【Episode①ある日急に「税務調査」が入るという連絡が有った時あなたは?】
税理士法人FLOW会計事務所の中村です。
税務調査は決して他人事ではありません。自分は大丈夫と思っていても、ある日突然、税務署から電話が掛かってきて、「調査に赴きたいので日程調整をお願いしたい」と言われた時、あなたはどうしますか?
真面目に、全ての取引(売上にしろ、必要経費にしろ)を記帳し、記録の保存も確実に行っていれば、「どうぞ、どうぞ見に来てください」と胸を張ってお迎えすることが出来ると思います。しかし、コロナ禍の時代で、思うように実績が伸びず四苦八苦している中、過去の申告(景気の良い時代のこと)を遡って見られ、思っていなかった税金を支払うことになれば、憂鬱そのものとなるかとも思われます。
実際の税務調査に赴いて判ったケースの一つでこんなことがありました。
ある建築関係の仕事をしている個人事業主のAさんは、ある年の売上を980万円として必要経費を差引所得を算出し、所得税の確定申告をしたそうです。
Aさんは「売上が1000万円を超えると消費税がかかる」ということを知っており、かつ「経費は大体こんなものだろう」と今までの経験則で計上して、税金がかからない形で確定申告書を作成しました。
税務署の窓口に提出したところ、窓口の人は内容には突っ込まず受理しました。Aさんは同様に、次の年も次の年も同じような感覚で確定申告をしていました。
そんなことが続いて、油断していたAさんでしたが、その翌年、税務調査が入りました。保存されていた売上の請求書・領収書、経費の領収書等、また、預金関係の内容の確認を行われ、売上が1000万円以上あることが判明し、消費税を逃れるために、売上を恣意にごまかしていたと見られ、7年間遡っての調査になり、所得税と消費税の追徴課税と重加算税等の附帯税を払わなければならいという結果になりました…
税務調査では、過去のごまかしも見逃してはくれません。
税務調査の対象者を選定する際、売上金額を、毎年、1000万円以下にて繰り返していると、情報があがってくる状況になっています。今は、電子の時代です。申告された内容が入力されて、数々の資料が出る仕組みが構築されているのです。