。


今回は相続税に関する税務調査についてオハナシさせていただきました。

相続税は特に調査になりやすい税目です。

そして、あなたの世代で犯したズルは、あなたの子供、孫へと次世代へしわ寄せされることになります。

調査に入られて重加算税を払わなければいけないのに、納税するだけの財産はもう残っていない…なんて最悪のシナリオにならないよう、正しい申告と納税をしていきましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。