会社設立前に必要資金は計算できていますか?

【会社設立前に必要資金は計算できていますか?】

税理士法人FLOW会計事務所です。

今回は、必要資金のハナシ。

会社経営にはお金がいくら必要なのか把握できていますか?

「経営者には勢いとノリが必要!とりあえず会社作るぞ!」

コレ、命取りになります…

一昔前はコレだけでもイケました。なんでかって?日本の景気が良かったですからね。

あと、ネットが無かった時代では商品やサービスのライフサイクルが非常に長かったです。

テレビの時代は長かったですよね。日本国内で初めてテレビが発売されたのは1952年、松下電器からでした。テレビしかなかった時は、みんなが同じテレビ番組を視聴して、みんなが同じ芸能人やアイドルに胸をときめかせていたでしょう。

でも、ご存知の通り今は違います。ネット、スマホの普及でチャネルは莫大に増え、その分、そこには新たな商品やサービスが生まれています。

これによって、経営者には「勘」や「経験」のほか、来るべきタイミングで勝負できるよう「今、手元にお金がいくらあるのか?新たなビジネスに投資した場合の3か月後・6か月後・1年後の手残りはいくらあるのか?」などあらゆる状況を把握しておく必要があります。

「なりゆき」経営とならないよう「必ず」会社を作る前に必要資金を試算しましょう。


◇必要資金とは

必要資金を試算するうえで、代表的な項目は①設備資金②運転資金となります。

①設備資金

30万円を超える費用については、設備資金として試算しましょう。また、設備資金については高額になるケースが多いため、必ず業者や取引先から見積書をもらいましょう。

・保証金、敷金、礼金

会社のオフィスや店舗、工場、土地を借りるためには保証金や礼金、敷金が必要です。

・建築費

会社のオフィスや店舗、工場を建築する場合には建築費が必要です。

・機械類

特殊な事業で大きな設備を入れる場合には機械類の費用も必要です。

②運転資金

運転資金については「6か月~1年分」もしくは「事業が軌道に乗るまでの予測期間分」は確保していただくことが必要です。

・役員報酬、給与

最初から人を雇用する場合には給与の確保も必要です。代表者本人の役員報酬は最悪カットできますが、給与のカットは離職やサービスの質を低下させる原因に直結するので避けなければなりません。

・社会保険料(法定福利費)

法人の場合、社会保険の加入義務があります。会社が負担する社会保険料の支払い目安として、上記役員報酬や給与の20%程度を確保しておきましょう。

・旅費交通費

移動が主となるサービスの場合、ガソリン代や電車代、ETCの料金も確保する必要があります。金額は小さくても侮ってはいけません。毎日利用することで思っていたよりも大きな金額になることが多いので注意を。

・備品、事務用消耗品費

デスクやプリンター、筆記用具や印刷用紙などの費用も確保が必要です。

・地代家賃

テナントの場合は当然、毎月賃料が発生しますので要確保です。場所が決まっていなければ、候補地で構いません。インターネットで候補地を探してみましょう。

・水道光熱費、通信費

公共料金やインターネット利用料も会社経営には不可欠です。公共料金については実際に使ってみないと正確な数字もわかりませんので、1万円~5万円などで大まかに設定していただければ十分です。

・材料費

製造業や飲食業など、製品生成に材料が必要な場合には材料費も確保しなければなりません。材料費については、業者や取引先に可能な限り見積もりをしてもらいましょう。

・リース料

複合機や設備をリースする場合には、毎月払うリース料も確保しておく必要があります。リース料もリース会社に依頼をすれば概算見積書を作ってもらうことができます。

・外注費

作業の一部に外注に出す場合には外注費も運転資金に含めます。外注費も可能な限り見積書は入手したいです。


以上、代表的な設備資金と運転資金を列挙させていただきました。

必要資金とご自身で貯蓄した自己資金を比較してみていかがでしょうか?

足りない場合には金融機関から融資を受けることも検討する必要があります。

金融機関から融資を受けるまでには早くとも1か月超はかかります。

事業を開始する直前に「金融機関からお金を借りないとお金が足りない、どうしよう」なんてことにならないよう、会社を作るまでに必ず必要資金を試算、検討しておきましょう。

今さら聞けない保険のキホン!

◇保険とは

日常生活で起きる様々なリスクに備える制度のことをいいます。

事故やケガ、病気、死亡などの事態や、天災、第三者への損害賠償責任の負担など、仕事を含む日常生活には様々なリスクが潜んでいます。

◇リスクに備える

上記のようなリスクが実際に起きてしまった時、手元にお金がなければ何もできません。

保険に加入することで、一定期間、一定の保険料を支払えば、不測の事態が生じたときに一定のお金を得ることができます。

保険をうまく利用することで遺族の生活資金の確保、医療費の備え、老後の生活資金、子供の教育費など幅広く対応することが可能です。

◇生命保険の構成

生命保険は「主契約」「特約契約」で構成されています。

「主契約」・・・保険契約の本体部分

「特約契約」・・・主契約だけではカバーしきれない部分を特約契約によって補完します。いわゆるオプションのような位置づけですね。

代表的な主契約には下記の保険があります。

◇医療保険の場合

病気やケガで治療や入院費がかかったときにお金を受け取ることができる保険です、

◇死亡保険の場合

①定期保険・・・死亡保障が一定期間決められている保険

→期間が終われば保険金は受け取ることができません。

②収入保障保険・・・死亡保険金を年金形式で受け取ることができる保険

→死亡した際に一気に全額受け取るわけではなく、一定期間少しずつ受け取ることができます。

③終身保険・・・死亡保障が一生続く保険

→①とは異なり、亡くなるまで保険が継続されます。

◇生存保険の場合

①個人年金保険・・・契約時に設定した年齢から年金形式でお金を受け取ることができる保険

◇生死混合保険

①養老保険・・・上記の死亡保険と生存保険を組み合わせた保険

→死亡保障だけでなく、自身が生存していても受け取ることができます。

②学資保険・・・子供の進学に合わせて受け取ることができる保険

→子供の進学時に保険金やお祝い金を受け取ることができます。契約者である親が死亡した場合や高度障害によって収入を得られなくなった場合にも保険を保証し、以後の保険料の支払いも免除されます。

 

簡単ではありますが、以上が「今さら聞けない保険のキホン」になります。

保険を検討する際には、必ず目にするワードばかりですのでご参考にしていただければ幸いです。

会社の財政状態はどうなっている?~貸借対照表の見方~

【会社の財政状態はどうなっている?~貸借対照表の見方~】

こんにちは。あけぼの会計の会田です。

この度弊社に新人が2名入社することになりました。

2名とも未経験ですが、非常に明るく真面目なため今後の成長に期待しています。

指導にあたって基本に立ち返る機会もあり、今回は基本の1つとなる貸借対照表の見方についてお話させていただきたいと思います。

◆貸借対照表は会社の体力を表す

貸借対照表は、会社の一時点における体力(財政状態)を表すものです。

財政状態とは、会社が行った経営の結果、資産がいくらあるか、もしくは負債がいくら残っているのかなどといった状態のことを意味します。

資産とはプラスの財産、負債とはマイナスの財産のことを指し、この資産と負債の差額を純資産といいます。

◆運用欄と調達欄

調達欄は負債と純資産に分かれ、借入金など将来弁済しなければならない方法で調達したものが負債に、会社の元手である資本金と過去の利益累積額(稼いだお金)が純資産に表示されています。

一方、運用欄とは資産を指します。資本金や借入などで調達したキャッシュを、現金として残してあるのか、はたまた車両や機械といったモノにしているのかが表示されます。

また、会計システムの表示方法にも依りますが、貸借対照表では資産は左側に、負債・純資産は右側に表示されます。

資産や負債は、更に流動・固定といった分類がされ、項目ごとに表示順が決まっていて、現金化が早いものが上に、遅いものが下に表示されます。

そのため、貸借対照表をみると、何にどれくらい投資をしているか、キャッシュショートの可能性など様々な情報を得られることになります。

◆キャッシュの体質も見えてくる

資産に計上される現金と売掛金は、現金化するスピードが早い流動資産に表示されています。現金であればすぐに使うことができますが、売掛金は通常1ヶ月以上待たないと現金化されません。

負債に計上された買掛金や未払金は、1ヶ月以内に支払うことが多く、仮に売掛金が100、買掛金・未払金が50となった場合、差額50は借入金50で補填する必要があります。

この状態のまま財務状況が2倍・3倍となった場合、比例して借入金も多くなり、キャッシュの巡りがあまり良くない会社、万が一借入が止まった場合はキャッシュショートの恐れがある会社と見られてしまうことがあります。

業種ごとに財務状況の特徴がありますので、上記が必ずしも悪い状況ではありません。他社と比べての判断となりますので、この点はご注意ください。

簡単なご紹介となりましたが、以上が貸借対照表の見方です。その他、融資の際の評価される点の1つである流動比率など、様々な情報が得られる大切な資料になりますので、お手元のものを今一度ご覧いただければと思います。

 

「多芸は無芸」何でもやれれば良いというわけではない

【「多芸は無芸」何でもやれれば良いというわけではない】

「フレキシビリティの二律背反性」という考え方をご存知でしょうか。

「フレキシビリティを向上させると、それだけシステムのパフォーマンスやユーザビリティが低下する現象」のことをいいます。

フレキシビリティ、、、要するになんでもやろうとすると、必然的に、より多くの要件を満たす必要が生じ、そうなると例外なく、より折衷的で複雑なものをデザインしなければなりません。

また、デザインが複雑になると、総じてパフォーマンスやユーザビリティは低下すると考えられています。

例えば、アーミーナイフは、多くの種類のツールを揃えており、フレキシビリティ性はとても高いです。しかし、どのツールも、単独の専用ツールに比べると効率性に欠け、ユーザビリティは低いです。これは、パフォーマンスとユーザビリティが、フレキシビリティに代替されているからです。

特定の機能が繰り返し必要とされる場合、特化された専用品のほうが多用型の製品より望ましいです。そのため、求められる役割が決まっている場合には、専用品を使いたくなる傾向が心理的に強くなります。

ビジネスで考えてみると、意外と単純です。

ラーメン屋さんが2軒並んでいたとします。

それぞれ看板にはこう書かれています。

A店「つけ麺&ラーメン&油そば屋」

B店「つけ麺専門店」

つけ麺が食べたかったらあなたはどちらに行きますか?

答えは簡単ですよね。

つけ麺だけを作っているほうに行きます。それはなぜか?

「つけ麵だけを追求して作っている方がよりよりおいしいに違いない」

潜在的にそう判断するからです。

お店側としても一つの商品に的を絞った方がユーザビリティやパフォーマンスは当然上がります。

メニューが多すぎると在庫管理や調理負担も当然変わってきますからね。

逆にラーメンもつけ麺も油そばもなんでもやりたい人はパフォーマンスとユーザビリティを犠牲にする覚悟が必要です。

飲食店だけに限らず、取扱い商品や社内で利用するシステム、、、弊社は会計事務所なので会計ソフトも当てはまりますね。

色んなものを作ろうとするとor使おうとするとパフォーマンスもユーザビリティも低下することになります。

何か新しくビジネスを始めるときやシステムを導入するときには

「フレキシビリティの二律背反性」

の考え方は参考になるのではないでしょうか。

少しでも何かのヒントになれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

-創業支援-消費税の間違いやすいポイント

【-創業支援-消費税の間違いやすいポイント】

消費税が課税されるかどうかの処理は、税額へ直接影響することになります。

今回は、消費税についてシンプルに短く説明したいと思います。

◇課税方法

原則課税か簡易課税を簡単に説明します。

①原則課税・・・売上と経費から納税額を計算します。

②簡易課税・・・売上から納税額を計算します。

①の場合には、売上と経費の両方で消費税をチェックすることが必要ですが、②の場合には売上の消費税をすればOKです。

自社が①と②どちらで処理しているのかをまずは確認しましょう。

◇間違いやすい消費税

①売上

消費税の課税対象となる「売上」とは、「国内で事業として対価があるもの」です。

「国内」に限定しているので海外に対する売上は消費税のかからない売上(免税売上)となります。

また、「対価があるもの」に対する売上が消費税の対象になるので保険金や賠償金、助成金、補助金など対価性がない入金については課税の対象とはなりません。

②海外へ支払う経費

基本的に消費税の対象外になります。国際郵便や国際電話は対象外です。

ただし、海外にあるようで日本法人に支払っている経費は消費税の対象になるので注意を。

③家賃を払った場合

用途で変わります。

オフィスなど事業用の家賃・・・消費税の課税対象です。

社宅などの居住用の家賃・・・消費税は課税されません。

④交際費・福利厚生費

原則として、消費税は課税されますが、商品券や香典、お祝い金は消費税の課税対象外です。

⑤何かを売却した場合

売却価格が課税の対象になります。原価との差し引き利益が赤字でも消費税は関係ありません。

⑥給与や役員報酬を払った場合

消費税は課税されません。

売上に対する人件費率が高い場合、人件費によって損益上は大きな赤字になっていたとしても、人件費に対する消費税は売上に対する消費税から差し引くことができません。

そのため、手元資金は無いんだけど、消費税の金額が多額になるケースがあります。

売上に対する人件費率が高い事業の場合は、年間の事業計画を作成し、消費税の予測を立ててください。

将来生じる消費税額から逆算して、毎月少しづつ納税資金を貯めるようにしましょう。

 

以上、簡単にはなりますが、消費税の間違いやすいポイントです。

法人税や所得税とは課税の考え方が異なるので注意ください。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

事業改善のための生産性のハナシ

【事業改善のための生産性のハナシ】

こんにちは。あけぼの会計の会田です。

先日クライアントから生産性についてご質問をいただきました。

そこで今回は、弊社のような会計事務所を例に生産性の考え方や事業への活かし方についてのご紹介です。

◆生産性を確認する◆

生産性とは何でしょうか?

様々な意味合いがありますが、私は「どれだけの時間でどれだけの利益を出せたか」と考えています。

この言葉だけでは曖昧ですので、誰が見てもズバリとわかるように数字で確認します。

算式に表すと【粗利(フィー) ÷ 人件費】で確認できます。

◆生産性を要素に分解する◆

上記の算式で現在の生産性を確認できたら、これをより良くしていく方法を考えるための前段階として、要素に分解していきます。プロフェッショナル・サービス・ファーム(デービッド・マイスター著)では、生産性のポイントとして【高いフィー × 生産性 × レバレッジ】と紹介されていますので、こちらを参考にします。

  1. 高いフィー

→良いサービスを提供して高い料金をいただくこと。

  1. 生産性

→上記算式のとおり。

  1. レバレッジ

→キーとなる人材の採用や育成。

なおレバレッジは「てこの原理」を意味する言葉で、ビジネス的には「より小さい労力で大きな成果を出す」といった意味になります。

◆生産性を改善する◆

分解した要素に改善の優先順位を付け、また、自社のビジョンやミッションとも照らし合わせながら改善の戦略を考え、これに従ってアクションを考えていきます。

弊社のような人に依存する事業であれば、レバレッジの優先順位が特に高く、高いフィーをいただけるようなサービスを提供するためのシステムやソフトの購入などが続きます。

ですので、良い人材を確保するために人と会うことを重視し、空いた時間で効率化できるようなクラウドサービスを探していくように動きを変えるようにします。

以上が大まかな紹介となりますが、いかがでしたでしょうか?

考え方の一つとして皆さんの事業の参考になれば幸いです。

-創業支援-勘定科目設定のポイントは2つです!

【-創業支援-勘定科目設定のポイントは2つです!】

個人事業主の開業や法人設立の際によくいただく質問に「勘定科目」があります!

会計ソフトを買って自分で記帳したいけど、勘定科目のルールがよくわからない…

創業時のあるあるです!

この勘定科目、厳密なルールがないことでかえって混乱してしまう方が多いようです。

今回は勘定科目の設定について2つのポイントをお伝えします!

[ポイント①雑費は使わない]

勘定科目には「雑費」という科目がありますが、これは使わないようにしましょう。

よくわからない経費があったりするとなんでもかんでも「雑費」にぶちこんで、最終的にはゴミ箱になりクセになります笑

(よく出てくる経費の参考例)

・打ち合わせ代→会議費

・事務用品やPC関連の購入→消耗品費

・会食(目安として1人5000円超)、手土産→交際費

・会計ソフトの利用料、振込手数料、士業や専門家への報酬→支払手数料

[ポイント②分析したい数字の勘定科目は分ける]

把握しておきたい数字は、それに応じて勘定科目を設定しましょう。

例えば、コロナ禍によってリモートワークに切り替えた事業者であれば、リモートワークにかかった経費がどれくらいなのか把握しておきたいところです。

こんなときは「リモートワーク費」「在宅費」といった科目を設定することでリモートワークによる影響が具体的な数字で把握することができます。

こういったオリジナル科目については、あくまで管理上の利用とし、決算の際の決算書上には記載せず他に科目に含めて表示をすることも可能です。

以上の2つのポイントに従って勘定科目を設定するだけで、その情報を業務効率化に役立てることもできます。

コロナ禍で先行き不透明な状況の時こそ、自分自身の経営状況を数字をもってしっかりと把握しておきましょう!

-起業支援-法人設立が簡略化されました!

【-起業支援-法人設立が簡略化されました!】

2021年2月26日から「法人設立ワンストップサービス」が可能になります!

◇法人設立ワンストップサービスとは?

法人設立の際、各省庁に提出等が必要な手続きをオンラインで一度にまとめて申請できるサービスのこと

もちろん、自宅からできます!

◇2021年2月26日から新たにオンラインでできること

法務局への手続きのうち、下記のことがオンラインで可能になりました!

・定款認証の嘱託

・設立登記申請

◇準備するもの

・法人代表者のマイナンバーカード

・ICカードリーダー

・インターネットアクセス端末(スマホ、PC、タブレット端末など)

・マイナポータルアプリのインストール

法人設立ワンストップサービスホームページの「かんたん問診」の質問事項に答えることで、ご自身にあった必要な手続きが表示され、そのまま申請に進むこともできます。

これから法人設立をされる方は、利用していきましょう!

 

‐起業支援‐会社設立で準備すべき印鑑とは?

【‐起業支援‐会社設立で準備すべき印鑑とは?】

会社を設立する際、必要になる法人印鑑についてご紹介します!

◇会社実印

これは必ず作らなければなりません!法務局で印鑑登録する一番大切な印鑑です。

◇銀行印

金融機関に届け出る印鑑です。実印と併用も可能ですが、盗難などの紛失リスクを考えると別に作った方がより安全でしょう。

◇角印

会社の認印になります。四角形の角ばった形がメジャーです。領収書や請求書、さまざまな書類にわざわざ実印で押印する必要はありません。角印を使いましょう。

◇横判

会社名や住所などが書かれた横長の印鑑のことです。書類の記入のたびに、毎回手書きで会社名や住所を記入するのはとても面倒です。会社名、住所、電話番号などいろいろな文面で作成できるので用途に合わせて数パターン用意しておくことをおすすめします。

会社を設立した後は色々な取引先から「角印持ってきてください~」「実印もってきてください~」などどいわれることもよくあります。

それぞれの違いを理解したうえで、判子を使っていきましょう!

私募債ってご存知ですか?

【私募債ってご存知ですか?】

ある関与先が銀行から、

「私募債を発行しませんか?」

と提案されたということで相談を受けました。

私は、そのもの自体の概要は知っていましたが、掘り下げた形で詳しくなかったので、この機会に自分なりに調べてみました。


1・私募債とは

「自社が有価証券を発行し、それを少数の投資家が引受してくれるもの」が私募債です。

企業が社債発行母体となって社債を発行し、それを引受ける投資家、金融機関から資金を調達する手法のことです。上場企業は公開市場で「公募債」という形を取って行いますが、非上場企業は金融機関、信用保証協会より保証を受けて私的に行います。


2・メリット

①保証人や担保が必要ない

②償還期限や方法が柔軟に決められる

償還期限・方法・利息などを借り手の側が任意で設定できる。

③CSR(対外広告)効果

社債発行の際に金融機関や信用保証協会から、保証を出してもらえる制度であり、「証券保管振替機構(通称ほふり)」に記録され誰でも検索できるため、一般に知れ渡る機会が増える。


3・デメリット

①リスケジュールが不可

仮に業績が悪化し資金繰りが苦しくなっても、通常借入のように「リスケジュール(リスケ=返済猶予の設定)」ができない。万が一償還出来なくなった場合には、高金利の手形貸付で金融機関から資金を出してもらうのが一般的で高リスクである。

②調達コストが融資対比高い場合がある

償還時に金融機関に支払う「社債利息」に加え、発行時に手数料を払わないといけないため、最終的なキャッシュアウトが融資よりも大きくなる可能性がある。


以上、簡単にまとめてみました。

私募債の発行に関しては、純資産額や自己資本比率などの適債基準がありますが、資金調達の一つの方法です。参考になればと思います。